第116回 勝兵塾月例会レポート

塾長・最高顧問 元谷 外志雄

塾長・最高顧問 元谷 外志雄

 勝兵塾第116回月例会が2月18日にアパグループ東京本社で開催されました。
 冒頭のアパグループ元谷外志雄代表による塾長挨拶では、「勝兵塾が始まってもうすぐ10年になる。毎月3カ所で開催して、これまで延べ3万人が参加した。今月号のエッセイでは新疆ウイグルについて書いた。核実験で多くの人々が被曝するなど、中国政府は非人道的なことをしてきたが、日本のメディアはほとんど報じてこなかった。中国は世界第3位の核保有国である。日本のすぐそばに強大な軍事力を持つ国があることを忘れてはならない。中国が貧しい時は豊かになれば民主化すると期待して経済援助をしてきたが、その予想は大きく外れ、経済成長とともに軍事大国となった。習近平は国家主席の任期を撤廃し、独裁体制を敷こうとしている。中国が益々力をつけてくると日本は危うい。これまでは、日本は空軍力と海軍力で中国に勝っていたが、最近では中国の空軍力は日本と同等以上となり、海軍力もつけてきている。日本の領海に侵入しても日本は警告するだけで攻撃できないことをわかっているので、中国の公船がなし崩し的に日本の領海に侵入してきている。このままではいずれ尖閣諸島は竹島のようになる。にもかかわらず、日本ではほとんど話題になっていない。尖閣諸島が中国のものとなれば、中国は太平洋への出口を押さえることができる。中国は沿岸警備隊を軍隊の下部組織に編入した。日本は十分に警戒していかないと竹島のように盗られてしまう。日本を取り巻く情勢は、世界で最もホットである。」と、中国の軍事的脅威に警鐘を鳴らしました。

衆議院議員の佐々木紀様

衆議院議員 佐々木紀様

 衆議院議員の佐々木紀様は、「私は石川県小松市を中心とした石川2区選出の衆議院議員で、元谷代表は高校の大先輩であり、故郷の星である。昨年9月までは安倍内閣で国土交通大臣政務官として観光庁を担当した。Go Toトラベルなどの政策にも関わったが、コロナで大変なときに、代表が真っ先に軽症者等の受入施設として手を上げてくれたことに感謝している。さらに、Go Toトラベルを推進するにあたり、アパホテルを視察して、アプリチェックインや朝食ビュッフェでの感染防止対策などの取り組みを学ばせて頂き、政策に活かすことができた。政府としては、緊急事態宣言を今月末には解除したいと思っていたが、病床の逼迫感から解除を躊躇した。3月に緊急事態宣言が解除されれば、3月下旬にはGo Toトラベルを再開できるのではないか。Go Toトラベルが全国的な感染拡大につながったと言う人がいるが、利用者数に対して陽性者数はわずかであり、クラスターも発生していないことから、感染拡大に繋がったというエビデンスはない。ただ、世論が感染拡大に敏感になっているので注意が必要である。例えば、Go Toトラベルを地域限定で再開したり、県民割を利用することから始めた方が、スムーズな再開に繋がるのではないか。今後、割引率や割引の上限額をコントロールしながら旅行需要の平準化をしつつ、観光業界を元気付けたい。Go Toトラベルを実施したことで幅広い業種に恩恵があったことから、観光業界は裾野の広い産業だと分かった。観光業界への支援は、経済対策としてもとても良いことである。観光業界を盛り上げていくためには安心・安全をどう作っていくかが大切である。そのために検査体制を拡充させ、セルフチェックでのPCR検査を安価にできるようにしたい。」と、Go Toトラベルの意義と再開への期待について語られました。

元文部科学大臣・衆議院議員の馳浩様

元文部科学大臣・衆議院議員 馳浩様

 元文部科学大臣・衆議院議員の馳浩様は、「北陸新幹線の敦賀延伸が1年延期されたが、この機会に大阪へ繋ぐルートを、若狭、京都を通るルートから米原へ繋ぐルートへ変更すれば早くできるのではないかと思うが、地元の国会議員としてどう考えるか?」と質問され、佐々木様は、「延伸ルートの話は3年前に与党の中で決着した。一度結論が出た話なので蒸し返すことはできないが、計画を進めていく上では、環境アセスメントや京都や大阪などの大都市での開発で様々なハードルがある。今はその課題を洗い出しているところであり、すんなり課題が解決すれば良いが、解決できない場合はルートの問題も再燃しかねない。」と答えられました。

第8回「真の近現代史観」懸賞論文最優秀藤誠志賞受賞者で、米国カリフォルニア州弁護士のケント・ギルバート様

第8回「真の近現代史観」懸賞論文最優秀藤誠志賞受賞者で、米国カリフォルニア州弁護士 ケント・ギルバート様

 第8回「真の近現代史観」懸賞論文最優秀藤誠志賞受賞者で、米国カリフォルニア州弁護士のケント・ギルバート様は、「アメリカの弾劾裁判は最初から最後まで時間の無駄であり、民主党議員の憂さ晴らしだった。弾劾裁判はあくまで最終兵器である。弾劾裁判の目的は、一つ目はトランプを職から外すことだったが、トランプは国民の投票の結果、すでに職から離れていた。二つ目はトランプを二度と選挙に出させないことであるが、そのためにはトランプを有罪にする必要がある。しかし、憲法上の取り扱いははっきりしない。本来これは国民が選ぶことである。三つめは共和党を分裂させ、消滅させることであるが、民主党も中道派と左派とで分裂しており、これを修復することは困難である。トランプの影響力は少しずつ減っていき、中間選挙の頃にはなくなるだろう。下院での弾劾訴追と上院での弾劾裁判には問題がある。トランプの発言を非難しているが、これは言論の自由を否定するものである。さらに、トランプの発言が国会議事堂襲撃の直接の原因になったのか否かを全く証明せず、デュープロセスなしに訴追した。しかも、トランプはすでに職から離れている。これは憲法の規定に反している。それができるなら、オバマもクリントンも訴追すれば良い。」とアメリカでの弾劾裁判の問題点を指摘されました。

東京国際大学学長・慶應義塾大学名誉教授の塩澤修平様

東京国際大学学長・慶應義塾大学名誉教授 塩澤修平様

 東京国際大学学長・慶應義塾大学名誉教授の塩澤修平様は、「民主党も分断されていると話されたが、今後民主党が外交安全保障の分野で対中政策はどちらの方向に集約していくと考えているか?」と質問され、ケント・ギルバート様は、「幸い中国に対して民主党も共和党も強い警戒感を持っている。中国に対する制裁を緩めようとすれば、議会が黙っていないだろう。国務長官はアジアに重心を持ってこないといけないことを分かっているし、アジア担当は状況をよく分かっている。彼らは中国に対しては一対一ではなく、同盟国との関係を強化して中国に対峙していこうと考えている。そのとき日本はきちんと役割を果たすことができるか? 日本は憲法があるからと逃げるかもしれない。ただ一番恩恵を受けるのは日本なのだから、日本政府がどれだけきちんと役割を担うのか、私はアメリカよりむしろ日本の方が心配である。今回在日米軍駐留費を上げないことが決まったが、それはアメリカが駐留費を上げると日米同盟を弱くすることが分かっているからである。日米同盟を強くするためには、日米が同等の決意で行動することを期待している。日本は逃げずに自分の国土を守る決意をしてもらいたい。」と答えられました。

早稲田大学国際学術院教授の片岡貞治様

早稲田大学国際学術院教授 片岡貞治様

 早稲田大学国際学術院教授の片岡貞治様は、「アメリカ大統領選挙では、過去10回の全てでオハイオを制した候補が当選してきた。しかし、トランプはオハイオとフロリダを制したが再選されなかった。トランプ現象では、反エリートの存在が歴史的復権を果たし、東海岸の政治経済エリートとの対立構造が明らかになった。コロナがなければトランプの再選は確実だった。Brookingsの調査によれば、トランプ支持者のGDPが29%を占めるのに対して、バイデン支持者のGDPは71%で、豊かな州はすべてバイデンが制した。地味で高齢なバイデンはオバマⅢである。トクヴィルは、『民主政治とは「多数派による専制政治」』と言ったが、まさに米国の混乱を予想していたと言える。慣習や暗黙のルール、不文律が共有されなければ、民主主義の諸制度は機能しない。分断は自然な流れであり、メディアの『公平原則』はなくなり、党派対立が生まれる。両党の主流派の権威と信用が失墜し、雇用や技術が海外に流出し、中流階級は崩壊して格差が生じる。多岐に亘る課題があるが、優先課題に対する戦略的意思決定が困難になると、政権の不安定要因となる。最大の脅威は海洋における中国の挑戦である。今後もトランプ的なるものは残るだろうが、日米同盟は強化され、日米で役割分担をして負担を共有していくことになるだろう。対アフリカ政策に関してトランプ政権は全くやる気がなかった。日本は1993年から5年毎にTICADを開催してアフリカを支援してきたが、中国は2000年から3年毎にFOCACを開催してアフリカに関与するようになった。安倍総理は2016年にケニアで開催されたTICADⅥで『自由で開かれたインド太平洋戦略』を発表したが、習近平は2018年のFOCAC7で『「一帯一路」の終点はアフリカ』と発言した。コロナ禍で茂木外相と王毅外相はアフリカを訪問したが、王毅外相は5カ国。それに対して、茂木外相は7カ国と、日本は良い外交をやっている。」と、アメリカ大統領選挙の影響や日本の外交政策について解説されました。

衆議院議員の藤田文武様

衆議院議員 藤田文武様

 衆議院議員の藤田文武様は、「2月8日の予算委員会で、山川出版社の中学校の歴史教科書について取り上げた。『従軍慰安婦』という言葉は、『強制連行』、『20万人』、『性奴隷』という3つのキーワードで弄ばれてきた。政府は3つのキーワードについては完全に否定したが、河野談話については踏襲するという答弁になった。不思議なのは、河野談話には、官憲によるある種の強制性があったように読み取れる部分があったが、政府はこれを解釈論で乗り切っており、河野談話は強制連行説を肯定しているものではないから踏襲するとしている。つまり、官僚的レトリックでごまかしてきたことが改めて明らかになった。答弁の中で一つだけ良かったのは、政府が意図して『従軍慰安婦』という言葉を公で使っていないことが確認できたことである。政府の見解をガラッと覆していくことができれば素晴らしいことではあるが、政治の継続性を考えれば、一歩一歩正常化に近づく答弁や見解を引き出して積み重ねていきたい。昨年の予算委員会では皇位継承についても話をさせて頂いた。私は旧宮家の皇籍復帰を目指すべきだと考えているが、様々な議論がある。その中で、旧宮家の方々について、野党の何名かの先生は、どこの誰かも分からない人がいきなり現れて皇位継承者になるというのは、民意として受け入れられないだろうと主張している。しかし、皇籍離脱には歴史的経緯があり、旧宮家の方々は皇室との間で相当の姻戚関係がすでにあり、今も継続して菊栄親睦会に代表されるような交流会が定期的に行われ、皇室との個人的な関係も続いている。そういう事実を多くの人々に知って頂くことが重要であると考える。」と、いわゆる「従軍慰安婦」問題や皇位継承への取り組みについて語られました。

「新しい歴史教科書をつくる会」副会長の藤岡信勝様

「新しい歴史教科書をつくる会」副会長 藤岡信勝様

 「新しい歴史教科書をつくる会」副会長の藤岡信勝様は、「2019年度の中学校歴史教科書検定で、山川出版社の教科書に『従軍慰安婦』という言葉が復活した。中身を見ると、本文に『多くの朝鮮人や中国人が日本に徴用され、鉱山や工場などで過酷な条件の下での労働を強いられた。』と書かれており、注記に『戦地に設けられた「慰安施設」には、朝鮮・中国・フィリピンなどの女性が集められた(いわゆる従軍慰安婦)。』と書かれている。このわずかな記述に6カ所の間違いや不適切な個所がある。かつて『従軍○○』と呼ばれる人々はいたが、『従軍慰安婦』と呼ばれた人はいなかった。『従軍看護婦』や『従軍僧侶』という立場は明治時代に規定されて存在していたが、それらの人々は軍属であり、戦闘には参加しなかったが、軍の組織の一部だった。『従軍慰安婦』という言葉は、昭和48年にできた戦後の造語である。千田夏光という作家がこの年に『従軍慰安婦』という小説を書いたことで登場した。戦地にある遊郭で働く女性を『慰安婦』と呼んだが、『従軍慰安婦』という言葉はなかったのである。本来は皇軍の誇りある呼称であった『従軍』という言葉が、戦後軍に同行させられる悲惨な境遇という意味へ転換が行われた。次の段階は、1983年に吉田清治が書いた『私の戦争犯罪-朝鮮人強制連行』という本に、済州島で合計200人の女性を強制的に連れて来て軍に引き渡したという話が書かれたことである。『従軍慰安婦』に奴隷狩りのような強制連行の話を持ち込んだのが吉田清治であるが、それを広めたのは朝日新聞である。繰り返し吉田清治の嘘話を伝え、1992年1月11日付の朝日新聞に『慰安所 軍の関与示す資料』という暴露記事が出たが、軍の将兵を対象に慰安所が造られたので、軍が関与するのは当然のことである。軍は、慰安所の衛生状態を管理する必要があったし、業者に対して女性に過酷な扱いをしないよう指導もした。事実を調べもしないうちに宮澤喜一が総理大臣として、韓国に行って何度も謝罪した。歴史家の秦郁彦先生が1992年に済州島で現地調査を行い、強制連行はなかったことが分かった。しかもその済州島では、地元の新聞記者が調べて吉田清治の本が嘘であることがすでにバレていたのである。それが分かったのが1992年の5月で、宮澤喜一が総理大臣として謝罪した数カ月後のことだった。そうした嘘が明らかになりながら、1992年8月に世界女性会議が開かれ、松井やよりや福島みずほといった人達がけしかけて、河野談話に繋がった。1993年に河野談話が出されたが、これは韓国との政治的妥協であり、これを認めればもう問題にしないという約束で大袈裟な表現にした。河野談話は『いわゆる従軍慰安婦』と言っており、『従軍慰安婦』は正当な言葉ではないことを知っていた。これを踏まえて先程の教科書では『いわゆる従軍慰安婦』と書いている。教科書は正当な言葉ではないことを認めながら引用していることになる。こんなおかしなことはない。」と、いわゆる「従軍慰安婦」問題の歴史的経緯を解説されました。

チャンネル桜北海道キャスターで元北海道議会議員の小野寺まさる様

チャンネル桜北海道キャスターで元北海道議会議員 小野寺まさる様

 チャンネル桜北海道キャスターで元北海道議会議員の小野寺まさる様は、「私は中川昭一先生の直系の道議会議員だった。中川昭一先生がご存命の時に、日本中で中国が森林を買っているという話をよく聞くが、国に聞いてもそんな事実はないと答えるので、私に調べるよう言われた。中川先生が亡くなられ、私に課せられた宿命だと思い、この問題解決のために動いている。道議会議員のままだとなかなか情報発信ができないので、前回の選挙には出馬せず、この活動を続けている。皆さんにこの問題を知って頂きたいと思い、本日は北海道から参加した。北海道の土地等が中国に買われている問題にようやく皆さんが気付き始めた。それでもまだ中国の侵略がどんどん進んでいる。世界中で中国を警戒し始めている。オーストラリアではある島が中国に買われ、オーストラリア人が入れなくなり、大問題になっている。アメリカでは中国政府の留学基金委員会から来る留学生はスパイだとして、帰国させようという動きが出ている。しかし日本では、中国政府の留学基金委員会の日本担当が役員をやっている学校法人が北海道の学校を買い漁っており、日本の教育の世界にも中国共産党が入り込んでいる。世界銀行の総裁は、中国の一帯一路は、お金のない国にどんどんお金を貸して、最終的にはその国の社会資本整備を奪おうとしていると警告している。しかし北海道は一帯一路の波に飲み込まれており、北極海航路という新しい航路で、北海道は重要な拠点になっている。釧路と苫小牧はすごい勢いで貿易額が増えていて非常に危険である。なぜ北海道の土地を買うのか。まず水資源を狙っている。中国が買っていた土地の8割は水源地だった。世界銀行やネイチャーは中国の水は後数十年で枯渇すると言っている。水が無くなれば3日で国がつぶれる。次にエネルギーを狙おうとしている。実際に風力発電や太陽光発電、地熱発電を始めている。さらに安全保障上重要な土地を狙っている。道議会議員時代に、中国は礼文島のレーダーサイトの近くに土地を買おうとしていたが、阻止することができた。しかし、稚内のレーダーサイトの近くに広大な土地が中国に買われた。さらに、富良野の山の9割が外国資本に買われていると言われているが、上富良野の演習場が丸見えの場所を買われた。富良野のスキー場のすぐ下の広大な土地を買ったのは人民解放軍の元軍人だったことが分かっている。彼らは普通の人が買わないような土地を買っている。これより先に行けない土地を買われたら、それより先には日本人が立ち入れなくなる。多くの中国の要人が来日しているが、必ず北海道に立ち寄り、北海道の農産物を輸出するよう言っている。アイヌの問題は、中国共産党と密接につながっていて、アイヌ問題を利用して日本を分断しようとしている。」と、北海道における中国による土地買収の実態を解説され、警鐘を鳴らされました。

元国務大臣・衆議院議員の櫻田義孝様

元国務大臣・衆議院議員 櫻田義孝様

 元国務大臣・衆議院議員の櫻田義孝様は、「戦後の終止符を打つには憲法改正が必要だと思う。憲法改正なくして戦後は終わらないという思いを日本人の皆が持っていただけたらありがたい。これから憲法改正に関する勉強会を重ねていきたい。」と、改憲への決意を表明されました。

地方再生支援機構株式会社代表取締役社長の神山清明様

地方再生支援機構株式会社代表取締役社長 神山清明様

 地方再生支援機構株式会社代表取締役社長の神山清明様は、「私は元海上自衛隊のパイロットである。機雷とは陸の地雷と同じようなものだが、陸の場合は離れれば死ぬことはないが、海では水圧があるため、船の下で爆破させると水圧で一気に膨張して一気に収縮するので船は真っ二つに割れる。大きな戦艦であってもたった一発の機雷で轟沈する。海上自衛隊は機雷の敷設は得意であり、海峡を封鎖することで中国海軍を一切出られなくすることができる。機雷は掃海するのがものすごく難しい。中国の陸軍、海軍の兵隊の99%は泳げない。つまり船が沈んだら何もしなくても死んでしまう。機雷の利点は武器として安いことである。ハイテクな兵器がなくても中国軍を全滅させることができる。この機雷を実際には撒かなくても、撒いたと言って、潜水艦で一隻沈めればよい。今の機雷は潜水艦で黙って撒くことができるので、実際に撒いたか撒いてないかは分からない。一方、中国海軍は機雷をほとんど持っておらず、掃海する能力もゼロである。だから渤海湾に少し撒いて、出てくる艦船を一隻沈めるだけでいい。政治家が決断すれば、中国軍をあっという間に干上がらせることができる。機雷のもう一つの特徴は、半永久的に残っていることであり、特定の船を狙ったり、三番目に通過した船を爆破するなど、相手を選ぶことができるので、相手にはどこを狙っているか分からなくすることができる。最近は深いところに設置することができるようになり、浮き上がるときに目標のすぐ下に移動する。このローテク兵器であっても、例えば中国が尖閣諸島を占領しても、その周りに機雷を撒いて待っていればいい。そこで潜水艦が深深度から魚雷を打てばよい。日本の潜水艦は深深度から魚雷を打つことができるので、中国の潜水艦の位置まで浮上する必要はない。ローテクではあるが、機雷の敷設や掃海の能力は海上自衛隊が世界一である。このことで、少しでも日本を憂いている方々を元気付けられればと思う。」と、機雷による海上自衛隊の優位性を解説されました。

 

 最後に塾長は、「本日も大変素晴らしい講話を頂いた。日本は海に囲まれているから、守りやすい。その中では機雷は最も有効で安上がりな武器だと思う。私も深深度潜水艦から深深度魚雷を発射したり機雷を撒いたら良いということをエッセイにも書いてきた。いろんな方からいろんな話を聞くことで、本当はどうなのかを知る場にして頂きたい。」と感想を述べて会を締め括りました。