勝兵塾第七回月例会は十二月十五日(木)にアパグループ東京本社六階会議室にて開催されました。
冒頭の塾長挨拶で元谷代表は、「今年の十二月八日は日米開戦七十周年であるが、戦後一貫して、どうして日本は無謀な戦争を始めたのか、どうすれば日米開戦は避けられたのかという議論のみがなされてきた。しかし、遅れてきた帝国主義国である日本とアメリカは、太平洋でぶつかり合う運命にあり、アメリカが好んで日本を戦争に追い込んだのであるから、日本がこの戦争を避けられたかは疑問である。」と述べました。
エルサルバドル共和国大使マルタ・セラヤンディア様は、「日本は戦争に負けたからと言って自分の国を良くない国と思うのではなく、良い国だと誇るべきである。まずは自分の国を愛し、プライドを持たなければ、他の国を愛することはできない。権力者は国民が無知であることが自分達に有利と考えてきたため、真実を教えず都合のいい歴史を教えてきたが、新しい政府になってから正しいことを教えようとしている。もともとエルサルバドルという国はなく、後から線を引いただけである。新大陸言われるが、初めからあったものをヨーロッパ人が後から発見したと言っているだけである。原住民の文化を壊さずに交流できればよかったが、力で支配したため歴史が失われたのである。」と歴史の重要性を語られました。
自由民主党衆議院議員の木村太郎様からは「民主党の事業仕分けを見ていると、事業仕分けの場で廃止となったものが名前を変えて復活している。それは法的根拠がないためだということで、立法府で事業仕分けをやることになった。今回はスーパーコンピューター『京』など、四つのテーマを設定した。評価の項目として廃止や縮減だけではなく、予算の増額という項目を入れた点が事業仕分けと違う。国会議員は国調査権を与えられており、それが法的根拠となっている。」との解説を、山元学校学長の山元雅信様からは「各国大使と接することが多いが、大使からは大企業ではなく中小企業の方に来てもらいたいと言われる。これから中小企業の素晴らしい技術を海外で試していくべきである。エルサルバドルの大使は人間的にも非常に素晴らしい方であるので、こういう大使がいる時こそ親交を深めるべきである。」というお話をいただきました。
第二十九代航空幕僚長田母神俊雄様は、「世界で常に情報戦争が行われている。世界には世界中の全ての人々が幸せに暮らせるだけの富、資源はない。アメリカの対日基本戦略は、日本に軍事的独立性を認めず、経済的に隷属させることであり、経済力がなくなればアメリカに捨てられ、その結果、中国に乗っ取られる。経済力のあるうちに自分の国を自分で守る必要がある。」「アメリカは日本に絶対に戦闘機を造らせないという意思がある。兵器の半分はソフトであり、技術支援がなければ動かないアメリカのものを買えば、いざというときに日本の意思で動かせなくなる。」「政治家が予算を全て把握できるわけがない。政治家はパフォーマンスを止め、役人の美しい心に訴えてやる気にさせるべきである。」と説得力のある自説を披露されました。
拓殖大学教授藤岡信勝様は、「不合理なことが議員立法で決められたことで、現場に多大な負担を強いている。政治主導で決まることはリアリティがない。」「福島からの避難は平成の強制連行だと言える。こうした中でアパの懸賞論文で高田純氏の論文が最優秀賞に選ばれたのはまさに時機を得ている。一般に危ないという声が安全という声の千倍くらい強い。政治家の誰かが福島第二原発の放射能は問題ないとはっきり言うべきである。」と強く主張されました。
戦後問題ジャーナリスト佐波優子様は、「十二月八日に日本が真珠湾を攻撃してから初めて戦争が始まったと言われるが、戦争はコロンブスのアメリカ大陸発見から始まったと言える。江戸時代に、鎖国がなぜ行われたのか考えるべきである。キリスト教布教と植民地支配はセットであり、まず宣教師を送り込んでから植民地支配をしたのである。」「十二月十四日には韓国の日本大使館前に慰安婦の少女の像が建てられ、日本では外務省を人間の鎖で千三百人が手を繋いで取り囲んだ。日本がいくら謝ってもお金を払っても毅然とした態度をとらなかったら、それを無かったことにされてしまう。」と訴えました。さらに諸橋茂一事務局長が補足として、「当時売春は合法であり、日本軍は強制連行もしてない。したがって、我が国は慰安婦問題について謝る必要も賠償金を支払う必要も全くない。日本が謝ったり金を払ったりするから尚更おかしくなる。」と述べました。
テイケイ(株)常務取締役濱口和久様は、「防衛大学校では十二月八日に合わせてその前後の土日で『靖国行軍』といって横須賀から靖国まで歩くということをやっていたが、五百旗頭氏が校長になってからは、靖国行軍から東京行進という名前に変えられ、趣旨を変えられてしまった。この三月で五百旗頭氏が退任するが、次の内定者も中国擁護論者であり心配である。」と母校である防衛大学校の現状を憂いていました。
元谷代表は塾長閉会の挨拶として「中国が分裂崩壊したら民主国家ができるのではないかと思うかもしれないが、反日感情を求心力に変え、反日スタンスの強い勢力が政権を握る可能性がある。また朝鮮半島では、北と南で連邦国家を作り反日教育が強化されて、日本に理不尽な要求をしてくる恐れがある。日本はこうした危機に備えなければならない。」という言葉で月例会を締めくくられました。