勝兵塾第44回月例会が、1月15日(木)アパグループ東京本社会議室にて開催されました。
冒頭のアパグループ代表元谷外志雄塾長による開会のご挨拶では、「本当のことを知れば、皆保守になるが、本当のことを教えてこなかったのはアメリカの戦略である。アメリカが良い国であり続けるために、日教組を作って反日教育を行い、プレスコード30項目を作ってメディアを縛ったのだ。安倍総理が戦後70年談話について言及すると、アメリカのサキ報道官が河野談話、村山談話を踏襲するよう言ってきた。総理の発言についてアメリカから注文を付けられる様ではいけない。談話には安倍総理が言いたいことを全て書き、そのことで一時的に日米関係がギクシャクしたとしても、アメリカは年5兆円もの軍事費を今後削減し、中国が膨張する中で、東アジアの力の均衡を維持するために、いずれ日本の力が必要となってくる。これから日本は観光大国を目指すべきだ。世界中で日本ほど安全、安心で、交通機関が時間通りに動き、夜に女性が一人で外出できる国はない。しかも円安で3割近くも安くなった。訪日外国人の数をオリンピックまでに2,000万人を目指すと言っているが、2,500~2,600万人にはなるだろう。これまで東京都心でホテルを増やしてきたが、今後は地方にも広げていきたい。私にとっては事業と言論活動は表裏一体である。」と、戦後70年談話への提言と事業への意気込みを語られました。
駐日エストニア共和国大使館特命全権大使のヤーク・レンズメント様は、「エストニアは、かつてはロシア帝国の一部であったが、ユニークな存在だった。エストニアの上層部はドイツ人であり、ドイツの影響を強く受けてきた。1944年から1991年までソ連の占領下にあったが、その間も、今に至ってもドイツの影響が強く残っている。首都には素晴らしい建物があるがこれらもドイツの影響である。経済的にはEUに組み込まれている。IT産業が発達しており、Skypeを生んだのもエストニアである。文化的、社会的にはソ連の影響はほとんど残っていないが、ロシア政府が未だにメディアをコントロールしている。2007年には天皇陛下にも来ていただいた。」と、エストニアの紹介とそのユニークな歴史についてお話し頂きました。
駐日モルディブ共和国大使館特命全権大使のアハメド・カリール様は、「モルディブは、インド洋の小さな島国であり、これまで植民地化されたことはないが、17世紀にイギリスの保護国になった。1965年に完全に独立したが、国連に加盟する際には、小さな国でありながら分担金を期日どおりに払うことで信頼を得た。宗教はイスラム教だが、過激なイスラムとは一線を画している。経済は漁業と観光の2つの産業から成り立っている。日本とは1967年から国交が始まっている。モルディブにとって日本は最大のパートナーであり、日本の協力のおかげで最貧国から脱することができた。日本の援助で首都の島に堤防を造ったおかげで、2004年の津波の際には多くの人命が失われずに済んだ。」と、モルディブ共和国の紹介と日本との関係についてお話し頂きました。
内閣総理大臣補佐官・衆議院議員の木村太郎様は、「安倍総理は明日からイスラエル、パレスチナをはじめ4カ国の外遊に行かれる。日本の総理は1年間で100日国会に出席している。これは世界の非常識であり、他国では1年間で2週間程度である。安倍総理は外遊することで日本のファンになる国をつくっている。私も総理の命を受けて親書を持って諸外国を訪問している。」と総理の外遊の意義を説かれた後、「私は総理補佐官として『ふるさとづくり』を推進している。石破大臣の所管する地方創生とも関連するが、総理から指示を受けて、3つの点について取り組んでいる。まず『ふるさと学』の推進である。千葉県の佐倉市では地域の歴史や伝統、文化に加えて現在のことも教えている。これを全国に展開していく。次に『ふるさとづくり』の担い手の育成であり、3つ目は、ふるさとづくりに関わる団体を現在の約3,300から10,000に増やしていく。多くの国民はふるさとについて意外に知らない。もっと自分の生まれた土地や自分の暮らしている土地について知ってもらいたい。」と、ふるさとの大切さと総理補佐官としての取り組みについてお話し頂きました。
衆議院議員の船田元様は、「現在自民党の憲法改正推進本部長をやっている。憲法問題に携わったのは30年前からであり、青年局長として党是でもある憲法改正を大いに進めていきたいと考えていた。しかし当時は大臣が憲法改正について発言すると一週間で辞めるような状況であった。現在は具体的な日程に上っている。憲法改正にあたり、国会法53条では、憲法改正案を発議する場合には内容に応じて区分して発議しなければならないことになっている。例えば、憲法9条と環境権を一つに纏めて国民に問いかけることはしないということになっている。3年前に自民党で憲法改正草案を出したが、改正箇所が100箇所以上ある。そこから項目を絞り込んでいくが、1回の発議では3、4個の項目が限界であるため、3、4回に分けて発議する必要がある。この通常国会で項目の絞り込みをやっていき、1回目はなるべく多くの政党が賛成できる内容にしていきたい。具体的には環境権の導入や緊急事態対応、財政規律を中心に考えていく。9条の改正はすぐにやるべきだが、最初にすると国論を二分することになる。一度否決されたら当面上げられなくなるため、まずは憲法改正を経験することから始める。来年にも第一回目の国民投票をやりたいと思っている。国民の皆さんがこの国は素晴らしい、この国を守ろうと思えるような憲法にしていきたい。」と、憲法改正に向けた取り組みについてお話し頂きました。
新しい歴史教科書をつくる会副会長の岡野俊昭様より、「9条改正は急がなければならないので、急いで頂きたい。河野談話、村山談話を踏襲しては何も言えなくなるので、総理には踏襲しないよう言って頂きたい。」との意見が出されました。これに対して、船田様は、「9条改正については否決されたら取り返しの付かないことになる。周到な準備が必要であり、当面は安保法制で対応できると考えている。また談話については日本人が誇りを持てるような談話にしていかなければならないし、その旨を総理にも伝える。」と回答されました。
早稲田大学国際学術院教授の片岡貞治様は、「昨年は第一次大戦が始まって100年であり、当時と今の状態と似ているという議論が盛んになされた。当時のイギリスが今のアメリカであり、当時のドイツが今の中国だというのである。今年は第二次大戦終了から70年である。ヒトラーは、日本にシンガポールやソ連を攻めて欲しかったが、日本はアメリカと戦争してしまった。実際、1941年12月まではドイツはワシントンで普通にアメリカと付き合っていた。最近は中国が台頭してきており、2011年にはGDPで日本を抜き、2020年にはアメリカをも凌駕すると言われている。問題は中国の行動様式であり、ヨーロッパに対しても傲慢になっている。また共産党一党支配の矛盾もある。戸籍制度があり、農村と都市とで、一つの国の中にヨーロッパとアフリカが入ったような国である。中国とは適切な距離をとりながら付き合っていかなければならない。地球儀俯瞰外交と言われる安倍総理の外交は、日本の安全保障にとって好ましい環境を作るためのものである。フィリピンやベトナムなど、中国に煮え湯を飲まされた国々を訪れて関係を強化し、多数派工作をしている。価値を共有する国を増やすことが肝要である。今回安倍総理がイスラエル、パレスチナに出かけていくことは喜ばしいことである。日本は中韓の挑戦に対して、情報戦を制していかなければならない。」と、日本を取り巻く外交、安全保障問題についてお話し頂きました。
朝鮮問題研究家の松木國俊様は、「日本が国連から『性奴隷国家』と認定されたのは朝日新聞の責任である。12月26日に第三者委員会の報告を受けて朝日の渡辺社長が記者会見を行なったが、全く反省がなく、『慰安婦問題』を『女性の人権問題』にすり替えて推し進めようとしている。朝日は現在の非合法の売春問題を取り上げようとせず、70年前の合法的に行なわれた売春だけを取り上げるのは、日本を貶めるためだけなのである。なぜ朝日はここまで日本人を貶めるのか。それは、朝日は日本人を全く信用していないからなのだろう。戦後GHQが作った歪んだ歴史観を信じ、日本さえ戦争を起こさなければ世界は平和になると思い込んでいる。日本人が愛国心を持てば軍国主義に走り、戦争を起こすというのである。朝日は自分達のやっていることは崇高な使命だと思っている。目的の為なら嘘でもよい、日本が滅びても良いという、一種のカルト教である。朝日は若者から日本の誇りと自信を奪ってきた。このままでは日本の精神は衰退していく。周りでは中国が台頭し、日本人が自分で国を守る気概がなければ、中国に取られてしまう。これに最も危機感を持っていたのが次世代の党であり、国会質問によって河野談話の検討チームができ、河野談話が如何にいい加減なものであるかが白日の下に晒された。さらに慰安婦の強制連行はなかったという国会決議をしようとした。アメリカは唯一原爆を落とした国であり、自分達を正当化するためには日本が悪魔の国でなければならない。慰安婦問題はアメリカにとって免罪符であり、東京裁判史観を覆させてはならないと考えている。この国会決議が通れば風穴が開くことになり、アメリカにとっては許せないことである。昨年の衆院選は次世代の党を潰すためのアメリカの謀略ではないかと思っている。」と、朝日新聞が日本を貶める背景と衆院選を巡る謀略について持論を展開されました。
衆議院議員の原田義昭様は、「今朝の産経新聞に掲載されたが、私が委員長を務める国際情報検討委員会がNHKに代わる国際放送が必要だ、という方針を出した。韓国の国際放送であるアリラン放送は30分おきに慰安婦や尖閣について放送しているのに対して、NHKの国際放送は貧弱である。日本には放送法があり、政府は内容について何も言えない。12月14日の衆院選の投票日の朝刊に、13日に行われた南京大虐殺の式典での習近平の発言が載っていたが、ほんの1ヶ月前に日中首脳会談が行なわれたばかりなのに、あそこまで言うかと感じた。日本の外務省は直ちに抗議すべきであったが何もしていない。1月4日の安倍総理の年頭所感に対して一番激しく反応したのはアメリカのサキ報道官である。中韓はともかく、アメリカの報道官が言ってくるのは許せない。その結果、河野談話、村山談話を継承するようなムードができてしまっている。小泉総理の時代には、アメリカは靖国参拝に対して一言も言っていないのに、一昨年の12月に安倍総理が参拝したときは、オバマが『失望した』と言った。この6年間で中韓がアメリカでいかに情報活動をしてきたかがわかる。日本も情報戦略を洗い直して攻めるべきである。」と、日本の情報戦略への取り組みについてお話しいただきました。
新しい歴史教科書をつくる会会長の杉原誠四郎様は、「朝日新聞は慰安婦報道を32年間続けてきたが、その間外務省は何もしていない。外務省も共犯者と言える。歴史認識問題を外務省で対応するのは限界があり、外務省を外して別の機関で研究・発信していくべきである。」と発言されました。これに対して原田様より、「霞ヶ関外交という言葉があるが、言うことも言わずに諸外国と仲良くしていれば良いという情けない状況がある。中国、韓国への対応も最後は官邸が決めるが、その立場に立つとだんだんトーンダウンしていく。国民が政治家を動かし、政治家が官僚を動かしていかなければならない。私も全力で取り組んでいく。」と回答されました。
第29代航空幕僚長の田母神俊雄様は、「韓国で産経新聞の前ソウル支局長の拘留が3ヶ月間延長された。各国はこれを非難したが、日本政府は非難だけでなく、実際に救出しなければならない。絶対に取り返すという姿勢を示さなければ、日本政府は抗議するだけだと舐められる。拉致問題についても絶対に取り戻すという姿勢を示さなければ解決しない。」と、政府が国民を守る姿勢を示す必要性を訴えられました。
最後に元谷塾長より、「人は信条やイデオロギー、宗教、国家のためであれば嘘もつくし、人も殺し、虐殺も行なう。世界中で情報謀略戦が行なわれていることを日本人は知らない。先の大戦では、世界赤化を防ぎ、第三次世界大戦を避けるためにアメリカは原爆を完成させて使用し、ソ連を威嚇する必要があった。第三次世界大戦が起これば1,000万人もの戦死傷者が出るとも言われ、それを避けるために広島、長崎の30万人が犠牲になったと言える。国益のためには原爆を投下せざるを得ず、アメリカが良い国であり続けるためには日本が悪い国であるという構図が必要なのである。日本は情報省を作り3,000億円の予算と3,000人の人員で、絶えず間違った情報に対して24時間以内にあらゆる言語で反撃する体制を整えるべきである。教育やメディアに対しても間違ったものを制限するような規制も必要である。また、日本に原爆が落とされたのは日本人が有色人種であり、キリスト教はカトリックで、プロテスタントではなかったからとも考えられる。長崎の原爆が浦上天主堂に落とされたのも、そこは日本におけるカトリックの総本山だったからかもしれない。本当はどうなのかを知れば保守になる。私はそのために勝兵塾や懸賞論文制度を行なっている。私にとっては事業と言論活動は表裏一体であり、そのいずれにも力を入れていきたい。」と、日本が情報謀略戦に対抗していくための具体的な提言をされて会を締め括られました。