勝兵塾第13回月例会が6月21日(木)にアパグループ東京本社にて開催されました。
冒頭のアパグループ代表、元谷外志雄塾長による挨拶では、「先日、勝兵塾・アパコーポレートクラブ合同海外研修で、旅順、203高地や北朝鮮との国境の丹東に行った。第1回目の合同海外研修会ということで、日本が勝った所を見に行こうと、旅順、203高地を選んだ。行ってみると以前にはなかった標示物が各所にできており、しかもそれらは極めて反日的な内容であった。何も知らない人が見れば、日本はこんなに酷いことをしたのかと思ってしまうだろう。」と先日行われた海外研修での中国の様子について語られました。続けて、「歴史は解釈によって違い、絶えず新しい事実が発見されれば、それと整合性が取れるように変わるべきだが、多くの学者は定説に固執して変えようとしない。張作霖爆殺事件がソ連の特務機関の犯行であることを、ドミトリー・プロホロフ氏を取材し、日本に呼んで記者会見を開いて示したが、ほとんどのメディアはこれを無視した。日本にとってプラスの事実は黙殺され、日本を貶めるようなことを教科書やメディアを通じて思い込まされる。これを変えないと誇りを持って歴史を語ることが出来ない。断片的な事実の点を線に繋げて記したのが『誇れる祖国「日本」』である。」と先日出版された著書の背景を語られ、「戦争末期には既に世界覇権争いが始まっており、アメリカは莫大な議会機密費を使って開発した原爆を落とす必要があったが、戦争が終わると使えなくなるため、終戦を望む日本に対して、アメリカは天皇制の維持を曖昧にしたまま戦争を続けたのである。さらに原爆を落としたアメリカが良い国であり続けるために日本を悪者にした。情報謀略戦は今も昔も行われており、南京大虐殺や従軍慰安婦など、あらゆる機会を使って日本を貶めようとする。国益のためには嘘もつけば人も殺す。」と著書の内容の一部を紹介されました。さらに、「日本はリスクを取らない社会である。狂牛病や鳥インフルエンザ、新型インフルエンザ、放射能問題などが良い例である。これらの被害で最も大きいのが風評被害である。原発を停止することで毎年3兆円の燃料費がアップすることになり、円安になったらもっと大変なことになる。日本はその技術力で、世界で最も安全な原発を持って世界に打って出るべきである。この20年で、GDPがアメリカは2倍、中国は十数倍にもなったが、日本は横這いである。原発を停止すれば安全かと言えば、止めても崩壊熱は続き、安全性に違いはない。それでも維持にコストがかかるのであれば、発電した方が良い。ノーリスクはノーリターンであり、少なくともミドルリスクは取らなければならない。『早く高く飛びたいなら嵐に向かって飛べ』というのが今月の座右の銘である。日本をリスクの取れる社会にしていかなければならない。」とリスクを取ろうとしない日本の現状に警鐘を鳴らされました。
作家で拓殖大学日本文化研究所客員教授の黄文雄様は、「東京オリンピックの前に日本に来たが、それから40数年間で日本人の政治に対する見方、考え方が大きく変わった。1970年頃に京都に行ったときには、国立大学の教授が尖閣諸島に関する資料を教え子に外務省から盗ませたことを堂々と話していた。当時は尖閣諸島で動きがあるたびに、進歩的文化人達が、日本の帝国主義の復活であり尖閣諸島を中国へ返せ、と共同声明を出していた。一方、2年前には尖閣諸島を中国に返せと書いたものはなかった。街頭デモにも3回参加したが、3,000名以上が集まった。日本はそこまで変わったので心配する必要はない。」と日本人の領土に対する意識の変化について語られ、「かつて、李登輝元総統やダライラマ14世が日本に入国しようとしたときに、日本政府は中国に配慮して入国させなかったが、今年、チベット亡命政府首相の入国やウイグル会議の日本での開催を認めた。」と日本政府の姿勢の変化を評価されました。さらに、「台湾では90年代から日本が大好きな世代が出てきており、若い世代が日本語を話せるようになってきている。現在世界で一番観光したい国、住みたい国はともに日本がトップである。かつて日本人は自己批判をしながら地球人になりたいという人が多かったが、ヨーロッパ人にとって地球人といえばジプシーのことであり、今は中国の温州人がそれに当たる。日本人は日本人として誇りを持つべきである。」と日本人が誇りを持つことの大切さを訴えられました。また、「歴史を学ぶ上で、戦争にばかり眼を向けがちであるが、実際には戦争ではそんなに死者が出ない。戦争以上に死者が多いのは疫病であり、その次に餓死である。中国で宋、元、明という国家が滅びたのは疫病の流行による。歴史を見る場合、環境の改善だけでも大きな世界貢献であり、そうした視点から歴史を見直すべきである。」と、歴史を見る新たな視点を示されました。最後に、「日本人は人類史の中でも特別な存在であり、歴史に対して嘘をつかないのは日本だけである。中国の歴史は創作であり、プロパガンダである。司馬遷の『史記』には神話や創作が多く、史実としては漢の武帝時代しか評価できない。一方、日本の記紀では神話は神話として書かれている。中国人は歴史より小説が好きで、三国志は読まなくても三国志演義は読んでいる。南京大虐殺はある意味、戦後最大のヒット作であると言える。それは、中国の歴代王朝が繰り返し行ってきた大虐殺のコピーだからである。」と中国は歴史を創作するものであるという視点からいわゆる南京大虐殺というものについて語られました。
参議院議員の岡田広様は、「昨年3月11日は国会審議で子供手当て、少子化対策について質問をしようとしていたところに大震災が起こった。それから1年後、子供手当ての議論が行われ、改正児童手当ができた。良い政策でも財源のないものは実行できない。生活保護は民主党政権になってから2兆9,000億円から3兆7,000億円に、約25%増えている。支給要件が緩和されたためであり、不正受給も問題になっている。また、公債比率も約37%から約49%に増加している。財源に注視していかなければならない。」と政策の裏付けとなる財源の重要性について語られました。また、「東日本大震災が何をもたらしたか。太陽、そして水について考えさせられた。地球上の現象は太陽が引き起こしており、私達は太陽によって生かされていることを再認識すべきである。また、水については老子が『上善は水の如し』と言ったように、水は包容力があり、両手で汲み取るものである。水は順応する柔軟性を持つ一方で、岩石をも動かすエネルギーを持っている。水は高いところから低いところに流れる。世阿弥は『初心忘れるべからず』と言ったが、下積みを忘れず、爽やかに力強く生きていかなければならない。」と震災から得た、自然との関わりの意味について語られました。さらに、「元谷代表の座右の銘に『情報は分析する人で価値が決まる』という言葉があるが、情報の大切さは21世紀のIT時代でも戦国動乱期でも変わらない。情報過多の時代、取捨選択が必要である。」と大河ドラマ『武蔵』を例に、今も昔も変わらない情報の重要性を示されました。最後に、「4年前に『夢、ゆめ、努(ゆめ)』という本を出版した。夢は努力しないと実現しない。」と締めくくられました。
参議院議員の岡田直樹様は、「元々北国新聞の記者で、平成9年、10年に拉致問題の取材で北朝鮮を訪れた。その当時はまだ北朝鮮は拉致を認めていなかった時代である。北朝鮮の現状を見て危機感を持ったことが政治の道に入るきっかけとなった。拉致問題の進展がないことについては内心忸怩たる思いはある。金正恩で3代世襲となり、北朝鮮は社会主義国でありながら、究極の階級社会となっている。金王朝の周りに労働党、軍が取り巻き、一般国民はやせ細ってクーデターを起こす気力すらない。拉致問題については注視しながら粘り強く取り組んでいきたい。」と記者の経験から拉致問題について語られました。さらに、「戦前日本が統治した地域は、北朝鮮を除いて皆目覚しい経済発展を遂げ、豊かになっている。スタンフォード大学のレイモン・マイヤーズ教授は朝鮮戦争に従軍した経歴を持っているが、朝鮮半島に道路や鉄道が敷かれ、鉱山やダムがあり、何より学校がたくさんあることに驚き、『ここは果たして植民地なのだろうか』という疑問を抱いたという。欧米諸国はアフリカ、アジアで略奪とも言える過酷な支配を行ったのに対して、日本は台湾、朝鮮、満州を内地と同じ水準に引き上げることに真剣に取り組み、これらの地に大きなインフラを残し、教育を施した。こうした経験をきっかけに、日本や中国、台湾、朝鮮の研究に従事するようになった。明治時代の日本はアジア地域におけるゴールキーパーのような存在であり、世界史の中で果たした日本の役割は大きい。」と日本のアジア統治と欧米の植民地支配とが全く異なることを示されました。また、「以前、国土交通大臣政務官をしていたときに、ソマリア沖に海賊が出没したため、海上自衛隊の護衛艦に海上保安官を乗せて派遣した。日本の陸地面積は世界第61位であるが、領海+排他的経済水域では世界第6位であり、日本の海を守り、島を守ることが死活的な問題である。尖閣問題では海上保安庁職員は体を張って中国人船長を逮捕したが、今の法律では離島に上陸すると海上保安官は対処できない。法律改正により、遠方離島上で発生した犯罪に海上保安官が対処するほか、外国船舶に対して立ち入り検査を省略して退去命令を発することが出来るようになった。一方、巡視船艇やヘリコプターは昭和50年代に集中的に整備されたが、老朽化が進んでいる。防衛も重要であるが、日常的に出番の多い海上保安庁にももっと眼を向けてほしい。」と日本の海上保安の重要性について語られました。
戸塚ヨットスクール校長の戸塚宏様は、「現場は成果が問われるものであるが、教育界がこれだけ荒廃しているのに誰も責任を取らない。30年前に臨教審ができ、日本の英知を集めて教育を正常化しようとしたが、わかったことは日本に英知はないということである。現場を見ればちゃんとやっているところはあり、まず現場に聞きに来いと言いたい。マスコミは教育を支配しているつもりになっている。儒教では知っていることはできるということである。それなのに意見を言う。体罰は悪というのは本当か?それでは体罰を定義できるか?善悪を定義できるか?きれい事が善になってしまう。ヨーロッパの哲学は何の役にも立たない。教育が失敗したのはヨーロッパの精神論を採用したからである。しかしそれは想像論に過ぎない。」と、現在の日本の教育の問題とマスコミの姿勢を厳しく批判されました。さらに、「世界人権宣言では、人間は生まれたときから完成した精神を持っており、自由、平等、尊厳、権利、理性、良心を備えているとしている。その背景には神が人間を創ったから人間は完成品であるという考え方がある。しかし、それらを創ることが教育というものであり、そんな考え方では教育はできない。善悪の基準がヨーロッパの精神論にはない。それは人間が勝手に決めている。一方、日本の精神は、『言挙げせぬ国』と言われるように、自然の精神であり、本能論である。だから理性論で行動するべきではない。悪は理性の中にしかなく、本能は善である。本能が悪なら人間は滅びているはずである。ヨーロッパ人は理性が善であり、本能は悪としている。大和魂と言うとすぐにけしからんと言うが、紫式部が始めに言い出した言葉である。古今東西人間が作り上げた最高の理性は武士道である。その国の社会情勢は採用している精神論で決まる。大和魂で動いていたのは江戸時代である。当時来日したハリスは、『これほどの国を開国させていいのだろうか?』と日記に書いたくらいである。しかし戦後マッカーサーに精神論のクーデターを成され、ヨーロッパ流精神論しか使えなくなった。『叱る前に褒めろ』と言う。だから皆ダメになった。」と教育の荒廃の背景に、ヨーロッパ流精神論を取り入れたことがあることを示されました。また、「言葉を使おうと思ったら、定義、目的、作り方、使い方がないと価値がない。『和を以って貴しと為す』という言葉があるが、良い言葉なら使うべきである。『和』の定義、『和』の目的、『和』の作り方、『和』の使い方、これを教えなければ価値がない。『権利』、『自由』という言葉だけを教えられて、その定義、目的、作り方、使い方を教えないから、子供達は悪いように使ってしまう。体罰とは、『相手の進歩を目的とした有形力の行使』と定義する。今の善悪は、単なる好き嫌いである。『女の仁』は子供をダメにする。これを乗り越えなければ将来はない。教育は日本の将来であり、一刻も早く正常化しなければならないが政治家は教育を触りたがらない。役人がダメならクビにしてほしい。東大の入試に体育を入れるとかなりの部分が良くなる。知育、体育、徳育、それぞれの目的をはっきりさせる。教育こそ議員の最大の仕事である。」と教育の本質を説くとともに、改革の必要性を強く訴えられました。
戸塚様の発言を受けて、新しい歴史教科書をつくる会副会長の岡野俊昭様からは、「銚子市長になる前はずっと校長をしていたが、教育がダメなのは教員の養成機関がダメだからである。大学の教育学部では共産化教育をやっている。優秀な教授が出世せず、ダメな教授が出世している。私は日教組から天敵と言われているが、生涯日教組と社会主義と闘っていく。」と力強く宣言されました。
衆議院議員の高邑勉様は、「父は少年野球の監督をしていたが、当時はスパルタ教育だった。20年経って父兄の反乱があり、解任された。それでも子供達は良くわかっている。」と自らの体験から、教育の問題点について触れられました。さらに、「与党も野党も党利党略で足の引っ張り合いをしている場合ではない。個人の独立なくして国の独立はない。そのために教育を変えていく。今般、民主党を離党し、山口県知事選に出馬することにした。そこでは、震災のがれきを積極的に受け入れること、福島県の牛を離島で引き受けること、退役自衛官や予備自衛官を県庁職員として採用することを政策として掲げている。」と山口県知事選出馬への意気込みを語られました。
戦後問題ジャーナリストの佐波優子様は、「戸塚ヨットスクールに体験入学したことがある。戸塚先生は精神が弱るのは脳幹が弱くなるからであり、脳幹は恐怖を感じることで鍛えられると言われている。ウインドサーフィンは少しでもバランスを崩すと海に投げ飛ばされてしまうのでとても恐怖を感じたが、陸に上がるときには体がすっきりして元気が出た。多くの方々にも体験してもらいたいと思う。」と戸塚ヨットスクールでの体験を語られました。さらに、「5月29日のニューヨークタイムズの広告で、1970年12月に西ドイツのウィリー・ブラント首相がポーランドのユダヤ人犠牲者の記念碑前で膝をついて献花している写真が掲載されていた。これは韓国が日本に対して出した意見広告で、世界に対して慰安婦問題をホロコーストと同じような印象を与えようとしている。日本は反論すべきである。」と慰安婦問題に対して毅然とした態度を取ることの必要性を訴えられたほか、「先日尖閣諸島を訪れた。日本が尖閣諸島は日本の領土であると主張することが、アジアの平和を乱すことになるという主張も一部にあるが、それは逆である。きちんと自分の領土だという主張をせずに譲ったら、武力が強い国、ゴネた国が得をすることになってしまう。きちんと主張することが、平和や秩序を守ることになる。」と領土問題についても主張することの重要性を説かれました。
諸橋茂一事務局長からは、消費税の問題点について数値例を示されながら、「かつて消費税を導入した後で、景気が減速し、結果的に税収が減った。現在消費税の税率を5%から8%に上げる法案が可決される見込みであるが、増税分が取引の各段階で商品価格に転嫁されていくと、最終消費者の段階では価格が3%ではなく、10%以上上がることになる。消費税は一切の除外項目を無くして、全ての取引段階において一律1%課税とした方が不公平感がなくなり、企業並びに国民一人一人に対する負担も少なくなり、国家として安定税収確保にもなる。」と持論を展開されました。
最後に元谷塾長は、「私の座右の銘に、『賢者は歴史に学び、勝者は歴史を創る』という言葉がある。日本は敗者であったが、サンフランシスコ講和条約で独立国家となったからには、歴史に責任を持ち、勝者となるよう自分の国は自分で守れるように力をつけなければならない。そのためには本当のことを知る必要があり、知っていれば恐れることはない。日本人は優れた潜在能力があるが、分断されている。このままでは中国日本自治区になってしまう。」と会を締めくくられました。