
塾長・最高顧問 元谷 外志雄
第61回勝兵塾月例会が、6月16日(木)にアパグループ東京本社会議室で開催されました。
冒頭のアパグループ代表元谷外志雄塾長によるご挨拶では、「本年はアパグループにとっては区切りの良い年である。創業45年を迎え、アップルタウンは創刊25年、東京に本社を移して15年、勝兵塾も丸5年を迎えた。世の中も大きな変わり目を迎えつつある。トランプがついに大統領候補になったが、これは単にアメリカのトランプ現象だけというものではない。冷戦終結から26年が経過し、世界は新しい枠組みに変わろうとしている。技術の革新、とりわけIT革命があらゆるものを巻き込んで世の中を変えつつある。」と述べられた後、先日一、二〇〇名を超える方々にご参加いただき盛大に開催された「本当の日本の歴史『理論近現代史学Ⅱ』出版記念並びに代表バースデーイブの会」の模様のビデオを皆で視聴しました。元谷塾長はパーティのご挨拶においても、「アメリカのトランプ現象だけではなく、ロシアにおけるプーチンへの高い支持率、ドイツにおける反移民の新政党の躍進、イギリスのEU離脱の可能性等、各国に自国第一主義、民族主義の潮流が見られる。帝国主義への逆戻りの可能性があり、日本は目を覚まさなければいけない。憲法を改正し、日本が軍事力を増強することが東アジアの安定に貢献する。そのためにも世論を変え、近いうちに真っ当な真の独立国家となる必要がある。」と述べられました。

勝兵塾関西支部長 衆議院議員 長尾敬様
先月号のアップルタウンの記念すべき第300回目のビッグトークにも登場された、勝兵塾関西支部長で衆議院議員の長尾敬様は、「勝兵塾はここに学ぶ一人一人がそれぞれの立場で何ができるのかを考える最高のステージだと思う。私は17年間生命保険会社でサラ―リーマンを経験し、専門は厚生労働であるが、社会保障は安全保障と両輪の関係である。安全保障が確立されていなければ社会保障は成り立たない。その優先順位は自ずと明らかである。3年前に漁業活動として尖閣諸島に上陸したが、中国は間違いなく第一列島線を越えてくると現場で確信した。今までは中国公船が尖閣諸島周辺をうろついていたが、先日中国軍のフリゲート艦が尖閣諸島周辺の接続水域に進入し、昨日は情報調査船が鹿児島県口永良部島沖の領海に侵入した。海には無害通航権が認められているが、今回の中国船の領海侵入が無害通航にあたるのかどうか日本国民は関心を持たなければならない。日本政府は「無害通航とは言えないが、無害通航でないとも言えない」という見解を示したが、今回が初めてのことであるから、これが基準となってしまう。だからこのまま終わらせるわけにはいかない。」と安全保障の重要性について述べられました。
ギリシャ大使館特命全権大使 ルカス・カラツォリス様
ギリシャ大使館特命全権大使のルカス・カラツォリス様は、「ギリシャ国土の80%は山、20%は島であり、地理的に日本と似ている。観光立国を標榜し、一、〇九〇万人の人口に対して、一、五〇〇万人もの観光客が訪れる。最大の問題は中東における争いによってトルコとの国境付近の島々に難民が来ることである。様々な対策をしているが、ギリシャで止めなければヨーロッパ中に難民が広がる。ギリシャは大事な役目を負っている。ギリシャは文化国家であるが、移民や難民は宗教も文化も異なるため、どのように対処していくかが課題である。現在、東京国立博物館において『特別展 古代ギリシャ 時空を超えた旅』を開催しており、この機会に是非ギリシャ文化に触れてほしい。ギリシャはオリンピック精神を現代まで引き継いでいる。その精神は世界を融和していくものである。ギリシャは二〇二〇年の東京オリンピックを価値あるものにしていくことに協力を惜しまない。オリンピックを一緒に創っていくことに意義がある。」とギリシャにおける難民問題や文化とオリンピック精神の関係について述べられました。
ハーバード大学Igノーベル賞受賞教授サー中松義郎博士
これに対して、ハーバード大学Igノーベル賞受賞教授サー中松義郎博士は、「なぜギリシャの年金は破綻したのか?」と質問されました。ルカス・カラツォリス様は、「社会保障のために他国からお金を借りてしまったことがいけなかった。最後の審判が下ったようなものだ。自分たちが悪かったと思う。最近はギリシャ人も社会保障の自己負担が増えることについて協力的になってきている。」とご回答されました。
参議院比例代表(全国区)支部長 あぜもと将吾様
参議院比例代表(全国区)支部長のあぜもと将吾様は、「医療現場における最先端の三次元画像解析技術について紹介したい。CTスキャンからこのように簡単に3D画像をつくることができる。3D解析の目的は、前後も含めた位置関係を正確に把握できること、患者への説明が分かりやすいことなどがあげられる。心筋梗塞についても、以前はカテーテル検査を必要としていたが、今は3D画像を作成し、どこの血管が詰まっているかがわかる。カテーテル検査は100万円ほどの費用がかかるが、CTスキャンは3~5万円で済むため、医療費の削減にもなる。日本の3D解析技術力は世界で1、2位を誇る。しかしながら、このような最先端医療技術の導入に対して50~60年前の法律が妨げとなっている。そのためにも法律を変えていく必要がある。」と最先端医療技術とその導入のための法律改正の必要性についてご説明いただきました。
衆議院議員・予算委員会常任理事 原田義昭様
衆議院議員・予算委員会常任理事の原田義昭様は、「先ほど長尾代議士が大事な話をされたが、本日、私が働きかけて、自民党本部において、中国軍艦が尖閣諸島周辺の接続水域に進入したことに対する協議会を開いた。そして、本日、中国軍の情報調査船が鹿児島県口永良部島付近で領海侵犯をした。日本は舐められており、この状況を打破しなければならない。国際社会において日本は厳しい立場に置かれていることを認識しなければならない。東日本大震災の際にロシアや中国が日本の領海・領空侵犯をしたこともある。『尖閣を守れ』という勉強会を6月27日に行う予定である。日本人は自信と誇りを取り戻さなければならない。」と、中国による領海侵犯に対して警鐘を鳴らされました。
モルドバ共和国大使館特命全権大使ヴァシレ・ブマコフ様
一般社団法人国際教養振興協会代表理事 東條英利様
一般社団法人国際教養振興協会代表理事の東條英利様は、「東條英機は曾祖父にあたる。『神社人』というポータルサイトを運営しており、全国に約八八、〇〇〇ある神社を検索できるシステムをつくっている。現在は一万弱の登録があるが、登録は全て自分の手で入力している。このようなことをなぜ始めたかと言えば、自分の名前にコンプレックスがあり、学校でも日本史を選択しなかったため、香港に4年間駐在した際に日本のことをうまく答えることが出来なかった経験があるからだ。日本人の考え方、価値観というものは非常にユニークである。海外の会社で『5分早く出社して雑巾掛けをしよう。』と言っても、『それは契約書には書かれていない。』と言われてしまう。日本人の働く意識というものは変わっている。その要因は、日本にあって世界に無いもの、つまり神道や神社を見れば自ずと分かるのではという思いからこのサイトをつくった。今はグローバリズムによりアイデンティティ・クライシスが起きている。ヨーロッパではキリスト教の衰退とイスラムの拡大が起きており、ベルギーのブリュッセルの人口の25%はイスラム系であり、EUにイスラムの法を成立させようとしている。移民政策の失敗の結果である。人の動きは宗教で動き、お金の流れは富裕層が動かしている。そこには国家や社会という概念が無い。ここを何とかしたいという思いがある。以前、オーストラリアのTV番組にトルーマンの孫やスターリンのひ孫といった方々と一緒に出演した経験がある。日本とオーストラリアは先の戦争では敵国同士であり、出演したことには賛否両論あったが、『あなたが出てくれて良かった』というオーストラリア人からのコメントもFacebookでいただいた。トルーマンのお孫さんと一緒に未来に向けたメッセージを出せないかといったことも考えている。」と、ご自身の思いと活動について述べられました。
近現代史研究家 斉藤剛様
近現代史研究家の斉藤剛様は、「自虐史観はマルクス主義の唯物論を縦糸に、東京裁判史観を横糸として織り成されたものである。マルクス主義者の祖国はソ連であり、日本の歴史は日本を愛する人によって書かれなければならない。かつての日本の誤った選択を教訓として論じなければならない。先日、『大蔵大臣 水田三喜男』という本を出版した。愛国心は家族愛、郷土愛の延長線上にあるべきものであり、私の郷土愛の発露として、千葉県出身の政治家で日本に最も貢献した人物として水田三喜男のことを書いた。元谷塾長と水田先生は2つの点で共通点がある。水田先生は占領下において、GHQの幹部に対して日本の立場を堂々と主張された。元谷塾長も第四の権力であるマスコミに対して臆せず自分の意見を主張されている。また、水田先生は昭和45年の高度経済成長期に付加価値税の導入を主張し、次の時代を予見されていた。元谷塾長も3年も前にオバマ大統領の広島訪問を予見され、ホテルを建設されている。権力や時流にへつらわないことが大事である。」と述べられました。
フリーライター・エディター マイケル・マーティン様
フリーライター・エディターのマイケル・マーティン様は、「アメリカにおけるアカデミズムとメディアについて話をしたい。多くの日本人留学生がアメリカの大学に行こうとしているがそれはやめた方が良い。アメリカの多くの大学は左派に乗っ取られようとしている。アメリカのメディアの主張も左派に乗っ取られつつある。メディアはアメリカ人の間でも信頼を失っている。ニューヨークタイムズをはじめ、アメリカの新聞に対する信頼度は僅か18%しかない。トランプに対する支持の方がメディアへの信頼よりも遥かに大きい。本来のメディアの良さはインターネットに置き換えられつつある。本当の声はインターネットから聞いて欲しい。アメリカでも罪悪感や絶望感など人の心は荒んできている。『アメリカは戦争を仕掛けている』という罪悪感に苛まれているアメリカ人は多い。アメリカは経済的には他国に比べて良い状況だが、様々な問題が起きている。日本は観光立国を目指すにあたり、これまでは欧米の文化を取り入れてきたが、これからは日本の良さを認識して、自信を持って欧米から来た観光客を良い意味において洗脳して欲しい。元谷塾長はバランスの取れた人間であり、海外に情報発信していることが素晴らしい。私の望みは皆様に自分のバランスを取って欲しいということである。『思いやり』は日本語で一番大切な言葉だと思う。この言葉に出会えて本当に嬉しい。」と、アメリカのアカデミズムやメディアの現実、そしてアメリカ人から見た日本の素晴らしさをご教示いただきました。
勝兵塾事務局長の諸橋茂一様は、「田母神元航空幕僚長の初公判が6月27日に予定されている。私も東京地検から取り調べを受けたが、東京地検はとんでもないところだった。検事が勝手に話を創っている。調書にも私の発言は書かれず、検事に『調書は私が作る。』と言われた。しかし、そのことに厳しく抗議した処、漸く私の発言がその調書に盛り込まれた。犯罪者はこのようにして捏造されるのだと実感した。私は田母神氏に『検事の言うことを認めてはいけない。調書へのサインに応じてはいけない。』と逮捕前に伝えた。田母神氏が保釈申請をしているのに保釈されないのは検事の不当な追及に対して頑張っているからだ。」と述べられました。
最後に塾長より、「今日の勝兵塾月例会でも素晴らしい話をたくさん聞くことができた。色々なことが明らかになってきている。インターネット技術が世の中を変えている。技術が世の中を変えるのである。本当のことを知れば皆保守になる。本当のことを皆に知ってもらうために言論活動を続けている。6月20日にアパホテル〈ウッドブリッジ〉がグランドオープンを迎えるため、明日よりアメリカ・ニューヨークへ向かう。」と、述べられ、会を締め括られました。