勝兵塾第23回月例会が4月18日(木)アパグループ東京本社6階会議室にて開催されました。
冒頭のアパグループ代表、元谷外志雄塾長による挨拶では、「来月号のアップルタウンに掲載する座右の銘は『揺るぎ無い信念に基づき 断固として行動せよ』である。4月26日までに0増5減案を衆議院で可決すれば、参議院で可決されなくても60日後には衆議院に差し戻しされて成立する。安倍政権は誕生後、日増しに支持率が上がっている。自民党は憲法改正を党是として結党されたにも拘らず、公明党と連立したことで左傾化し、その後の選挙で大敗した。しかし、その後の3年3ヶ月に亘る民主党政権はもっとひどかった。鳩山氏は同盟国と敵対国を同列に扱い日米関係を悪化させ、菅氏は政権延命のために東日本大震災を利用し、脱原発を唱えて大混乱を招いた。さらに当時の環境大臣の細野氏は、除染の基準を5ミリシーベルトから1ミリシーベルトへ引き上げ、その結果、除染が全く進んでいない。こうして民主党政権の下で莫大な国家の富が喪失した。安倍政権は支持率が高いのであるから、この勢いで憲法改正を行うべきだ。現在の違憲状態では憲法改正をしても無効だと訴訟が起きるおそれがある。そこで違憲状態を解消して衆参同時選挙を断行すれば、自民党は必ず圧勝するだろう。そうすれば連立の組み替えも可能となり、影響力を失うことを恐れる公明党が自民党に擦り寄って憲法改正に賛成する可能性が高い。かつて私は6年前に安倍首相に衆参同時選挙を直接進言したことがあったが、当時は任期半ばで生首は切れないという理由で衆議院の解散はできず、参院選で大敗した。今回衆参同時選挙を断行できれば安倍政権は5年の長期政権となり、さらに憲法を改正して国のあり方まで変えることができれば、10年の長期政権も不可能ではない。安倍首相は日本のサッチャーになれる。先ほど紹介した座右の銘は、安倍首相へのエールでもある。」と、安倍政権に対する期待と憲法改正に向けた提言を披露されました。
デヴィ・スカルノ様は、「過去30年を振り返ると、世界でも日本でも大変な出来事が数多く起こった。しかも日本では、東日本大震災や原発事故の後、被災地の復興が進んでいない。アベノミクスや黒田総裁の金融緩和によって日本経済がバブル化しているのが少し不安である。歴史的な株の高騰や円安を手放して喜んでいいのか。また、中国の脅威に対して日本の政治家がゆったりとした気持ちで構えているので、心配している。中国は日本を名指しで、『日本が尖閣を盗もうとしている』と言っているが、日本の政治家は中国を非難しようとしない。また、日本の若者が全く怒らない。自分のことだけを考えていて、残念に思う。」と、日本の政治家や若者に対して苦言を呈されました。
駐日エチオピア連邦共和国大使館特命全権大使のマルコス・タクレ・リケ様は、「エチオピアはアフリカで最も歴史のある国の一つで、日本とは1930年代から良い外交関係が続いている。かつてエチオピアの皇帝一族と日本の皇室とは親しく、1970年の大阪万博では皇帝も来日した。現在は帝政が廃止され、共和制になっている。日本の皇室の伝統は素晴らしく、自分たちもそうした伝統を維持したかったが、今は失ってしまった。エチオピアは1970年代、80年代に飢饉や内戦といった非常に悲惨な状況が続いたが、ここ10年間で経済発展して状況が良くなってきている。また、エチオピアの良い面もある。高地にあるためアベベをはじめ、これまで多くのマラソン選手を輩出してきたことだ。エチオピアは暑い夏も寒い冬もない。日本は信頼できる開発パートナーである。」と、日本とエチオピアとの深い関係について語られました。
駐日バーレーン王国大使館大使のハリール・ハッサン様は、"Beautiful Mind & Long Life"というテーマで、精神と肉体の関係や、体の仕組みを細胞、染色体、遺伝子、DNAまで含めて詳しく解説され、「寿命を決めるテルメア(染色体末端の組織)を短くする要因は不健康なライフスタイルであり、その要因の一つであるストレスをなくすのが美しい精神である。美しい精神は、感情をコントロールし、コミュニケーションスキル能力を備えることで得られる。美しい精神が健康で幸せで長い人生をもたらす。」と語られました。
日本航空学園理事長の梅澤重雄様は、「昨年10月に還暦を迎え、これから政治活動を行っていくことを決意した。次の参院選ではみんなの党から出馬する。学園は昨年80周年を迎えたが、戦前の伝統を守り、毎朝国旗を掲揚している。しかしこのことで苛められている。国立大学や公立高校は国や県からお金が出ているのに、国に感謝しないのはおかしいのではないか。戦前の日本には教育勅語という素晴らしいものがあり、道徳を教えてきた。」と国に対する感謝の気持ちの大切さについて語られ、「日本の成長産業は航空産業であり、日本にはそれだけの能力がある。アメリカでは中小企業の社長でも自家用ジェットやセスナを持っている。それが日本で少ないのは、コストがかかるからである。部品の交換をするのも国交省の指定の場所でしかできない。新幹線やリニア、高速道路の整備にはお金がかかるが、航空機は空港を造るだけであるからコストがかからない。また、今の日本はジェット機のパイロットの育成に莫大なコストをかけているが、なぜ航空自衛隊のパイロットを活用できないのだろうか。」「大学生に対して一人当たり10~20万円の補助金が出ているのに、専門学校生に対しては一人当たり4千円である。技術立国日本において技術者を育てるのに金をかけないのはおかしい。こうした不公平、不公正を正していきたい。」と、航空産業の将来性と技術立国としての教育のあり方の問題点を鋭く指摘されました。
衆議院議員の鷲尾英一郎様は、「憲法改正の議論がなされていることは大変健全なことである。憲法を読むと、とてもまともな日本語では書かれているとは思えない。健全な国家を創るためにはまともな日本語で憲法を作っていくべきである。また、国防意識を高めていかなければならない。国防費は日本が600億ドルに対して、中国は1,000億ドルを超えており、韓国は300億ドルである。GDPは日本が6兆ドルに対して韓国は1兆ドル程度でしかなく、いかに韓国の国防意識が高いかがわかる。皆さんにも健全な議論で国防費について考えてもらいたい。」と、憲法改正と国防についての議論の必要性について訴えられました。
参議院議員の松田公太様は、「子供の頃から海外で長く生活していた。セネガルに5年、その後アメリカのボストンに住んだ。海外では日本及び日本人は変わった国、変わった人種と思われていたので、いつか日本の素晴らしさを伝えたいと思っていた。日本食のレストランを海外でやればよかったのであるが、スシブームが起きてしまい、逆に日本にエスプレッソを伝えようと、タリーズコーヒーを創業した。エスプレッソはエチオピア産の豆を使いフランスで生まれたものである。その後、シンガポールで日本の文化を伝える会社をいくつか立ち上げたが、3年前に参院選に出馬した。アメリカに住んでいた時に、当時私は高校生だったが、領土問題について話題になると、私の父が満州育ちであったこともあり、私は日本の立場を主張したが、周りの他の日本人は、日本の立場について相手に何も伝えることができなかった。これは教育がしっかりとなされていないからである。先ずは日本経済を立て直すために経済産業問題に取り組んでいるが、いずれ外交防衛問題にも取り組んでいきたい。」と、海外生活での体験と今後の取り組みについて語られました。
ブルキナファソ大使館一等公使のバンジャマン・ナナ様は、大使令夫人のアミナトゥ・ウビダ・シセ様とともに、「国名のブルキナファソは高潔な人という意味である。年に2回アフリカ中から人が集まる祭典がある。一つは映画祭で、もう一つは民芸祭である。民芸祭には日本も特別招待されている。また、鉱物資源が豊富で、鉱業を発展させるために投資家を求めている。1960年代から日本と良い関係が続いている。コンパオレ大統領はTICAD(アフリカ開発会議)の第一回からずっと参加しており、今年の6月も来日する。」と、スライドを使って自国の紹介をされました。
第29代航空幕僚長の田母神俊雄様は、「今北朝鮮が大騒ぎしているが、いつものことである。本当に攻撃するときは事前には言わない。習近平が戦争の準備をしろと指示したと言うのも、こちらを怯ませる情報戦である。自衛隊はいつも訓練のほかに、周辺国の軍事情報を収集しているが、今のところ中国が戦争の準備をしているということはない。準備をしないと戦争は絶対にできない。中国は日本の防衛に法的不備があることをよくわかっている。尖閣に中国のヘリが不時着したらどうするのか。その救助のためといって中国人がどんどん上陸してきたらどうするのか。戦争にならない範囲で中国がどんどん来る可能性がある。防衛出動ができれば自衛隊は何でもできるが、日本政府が意思決定を本当にできるかが心配である。日本人は何かあるとすぐ戦争になると思っているが、国が準備しないと戦争はできない。末端でいざこざがあっても戦争にはならないのだから、いざこざを恐れてはいけない。尖閣にしても北朝鮮にしても、どの国もどう利用して得をしようかと考えており、『大変だ』と言っているのは日本だけだ。北朝鮮問題を機に、日本も核武装の議論をすればよい。日本では問題を起こすことが問題になるが、上が何もしないから下が何もできない。トップは問題があっても戦う姿勢が必要である。」と、北朝鮮や尖閣を廻る情報戦について語られ、毅然とした態度の必要性を訴えられました。
衆議院議員の原田義昭様は、「アベノミクスで経済的には上向きになったが、数字だけが先行している。中身を入れ込んでいくために、しっかり政治がやっていかなければならない。『為せば成る 為さねば成らぬ』は上杉鷹山の言葉であるが、何かを成し遂げるためには本人の気合、信念、揺るぎ無い自信が必要である。先人には立派な方が沢山いる。子供たちに偉人伝を読ませることで道徳教育は要らなくなる。」と、偉人に学ぶことの大切さを訴えられました。
衆議院議員の馳浩様は、「私が一番尊敬するのは元谷代表だ。2020年オリンピック、パラリンピックを東京に招致したい。そのために世界を回っている。元谷代表からは、選挙の際に、『票読みは有権者の心の本質に入れ』と教えられた。一軒一軒を回って自分が何を考えているのか相手に伝えることが必要である。今回は世界を回ってその教えを実践している。」「ウクライナを訪れたときに、胸が痛くなった。ウクライナはチェルノブイリの事故以降、20年間で人口が5,300万人から4,600万人へと、700万人減少した。平均寿命は男性が62歳、女性が72歳であり、財政難で高齢者が医療サービスを受けられず、子供が生まれない、子供が生まれても活動する機会がないことが原因である。ソ連時代はスポーツをする環境があったが、ウクライナが独立してからは環境を整えるだけの資金がなく、若者の意欲がなくなった。ウクライナでは日本のスポーツに対する取り組みを見習っているという。世界を回って、日本が世界の国々からうらやましい、見習いたいと思われていることがわかると頑張ろうという気持ちになれる。東京にオリンピック、パラリンピックを招致し、日本を誇りに思えるチャンスを子供たちに与えたい。また、世界を回って日本人とは何なのか、本当の日本人というものを伝えていきたい。」と、2020年のオリンピック、パラリンピックの東京招致に向けた取り組みと思いについて熱く語られました。
戦後問題ジャーナリストの佐波優子様は、「先日安倍首相が硫黄島を訪問したことで、戦没者への慰霊の気持ちが国中で高まることが期待できる。戦没者というと男性のイメージが強いが、女性も海外で亡くなっている。JR大宮駅の近くにある青葉園に祀られている青葉慈蔵尊を訪れ、ソ連の抑留中に亡くなられた女性の遺骨に手を合わせに行った。満州で従軍看護婦であった34人の看護婦がソ連に抑留された。ソ連軍から派遣を要請された看護婦は、実は看護婦として働いていたのではなく、ソ連軍の兵士から性の暴力を受けていた。次々に仲間の看護婦が派遣されてくる状況の中で、仲間に事実を伝えようとした一人の看護婦が命懸けで脱走した。息絶えようとする看護婦からその様な事実を伝え聞いた残りの看護婦達は、着衣が乱れないよう、全員足を縛って毒を飲んで自害した。このような悲惨な死を遂げた看護婦の遺体を荼毘に付して祀ったのがこの慈蔵尊である。戦地で戦ったのは男性であったが、女性も同じように日本を守ろうとしていた。私は女性に対する慰霊の気持ちも持ち続けていきたい。」と青葉慈蔵尊の由来を披露され、戦争で亡くなった女性に対する慰霊の気持ちについて語られました。
馳様から田母神様に対して、「金正恩は異常性格者だという話がある中で、暗殺したらどうかという話もあるが、これから金正恩をどうすればよいか?また、朝鮮総連本部を池口恵観氏が競売で落札したが、そこを温存しておくことがプラスかマイナスか?さらに、政治家の中で北朝鮮とのパイプを持っている人が少なくなっているが、これからどうしていけばよいか?」と、北朝鮮に関する質問が出されました。これに対して田母神様は、「私が聞いている話では、金正恩は国家の指導者として育てられているので、それなりの見識を持っているようだ。何をするかわからないと思わせることが情報戦であり、日本は慌てる必要はない。アメリカも中国も自分たちの利益のために北朝鮮の騒ぎを利用している。日本は毅然とした態度で臨み、この騒ぎを利用すべきである。ただし、北朝鮮とのチャンネルは維持しなければならない。万景峰号が新潟に入港していたときは、そこからかなりの情報が取れていたが、今は情報が入らなくなった。池口氏は日本を大切に思っている人だと思うので、日本を売るようなことはしないだろう。」と答えられました。さらに、元谷塾長から、「北朝鮮は不都合な存在ではあるが、その存在は日本にとっても望ましい。金正日の棺を持っていた軍人たちは今では皆いなくなっている。北朝鮮で内紛が起こり、金正恩が実権を握るため、文民のトップを軍のトップに据え、対外的には強硬策で身を守っている。緩衝地帯として、北朝鮮の存在は日本にとっても、アメリカや中国にとっても望ましいのである。」と、違った視点からの意見が出されました。
勝兵事務局長の諸橋茂一様は、「1900年に義和団事件が起こり、8カ国の連合軍が鎮圧に当たった。8カ国の中で、婦女暴行や略奪をしなかったのは日本軍だけであり、英国はこれに感銘を受けて、1902年の日英同盟締結に繋がった。日本軍が略奪をしなかった証拠に、日本には大英博物館のような略奪品展示館はない。GHQが日本に上陸した際も婦女暴行が多発した。」「先日社員旅行で鹿児島県の知覧特攻平和会館を訪れた。特攻隊については、無理やり行かされたとか、何の戦果もなく無駄死だったとかという嘘が言われている。藤井一中尉は教え子達が特攻隊として出撃する中、自らも何度も志願したが、妻子がいるという理由で受け入れられなかった。藤井中尉の妻は夫の気持ちを考え、幼い子供を連れて入水自殺を図り、藤井中尉の特攻志願が受け入れられた。こうした話からも特攻隊が無理やり行かされたのではないことがわかる。また、特攻隊員の遺書が数多く展示されているが、これらを読むと、とても無理やり書かされたものではないことがよくわかる。」と、旧日本軍の規律の正しさと、特攻隊を廻る嘘について語られました。
最後に元谷塾長は、「私はこれまで世界77カ国を訪れ、各国の要人と対談し、日本国内でも41カ国の駐日大使と対談してきた。その中で誰一人として日本を悪い国だという人はいない。アメリカは世界赤化との戦いに勝利するため、日本に講和の意思があることを知りながら、天皇制の存続を曖昧にして原爆の完成まで戦争を長引かせ、原爆を投下した。そこでアメリカは、自分達が悪い国だと非難されないために、日本をより悪い国にする必要があった。そのために、日本人に自虐意識を植え付けたのである。さらに北方領土も竹島も尖閣も、アメリカがその気になれば解決できたものを、日本が近隣諸国と離反するよう、あえて争点として残したのである。国際社会は今も昔も何が正しいかではなく、どちらが強いかで物事が決まる。だから日本が強い国にならなければならない。その枷となっているのが日本国憲法であり、憲法改正のためには、参院選と同時に衆議院を解散して憲法改正に対する決意を示し、争点を憲法改正の是非の一つに絞るべきだ。」と、衆参同時選挙を行う必要性を改めて強調して会を締め括られ、馳様は元谷塾長の衆参同時選挙の提言に驚きつつも、目を輝かせて耳を傾けておられました。