勝兵塾第102回月例会が、11月21日(木)にアパグループ東京本社で開催されました。
冒頭のアパグループ元谷外志雄代表による塾長挨拶では、「今月号のエッセイのタイトルは、『憲法改正で国防軍を持つ決断を』である。その中見出しを紹介すると、『今回の香港の民主化デモに百万人が参加』『台湾が対中兵器として弾道ミサイルを開発』『改憲のタイムリミットは今の日米首脳在任の五年間』『日米安全保障条約を日英同盟と同様の双務条約とすべきである』『中国の野望を阻止するのは日本しかいない』である。また、私は毎年年頭所感を創っているが、来年度の年頭所感は、『異常低金利の極み 収益力を資金調達力に変え 感動の空間創造を求めて 限りないロマンに全力でトライし 願望は自ら実現する』である。最近アパグループは海外からも注目されており、先日は、韓国の国営テレビがホテル社長を取材し、ロシアのチャンネル1という国営放送のような放送局が私を取材した。ロシアのチャンネル1は私に対して、日本の現在の経済状況や格差・貧困問題の他、憲法9条やアメリカとの戦争について質問してきた。憲法9条については、『自分の国を自分で守るということは独立国家として当然のことであり、そのためにも憲法の改正が必要である。憲法9条が素晴らしいものというのであれば、なぜ世界の国々は憲法9条を採用しないのか?周囲を核保有国で囲まれている日本が平和を実現するためには、単に平和を念じるだけでなく、力の均衡が必要である。』と回答した。また、『日本はアメリカに対して宣戦したことは、重大な誤りだったと思いますか?』という質問に対しては、『日本がアメリカと戦争をしたのはアメリカが日本を戦争に追い込んだからである。その背景には、ルーズベルトがヨーロッパの戦争に参戦しないという公約を掲げて大統領選挙で再選を果たしながら、長引く不況の景気対策として戦争をしようとしたことがある。ルーズベルトは、イギリスとフランスのポーランド独立保証に対して裏保証をしたが、ヨーロッパ戦線に参戦する口実のために、日独伊三国軍事同盟を結んでいた日本を追い込み暴発させて、真珠湾を攻撃させたのである。日本が負ける戦争をしたのは誤りではあったが、開戦の根本的な原因はアメリカにあると言えるだろう。』と答えた。なぜロシアのチャンネル1が私にこのような質問をしてくるのか? それは、これまでアパは国内では話題になってきたが、インバウンドが増え、ホテル産業がドメスティックなビジネスからグローバルなビジネスになり、アパホテルの客室には英訳の付いた私の本が置かれており、それを外国人客が読むからだろう。勝兵塾は、東京だけでもこれまで102回に亘って多くの講師の方々にお話し頂き、多くの塾生に参加して頂いたことで、日本の保守化に大きく貢献してきた。さらに、第1回『真の近現代史観』懸賞論文で、田母神俊雄航空幕僚長(当時)が最優秀賞を受賞したことで大きな話題となり、日本の覚醒につながった。中国は軍備を増強し、海洋覇権を目指している。日本は憲法を改正してこれに備えなければならないが、安倍総理の思うペースで改憲が進んでいない。自民党内にも改憲は次期尚早という声もある。しかし、本来ならサンフランシスコ講和条約を締結したときに改憲をやるべきだったのであり、早いということはない。このままでは中国に飲み込まれてしまう。日本は観光大国を目指すべきである。私は世界82カ国を訪れ、日本ほど素晴らしい国はないと感じている。日本にまだまだ観光客が来てもおかしくない。先日パリを訪れたが、フランスには外国人が年間9、000万人来ているという。日本は人口減少を心配しているが、インバウンドが増えれば需要が増えていく。」と、今月号のApple Townに掲載されるエッセイの内容や、先日行われたロシアの放送局「チャンネル1」からの取材の模様を紹介されました。
スタンフォード大学フーヴァー研究所教授の西鋭夫様は、「アメリカに足かけ50年いるため、アメリカのことをよくわかっている。トランプはアメリカ・ファーストで当選した。日本の安倍総理はなぜジャパン・ファーストを前面に出さないのか? アメリカではこの何十年も日本がニュースにならない。アメリカで大問題なのは、共和党と民主党が市民戦争をやりそうな状況だということであるが、日本ではその緊迫感が伝わっていない。日本人はトランプのことをわかってない。トランプは中国と長期にわたって貿易戦争をやるつもりだ。スタンフォードの工学部の大学院に来ている中国人留学生がスパイだと言われたが、実際にスパイである。中国がなぜ10年でこれだけ進歩したか? すべてアメリカから盗んだ技術があったからである。アメリカ全土の小中高校、大学に孔子学院がたくさん創られたが、今は廃止されていっている。日本では、アメリカのニュースはCNNばかりが出てくるが、CNNはフェイクニュースで共産主義の塊であり、CNNを見ていてもアメリカの現状を理解できない。アメリカの野党である民主党の無様な恰好は、日本の野党と同じである。トランプはあれだけいじめられているが、何とも思っていない。大統領選挙のとき、誰が安倍総理にヒラリーが勝つと言ったのか? 日本の大使館や外務省はアメリカの何を見てヒラリーが勝つと言ったのかと思う。トランプが日本について発言したのは自動車と国防についてだけである。日本はもっとトランプのところに押しかけて、喧嘩をするべきである。アメリカではアメフトが人気であるが、弱いチームが強いチームに対してNever Give Upの精神で何度も立ち向かっていく姿が讃えられる。日本もジャパン・ファーストを前面に出してアメリカと闘わなければならない。安倍総理はトランプと仲が良いが、もっとトランプと喧嘩をすべきだ。また、プーチンを放っておかず日本に国賓として招待すべきだ。習近平を国賓にしている場合ではない。」と、ジャパン・ファーストを前面に出した外交の必要性を指摘されました。
衆議院議院の馳浩様は、「1995年3月20日は地下鉄サリン事件が起きた日である。私は国会で超党派のオウム真理教対策議連の会長をしている。本日参加されている三ツ林先生は、当時は医師として被害者の手当てをされた。オウムの後継団体は3つあり、今も信者や資金を増やしているという。オウム事件を過去の話として終わらせてはいけない。そのためにも、住民、警察、公安、自治体が連携して、後継団体の動きを監視していく必要がある。」と、オウム真理教の後継団体に対する監視の必要性を訴えられました。
議員立法支援センターの宮﨑貞行様は、「12月には衆議院の解散総選挙があると噂されている。安倍総理には党総裁選で4選を果たし、憲法改正を進めてほしい。ただ、改憲が上手くいかない場合、憲法停止という奥の手がある。国会は国権の最高機関であり、議員立法を提案審議する、内閣立法を審議する、国会決議をする。国勢調査する、といった4つの権限があるが、議員立法は低調である。せめて国会決議を行い、内閣に新しい政策を促すことが必要であり、米韓も頻繁に決議を行っている。例えば、香港の自治と人権の確保を求める決議。アメリカではすでに上下両院で審議、決議が行われた。さらに、河野官房長官談話の無効を求める決議、朝日新聞の社長に対外謝罪を勧告する決議、竹島不法占拠に対する経済制裁を勧告する決議、教科書検定基準から近隣諸国条項の撤廃を求める決議、中朝韓の工作活動に関する報告を求める決議、逮捕された日本人の釈放を求める決議、ロビー活動公開法の制定を求める決議も必要である。特に外国の利益を図る代理人の国内における活動について、半年ごとにその活動内容と経費、出所などを届け出ることとするべきだ。米国にはすでに同種の法律がある。また、日中記者交換公文(1974)の公表を求める決議、国防動員法を持つ国の国民の活動の制限を求める決議も必要である。日本に居住する中国人、韓国人は国防動員法により破壊工作に協力する義務を持つため、入国、移住を制限し、ビザの厳格化、土地保有の制限、居住状況の報告を義務付ける必要がある。プライマリーバランス(閣議決定)の廃止も求めるべきである。統合政府で見ると国債発行残高は着実に減っており、財務省の言う借金の増大による財政破綻は嘘である。プライマリーバランスがデフレの原因である。また、自衛隊法、海上保安庁法に部隊行動権限規定を置くことを求めるべきである。自衛隊や海上保安庁で個々の警察官の正当防衛などを規定した警察官職務執行法を準用するのは間違いであり、侵略の態様に応じた部隊としての武力行使の権限規定を置くべきである。将来的には、憲法廃止の国会決議に向けて準備をすべきである。現憲法と日米安保条約は表裏一体であり、アメリカが安保条約の失効を1年前に通告してきたとき、直ちに国会は、三分の二以上で、現憲法の廃止を決議するべきである。また、尖閣への侵略時などに米軍が協力しないときも、同様である。これに向けて、米国と周到にシナリオを打ち合わせることが必要である。こうした国会決議が進まないのは、自民党の国会議員が公認権を持つ幹事長の意向を忖度するからだろう。国会は政府よりも強力な独立組織という自覚がない。国会決議ができなくても、まずは少数の議員集団が発表し、世論を喚起することが外交圧力にもなる。国会の対応があまりにも遅いなら、地方議会から狼煙を挙げる必要がある。アパ日本再興財団は、嘘を暴き真実を明らかにするTHINK‐TANKであったが、これからは、国会や地方議会を動かしていくためのDO‐TANKが必要である。」と、国会決議を活用した外交や政策の推進について、具体的な提言を交えてご説明されました。
この他にも、軍事ジャーナリストの鍛冶俊樹様、衆議院議員の三ツ林裕巳様、衆議院議院の木村次郎様にもご参加頂きました。
最後に塾長は、「本日も大変意義深いお話を伺うことができた。本当はどうなのかを知るために勝兵塾で議論を深めてほしい。」と発言して、会を締め括られました。