勝兵塾第104回月例会が、1月16日(木)にアパグループ東京本社で開催されました。
冒頭のアパグループ元谷外志雄代表による塾長挨拶では、「現在執筆中のエッセイのタイトルは『スレイマニ殺害は金正恩への警告だ』である。かつて中国は、金正日を中国に呼びつけて核開発を止めるように言ったが、金正日はこれを拒否したため、龍川駅で800トンものTNT爆薬で爆殺しようとした。しかし、誰かが爆殺計画をリークしたため、金正日はその列車に乗らず、爆殺は未遂に終わったが、それから慌てて未完成の核兵器の開発を進め、2006年に核実験を行った。アメリカは、イランが核兵器を造ってしまうとどうしようもなくなるから、その前に断念させようとしている。世界は核を巡るせめぎ合いであり、どんどん危うい時代になっている。膨張する中国は、アメリカと太平洋を二分すると言っている。このままでは、日本は中国日本自治区になりかねない。だから日本は、憲法を改正し、非核三原則を撤廃して、アメリカとニュークリアシェアリング協定を結び、抑止力としての攻撃力を持たなければならない。多くのメディアは間違った報道をし、学校では間違った教育をしてきた。もし香港でデモが起こらなければ、台湾はどうなっていたか? 香港を見て台湾の人々は教訓を得て、民進党政権を選んだ。アメリカは他の国のために自国民を犠牲にすることはできない。だから自分の国は自分で守るしかない。今なら何とか改憲の発議ができる状況にある。改憲を発議し、6カ月以内に行われる国民投票に向けて一大国民運動を起こして、憲法改正を実現しなければならない。このチャンスを逃すと、現行憲法の改憲条項に基づく改正はできなくなる。安倍総理が2021年で任期を終えれば、次の政権での憲法改正は難しいだろう。トランプ大統領が再選されて、安倍総理が自民党総裁選で4選して、任期を2024年まで延ばして憲法改正を実現しなければ、日本は取り返しのつかないことになるだろう。」と、東アジア情勢から憲法改正の必要性を訴えました。その後、1月13日にアパリゾート〈佳水郷〉で行われた新年祝賀会の模様を視聴しました。
衆議院議員の串田誠一様は、「皇位継承と憲法について話したい。明治憲法では、第一条に『大日本帝國ハ萬世一系ノ天皇之ヲ統治ス』とあり、第二条に『皇位ハ皇室典範ノ定ムル所ニ依リ皇男子孫之ヲ繼承ス』とある。一方、日本国憲法では、第二条に『皇位は、世襲のものであつて、国会の議決した皇室典範の定めるところにより、これを継承する。』とあり、皇男子孫と書かれていないことから、皇位継承は皇男子孫でなくてもよいという意見がある。日本国憲法は昭和21年11月3日に公布、翌5月3日に施行された。皇室典範の施行は同じ5月3日であるが、公布は同年1月16日だった。皇室典範を制定したのは国会であるが、当時の国会の議論では、皇位継承について、明治憲法の『皇男子孫』に限定されることは自明のこととされていた。つまり、明治憲法の条項が日本国憲法に引き継がれていると考えていたのである。したがって、日本の柱である皇位継承について、女性天皇を認めるためには、憲法を改正し、国民の総意を得なければならない。このことを日本政府は強く主張すべきである。」と、皇位継承と憲法の関係について、皇室典範の成立過程から解説されました。
歴史の真実を求める世界連合会副理事長の細谷清様は、「昨年出版した新刊『日本軍人が証言する戦場の花 朝鮮人慰安婦』について話したい。私達の団体は、グレンデール市に設置された慰安婦像の撤去を求めて訴訟を行ったりしてきた。今般、慰安婦について日本軍人の証言を集めて出版した。これまで自称元慰安婦の『お話し』はあったが、男性側の証言は公表されてこなかった。この証言を読めば、慰安婦の生の姿がわかる。さらに、米軍の尋問報告の全訳も掲載した。特によく引用される米国戦争情報局心理作戦班日本人捕虜尋問報告第49号の 『A “comfort girl” is nothing more than a prostitute or “professional camp follower” forced to be attached to the Japanese Army for the benefit of the soldiers. 』の記述について、これまで女性のためのアジア平和国民基金は、『慰安婦とは日本軍特有の語で、軍人のために軍に所属させられた売春婦の事を言う』と訳し、吉見義明の『従軍慰安婦資料集』は、『「慰安婦」とは、将兵の為に日本軍に所属する売春婦、つまり「従軍売春婦」にほかならない。』と訳し、李榮薫の『反日種族主義 日韓危機の根源』は、『慰安婦とは、日本軍に付属した職業的娼婦である。彼女たちは男性を弄ぶ方法を知っていた。』と訳している。しかし、英文をそのまま訳せば、『慰安婦は、兵士のために日本軍に付帯した売春婦であり、或いは「職業的に軍隊に追従する女性たち」以外の何者でもありません。』となる。このように、慰安婦があたかも日本軍に所属していたかのような歪曲が行われている。さらに、アジア女性基金HP掲載の訳文は、報告書の重要な点を半分も訳していない。本書についてアメリカでも英語版を出版していく。」と、慰安婦に関する米軍の資料が歪曲して翻訳されていることを示されました。
岐阜女子大学特別客員教授の矢野義昭様は、「アメリカの核の傘は破れ傘になっている。アメリカの中露に対する戦略核バランスが崩れてきている。今まで核抑止力については、全面的にアメリカに依存してきた。佐藤栄作政権で非核三原則ができたときの前提条件は、核軍縮、アメリカの核の傘、核の平和利用であったが、いずれも崩れている。2006年の時点でアメリカは、中国が先制攻撃に成功した場合、アメリカは3、000万人の損害であるが、アメリカが反撃しても中国は2、600万人の損害と推定しており、核バランスが崩れていた。保有する核弾頭数は、アメリカが6、450発、ロシアが6、850発、中国は280発とされているが、中国は実際には2、000発くらい持っていると考えられている。アメリカは中国、ロシア相手に核戦争はできない。米軍は、東アジアでは日本と韓国に戦力展開しているが、危ないから南方へ下げようとしている。日本が攻撃を受けても、1・5カ月から数カ月間は独力で守らなければならない。アメリカはあくまで日本を支援し、補完するのみである。日本にそれだけの備えがあるか? 日本の規模であれば、正規軍40万人に加えて、予備役80万人を動員できて当然であるが、全く足りない。したがって、日本独自の核抑止力を持たなければならない。大国に対して耐えがたい損害を与えるには、数千万人規模の損害を与えられる能力、すなわち核弾頭で200発から300発が必要である。フランスやイギリスはそれくらい保有している。それらの国々と同じ水準の核を持てば、国土を防衛できる。アメリカの核ともリンケージできるだろう。だから日本は核の引き金を持っておかなければならない。先の大戦の末期に日本も原爆実験に成功していたという話もある。日本にはプルトニウムもウランもあり、アメリカは、日本ならわずか数日で核武装ができると言っている。やるかやらないかは日本国民の意識次第である。」と、アメリカと中露の戦略核バランスから核武装の必要性について説かれました。
日本戦略情報研究所所長の林文隆様は、「日本は小さい国だと思うかもしれないが、ヨーロッパの中にあれば、国土面積でも大国と言える。また、日本は製造大国で、日本で生産しているものの多くは日本でしか作れないものばかりになった。世界では国際分業が行われているが、その中のキーパーツの多くを日本が製造している。現在の日本は、キーパーツと製造機械だけを売っていると言える。例えば、iPhoneの部品の90%は日本製で、製造機械も日本製である。1台当たり製造原価237ドルのうち、アメリカ製68ドル、日本製68ドルで、中国の手取りは8・5ドルである。ボーイング787の機体の50%は炭素繊維であり、炭素繊維や重要部品は日本製である。さらに世界のつり橋のロープ(鋼製高強度橋梁用ケーブル)は全て日本製である。一方、中国は超大国でも先進国でもない。中国の躍進はインフラ整備や社会福祉の資本を軍拡に投資しているだけであり、一帯一路は不良債権の焦げ付きだらけで国富を減損している。生産活動に寄与しない投資を減損処理すれば、中国は既にマイナス成長である。中国は、全土で自動車が通れない高速道路や島に繋がっていない橋、断崖絶壁で行き止まりの橋、砂漠の真ん中に建設されたビル群、入居企業の無いショッピングセンターなど、虚構の建設を続けている。中国のGDP構成比は、家計消費が39%であるのに対して総資本形成は43%である。他の国では家計消費の割合が50%から60%であり、中国も家計消費を60%としてGDPを計算すると、日本並みの水準になる。日経新聞の記者が中国統計局の役人に対して、GOPの伸び率と電力消費量、鉄道貨物輸送量の伸び率の矛盾について取材したところ、その役人は『上が見たいものを見せるのが仕事ですから』と答えたという。」と、中国の経済統計の歪さを指摘されました。
一般財団法人日本文化事業団代表理事の種田光一朗様は、「私は日本の文化を世界に発信する活動をしている。よく『日本文化』と言うが、文化とは一民族固有の風俗や習慣を言い、文明とは複数の民族に共有される風俗や習慣を言う。日本のアニメや食文化は、外国人の方が造詣が深いくらいであり、ヨーロッパの子供は日本のアニメを見て育っている。それは日本のアニメが、友情など深い精神性を持っているからである。こうしたことから、『日本文化』ではなく『日本文明』と認識すべきではないか。私が学校教育を受けていた頃は、日教組全盛期であり、世界四大文明として、メソポタミア文明、エジプト文明、インダス文明、黄河文明を習ったが、今ではこれが嘘だとわかっている。青森県の三内丸山遺跡で縄文土器が見つかり、放射年代測定法で測定したところ、1万7千年前の物であることが分かった。最近の考古学の発達により、遺跡の壁画や古文書から縄文時代の神代文字が出てきた。つまり、1万7千年前に日本に土器を焼く高度文明が存在していたのである。NASAがランドサットで地球の表面をスキャニングしているが、そこで分かったことは、北米だけで5万を超える盛り土があり、これらが古墳であるということである。シュメール文明では、楔形文字で20トンもの大型船の製造方法が記されていたが、シュメール人はこの大型船でインド洋を渡っていた。文明は現代に向かって一直線に発展してきたのではないのではないか。日本民族のY染色体の多くはD1であり、中国や朝鮮に多いのがOである。Dは約7万年前に枝分かれしてできたと言われている。旧約聖書のイザヤ書では、『五十数か所の東の島々に民を用意していて、神は新たな契約を結ぶ。』と書かれている。ユダヤ民族のY染色体はEかFであり、日本民族の方が古い。ユダヤ民族は、元々は父系であったが、現在パレスチナにいるユダヤ人は母系である。世界で最も古文書や民族のルーツに関する資料を収集しているのがバチカンである。現在バチカン図書館はNTTデータに依頼して、約8万冊の古代文献をデジタルアーカイブにしようとしている。このアーカイブのバックアップセンターを日本に持ってくれば、日本に全人類のルーツに関わる資料のデータがあるということになるため、日本に核兵器を落とすことは出来ないだろう。我々は、大和文明の発祥地が日本であり、日本に生まれたことの使命を自覚すべきである。」と、日本文明と日本民族のルーツについて語られました。
石川県議会議員の不破大仁様は、「神代文字は解読されているのか?」と質問され、種田さまは「ほとんど解読されているようである。」と答えられました。
勝兵塾事務局長の諸橋茂一様は、「縄文時代に日本では縄文土器を使い、食物を煮炊きしていたが、同じ時代にヨーロッパでは、狩りをして生肉を食べていた。当時の日本人は世界で最も高度な生活をしていたと言える。教えられていない真実が余りにも多い。真実を知れば日本民族はいつの時代も素晴らしいことがわかる。千年前に女流文学者である紫式部が54巻もの長編小説を書いたが、他の国では考えられないことであった。また、仁徳天皇御陵を実際に見ると、これが人力で造られたとはとても信じられない規模であることがわかる。大東亜戦争の真実についても知らされていない。現行憲法は大日本帝国憲法を改正したという体裁が取られているが、大日本帝国憲法第73条に定められた改正条項では、全ての条文を入れ替えることは想定されていなかった。しかも、『勅命を以て議案を帝国議会の議に付す』とあるが、昭和21年2月13日にはマッカーサー原案が出され、その後3月6日に昭和天皇が憲法改正の勅語を発せられた。つまり、昭和天皇の勅語の前に、すでにGHQによる憲法草案ができていたのである。さらに、GHQによる占領下での憲法改正は、ハーグ陸戦法規第43条に違反している。したがって、現行憲法第96条に則って改正できる見通しが立たない場合は、現行憲法の無効決議をすることも考えらえる。自主憲法を制定しなければ、真の独立国家にはなれない。」と、日本の素晴らしさと憲法制定手続の問題点について語られました。
最後に塾長は、「歴史は勝者が創るものである。そのため、日本の誇れることを全て否定することが教えられ、報道されてきた。しかし、本当はどうなのかを知れば、皆保守になる。真実を知る機会を提供するために勝兵塾を毎月3ヶ所で開催してきた。東京では第104回となり、勝兵塾が発足して8年8カ月になる。この間に、憲法改正や核武装が議論できるようになり、世の中は大きく変わった。勝兵塾も世の中の保守化に貢献をしてきたと言える。」と、勝兵塾の意義を語り、会を締め括りました。