勝兵塾第10回月例会が3月15日(木)にアパグループ東京本社6階会議室にて開催されました。
冒頭のアパグループ代表元谷外志雄塾長による挨拶では、「瓦礫の処理は受け手がないため進まないと言われているが、全国で広域処理をするのではなく、近くの海へ埋め立てれば国土となり、またコストも少なくて済む。除染についても、基準を5ミリシーベルトにした上で、表土と地中の土をその場で入れ替えればコストはかからない。イランのラムサールやブラジルのガラバリなど高い自然放射線量の地域でも皆健康である。現行法では問題があるのかもしれないが、復興庁は予算の査定ばかりするのではなく、非常時立法でこうした対応の仕組みを作るべきである。」と震災後の瓦礫処理等の問題について提案をされた上で、「保守の中にも原発に対して様々な主張があり、中には皇土を穢してはいけないというような感情的、感傷的な意見もあるが、昨年の懸賞論文で最優秀賞を取った高田論文や、今月号のWILLに掲載された渡部昇一先生の論文を読むと、福島の放射能が問題ないことが非常によくわかる。」と原発問題に対する正しい認識を持つよう呼びかけられました。さらに、「河村市長による南京大虐殺に関する発言は今後大きな問題にはならないと思う。なぜなら、中国が大きく騒ぐと結果的には真実が明らかになり、中国にとって都合が悪いことになるからである。今般、渡部昇一先生の掛け声で『南京の真実を究明する国民運動』が発足した。この機会に我々こそ大きな問題とすべきであり、勝兵塾としてもこうした運動を支援していきたい。元々侵略戦争と言われた所以は 張作霖爆殺事件が関東軍の河本大佐の犯行であるというところにあるが、ソ連の特務機関の犯行であることを示すため、ロシアからドミトリー・プロホロフ氏を日本に連れてきて、記者会見までさせたが、メディアは一切無視した。その次に南京の問題であり、さらにその次には韓国の従軍慰安婦問題がある。これら『3つの嘘』の真実を究明していきたい。」と歴史問題における「3つの嘘」の真実を知ることの重要性を説かれました。
参議院議員の高橋千秋様は、これまでの経済産業大臣政務官や外務副大臣の経験から、「レアアースやレアメタルを中国が世界中で買い漁っている。日本の得意分野には不可欠なものであり、日本がどうやって権益を確保していくか考えていく必要がある。」「特に、アフリカの状況をみると、アフリカには54カ国があるが、日本の大使館の数が27であるのに対して、中国は53である。さらに国会議員に相当する全人代が約4,000名いて、それぞれ担当国が決まっており、頻繁にアフリカを訪れ、莫大な金を使って権益を取得している。ナミビアでは人口が200万人のうち、20万人が中国人である。中国人は技術者だけでなく、様々な労働者が片道切符でアフリカに行き、そこに住みつく。約1億人の中国人をアフリカに移住させる計画があるとも言われている。このような状況であるから、現地では日本人が歓迎される。数では勝てないので、技術、文化、精神性で対抗していくしかない。」と、資源問題について、中国に対する危機感を示すとともに、日本の進む方向性について話されました。さらに、「パラグアイには日本人移民が7、8,000人いて、イグアスに日本人村がある。物価は日本の15分の1であるが、東北のために何かしたいということで、豆腐100万丁分の大豆を支援して、東北の人からも大変感謝された。そこに住んでいる日系人を見て、50年前の日本人がそこにいると感じた。そこでは皆胸を張って生きており、現地では日本人が大変尊敬を受けている。アメリカの日系人はアメリカ人になろうとしていたが、パラグアイでは日本人として生きている点が大きく違う。」と、海外にこそ古き良き日本人の精神性が残っていることを示されました。
衆議院議員の城内実様は、民主党の外交政策について触れ、「尖閣の対応を誤ったために竹島、北方領土へ飛び火した。鳩山、菅の外交の失策である。しかしその背景には、自主防衛ができていないから舐められていることがある。」と外交における国防力の重要性を説かれました。さらに、「政局が混沌としており、地元では、『民主党にはがっかりしたが、自民党にもこりごり』という声が大きい。自民党もこれまでの総括をした上で、民主党の保守派と平成の保守合同をやればよい。」と持論を展開されました。また、「伊勢神宮を参拝して感じたことは、敬神崇祖の伝統である。日本のルーツを大切にし、国を愛するということは、外国人から見れば当たり前のことであるが、日本では必ずしもそうではない。反日日本人が一番問題である。また、日本を必死に叩こうとしている中国は、本当は日本を怖いと思っているのではないかと思う。これに対抗してくためには着々と国防力をつけて、一人一人が愛国心を養っていくしかない。日本は世界有数の海洋国家であり、メタンハイドレードなど海底資源が豊富にある。再生医療の最先端を見て、日本の技術力の高さに大変驚いた。」と、国を愛することの大切さと日本の凄さについて語られた上で、「中国、北朝鮮の無茶な行動も相手の立場に立ってみれば、国益を守るために必死になっているだけのことがわかる。日本人は相手の立場に立って戦略、戦術を考えていかなければならない。」と、相手の利害を踏まえて戦略を考える必要性について語られました。最後に、「今年は古事記編纂1,300年であり、そこに様々な問題を解決するヒントがある。人は3次元の世界に生き、人生長くて100年である。しかし、4次元、5時限的にものを考えるくらいのスケールの大きさが必要であり、そのためには、先人の知識を、古典を読み解いていくことで学ぶことが大切である。」と、現代の様々な問題を解決していく上での視点を示されました。
衆議院議員の鷲尾英一郎様は、「河村発言を支持する国民運動は喜ばしいことである。私は河村市長が国会議員を辞めるときに南京事件の分厚い資料を引き継いだ。」と保守の立場を明確にされた上で、拉致問題特別委員の立場から、「拉致問題は平壌宣言から10年間、全く進んでいない。今の日本の立場は、北朝鮮に圧力を加えて再調査させ、全員帰国させるまで交渉に応じないとしているが、この間に北朝鮮の中国との貿易額は4倍、中国からの投資額は40倍に増えており、北朝鮮にとって日本の経済制裁は意味がない。こうした状況で日本はどうするか?」「日本単独でさらなる強硬手段を採るため、憲法第9条を改正し、武力行使をすると言えば北朝鮮の態度が変わるかもしれないが、現実的には国民の総意は得られず、時間がかかることである。一方で、拉致被害者の家族の高齢化が進み、拉致被害者も高齢化する中では少しでも早く解決しなければならない。強硬手段を振り翳すのは恰好いいし、言うのは簡単であるが、現実には単独交渉では帰すことはできない。したがって、他国と協調するしかないが、アメリカと協調しようとすれば、アメリカにとっては非核化が最優先であり、拉致問題が劣後して日本が割を食う可能性がある。そのため、日本は何の見返りもなく支援しなければならないことがあることを覚悟しておかなければならない。政治に求められるのは、国民から石を投げつけられてでも、一歩でも拉致問題を前進させるために交渉していくことであり、強硬手段を振り翳すだけでは何も解決しない。そのことを頭に入れて注目して頂きたい。」と、安易に強硬手段を振り翳すのではなく、現実を踏まえて拉致問題の解決を着実に進めていくことの大切さを説かれました。
陶芸家でロチェスター大学客員教授の大樋年雄様からは、文化という側面から多岐に亘る話がありました。「ボストンに留学した時に現代アートを見た。その時に衝撃を受けた一枚の写真がある。それは黒人がサンタクロースの恰好をした白黒の写真である。白黒の定義ははっきりしていないが、そこには人種差別がある。また、黒人は普通サンタクロースの恰好をしない。多くの人は知らないうちに人を差別する言葉を使っている。」と無意識の差別について語られたほか、「海外に行って帰ってくると日本が劣化しているのを感じる。子供が床の間を走り回っても親は注意しないし、床の間がどういうものかを教えもしない。」「お宝鑑定団という番組があるが、先祖が大切にしてきたものを出すのは最低ではないか。最近文化を何でもお金に換算してしまう風潮がある。」と今の日本について苦言を呈されました。さらに、「五感はトレーニングできるものであり、それを繰り返すと第六感が身に付く。考え事を続けているとヒントがぽんと来る。」と芸術家の視点で話されたほか、「『温故知新』という言葉があるが、私は『温新知故』と言っている。すなわち、伝統を変える革新は容易いことであるが、新しいことにチャレンジしていく中で、変わらないこと、変えてはいけないことを見つけることが大切なのである。」と伝統を守ることの大切さについて語られました。また、衆議院議員の馳浩様からの質問を受けて、伝統工芸と現代工芸の関係に触れ、「『日本』を心に持っている人は、伝統工芸であっても現代工芸であっても、どちらでも世界で通用している。外国に合わせようとすると、その段階でそれぞれの国の人に遅れてしまう。新しいものを作ろうとデザイナーが産地に行ってもうまくいかない。産地の地元の人が努力した結果生み出されたものは、世界に通用する。」と、地域に根差すことが世界に通用する工芸を生み出すために必要であることを説かれました。
明星大学の高橋史朗教授は、「30歳でアメリカに留学し、GHQ文書を研究した。国立公文書館には10,238箱もの膨大な資料があり、教育改革だけでも240万ページ、917箱もの資料があった。その中には、神道指令やWGIPに関する資料も発見した。研究していく中で、占領軍の非を問うためにアメリカに行ったが、日本人の問題であることに気付いた。GHQは軍国主義を復活させないために武道を禁止したが、『武』とは本来、矛を収めるものであり、平和の精神であるにも拘わらず、それを復活するのに60年もかかった。これは日本人の問題である。」と、戦後の日本社会の変質は日本人の問題であるとことを強調されました。さらに、「中曽根内閣の臨時教育審議会で本当に制度・法律を変えれば子供が変わるのかという疑問を持ち、現場主義に転換した。14年前から学級崩壊が問題になっているが、東京では1.5割から2割の学級で授業が成立していない。その原因として子供の発達障害があるが、根本には親による虐待がある。例えば、インターネットでDQNネームと検索すると異常な名前が大量に出てくる。親はどのような気持ちで子供の名前を付けているのか。また、テレビを見たり、携帯を操作しながらの、『ながら授乳』は、親に自覚はないかもしれないがネグレクトという虐待である。」と教育問題について、特に親子の関係から説かれました。さらに、「渡辺京二氏の『行きし世の面影』の第10章だけでも読んでほしい。江戸末期に日本に来た外国人は、日本を子供の楽園と言っていた。子供は活き活きとした目をしていて、お年寄りや親を大切にし、礼儀正しいと描かれている。教育は本来親の役割である。学習という言葉は、親のまねを繰り返すという意味である。まず親が率先垂範して子供の鏡とならなければならない。」「問題は親学が行われていないことである。ギャルママと対談したが、親から愛されていないから子供の愛し方がわからないのである。共感性や罪悪感は2歳から身に付く。発達障害の予防のためには親の愛情が必要である。」「福祉国家としてスウェーデン型を目指すのかと問うている。スウェーデンでは福祉は充実したが家族が崩壊した。日本でも20代では9割は結婚してもしなくてもよいと答えている。それは家庭科の授業でそう学んだからである。したがって、少子化は意識の問題である。私は親守詩というものを提唱している。この取り組みはイデオロギーを超えて支持を受け、親子の情を取り戻す運動となっている。応募作品の中には、『お父さん いそがしすぎて ぼくさびしい』というものがあった。現代は父親が子供の目標になっていない。身近なところから教育を取り戻していきたい。」と親子関係の問題とそれを取り戻すための取り組みについて語られました。
第29代航空幕僚長の田母神俊雄様は、「一般国民の視点から外交を見ると、なぜもっと頑張らないのかと思うが、それは自分の国を自分で守れないことが背景にある。軍事的に負けない体制がないと相手を外交交渉のテーブルに引きずり出すことはできない。」と外交における軍事力の重要性を説かれました。さらに、「日本の軍事力はアメリカに支配されている。兵器の半分以上はソフトウェアであり、ブラックボックスになっている。したがって、反米的行動をとったら兵器は動かなくなるだろう。だから先進国はできるだけ外国の武器を使わず、自国の武器を売ろうとする。アメリカの軍事戦略では日本を絶対に自立させないとしている。アメリカと喧嘩をしろと言っているわけではないが、一歩ずつ自国を自分で守る体制にしていかなければならない。戦後、戦闘機はライセンス生産を行い、国産を目指していたが、F35の選定により後退した。性能だけを見ればF35ということになるが、自立のためには今は我慢して国産を目指すべきである。」と、アメリカから自立した軍事力の必要性を訴えられました。
アルジェリア大使館のリアド・サイード広報・文化担当官は、「アルジェリアでも大地震で3,000人が亡くなっており、日本に対しては深い連帯感を持っている。日本人は精神的に強く、必ず復興していくだろう。日本に来て6か月になるが、日本人の復興に対する姿勢には感動している。また日本に来て、整然とした街並みや人々の行動を見て大変驚き、まるで別の星に来たように感じた。」と、日本の整然とした社会に深い感銘を受けられたほか、「アルジェリアはアフリカで一番大きな国であり、地中海文化、アラブ文化、アフリカ文化が融合して独特の文化が生まれた非常に魅力的な国である。今年は日本と国交を樹立して50周年となる大切な年である。日本はアルジェリアの独立後、最初に承認してくれた国であり、これまで経済支援を行ってくれた。日本はこれからも環境問題や経済で世界をリードしていくだろう。」と、アルジェリアと日本の関係の重要性と日本への期待について語られました。
ハイチ共和国ジュディット・エクザビエ臨時代理大使は、「ハイチでも2010年1月12日の大地震で30万人が亡くなるという非常に厳しい経験をした。それだけに日本に対する想いは強い。日本とは1918年から国交があり、先の大戦中は途絶えたが、1956年には再開している。1492年にコロンブスがハイチを見つけたというが、コロンブスが来る前からネイティブインディアンが住んでいた。独立してから208年になり、94%が西アフリカから奴隷貿易により連れてこられた黒人である。黒人が初めて自分達で造った国であり、誇りを持っている。」と、ハイチと日本の関係や国の成り立ちについて説明され、国に対する誇りを示されました。さらにDVDを放映しながら、「ハイチではビジネスの誘致を進めており、15年間免税の特典がある。ブラジルには100万人以上の日系人がいるが、それより近い。カリブの真珠と言われるようにとても美しい国であるので、是非一度来てほしい。」と美しいハイチの風景と軽快な音楽の中で呼びかけられました。
勝兵塾事務局長で㈱KBM代表取締役の諸橋茂一様は、「南京大虐殺なるもの」について、真っ赤な作り話であるとして、「日本軍が南京を占領したその1か月後に人口は5万人増えていた。」「当時の日本軍は南京で民間人を殺さないように、一人ひとり確認をして良民証を発行した。その記録によると毎月人口が増えていた。」「占領直後の南京には約200人の世界中のマスコミ関係者がいたが、誰も南京事件について報道せず、東京裁判の中で突然出てきた話である。」「上海大学の朱学勤教授による『南京大虐殺なるものの犠牲者名簿はただの一人分もない。』という発言が産経新聞に掲載されたが、中国からの反論は一切なかった。」と、自身の論文の中のごく一部を取り上げてその根拠を示されました。
最後に元谷塾長より、「冒頭に『3つの嘘』について話をしたが、どの国も自国の国益のためには嘘もつけば人も殺す。それが世界の現実である。一番の問題は日本人の敵が日本人であり、この反日日本人のために自縛が解けずにいることである。アメリカは、日本がアメリカを必要とせざるを得ないように、領土問題などの争点を残したままにしておき、日本が近隣諸国と仲良くならないようにしている。日本はまずアメリカとの関係を明確化する必要がある。日本国民の多くが、こうした真実に早く気付いてほしいということが、勝兵塾の目的である。私は売上や利益の最大化ではなく、グッドカンパニーを目指しているが、それ以前にまず日本をよい国にすることが重要であると考え、こうした取り組みを行っている。」という言葉で、会を締めくくられました。