塾長・最高顧問 元谷 外志雄
勝兵塾第37回月例会が、6月19日(木)、アパグループ東京本社会議室にて開催されました。
はじめに、6月2日(月)にアパホテル〈東京潮見駅前〉で開催された、「アパグループ創業43周年 『誇れる祖国日本 復活への提言Ⅱ』出版記念並びに代表バースデーイブの会」のDVDを視聴しました。DVDの中で、アパグループ代表元谷外志雄塾長による開会の挨拶では、「『Apple Town』を23年4ヶ月に亘って発行し、毎月連載しているエッセイも262回を数える。金沢にいるときから、報道されていることがおかしいのではないかと思い、様々な提言をしてきた。今年で創業43周年を迎えたが、この6年間で世の中が相当変わった。一昨日、田母神氏がツイッターで『日本真正保守党』の立ち上げを宣言した。中韓だけが日本から最も大きな支援を受けながら、日本を非難している。これも日本の経済力が弱いからであり、強くなれば再び擦り寄ってくるだろう。日本経済を立て直すため、田母神氏には経済政策を前面に出して安倍自民党の先を行く砕氷船となることを期待している。」と話されました。また、第29代航空幕僚長の田母神俊雄様による勝兵塾三周年記念特別講演は、「真正日本を創るために」と題して、「今の日本の政治の状況を見ていると、自民党が公明党の支援を受けているうちは、安倍総理がいくら頑張っても日本を取り戻せないと感じる。公明党が与党内野党となって足を引っ張っている。だから健全野党が必要だと考えた。一昨日、ツイッターで政党を立ち上げると発信した。名前は『日本真正保守党』と決めたが、他はまだ何も決まっていない。私は大きなことを言うことで自分を追い込んでいく。日本は戦後経済復興を遂げ、世界第2位の経済大国となったが、その間に多くのものが壊された。日本は未だに自分の国を自分で守ることができない。足を引っ張っているのがマスコミだが、マスコミは占領時に検閲が行われ、プレスコードに縛られ、しかも未だに縛られ続けている。戦後は『連合国は良い国、日本は悪い国』でなければならなかった。だから日本のマスコミは反日になった。アメリカとうまくやりながらも、独立国として自分の国を自分で守れるように自衛隊を自立させるべきだ。普通の国がやっていることは様々な障害を乗り越えてでもやるべきである。私は安倍総理の砕氷船として、自民党の右に柱を立てるために政党を作る。」と新党結成への熱い思いを語られました。
DVD視聴に続き、塾長による開会の挨拶では、「アパが6年前に懸賞論文制度を創設し、田母神氏の論文が最優秀賞に選ばれたことが騒動となり、そこから日本の保守化が始まった。さらに辿れば、その始まりは『Apple Town』である。こうした活動を靖国神社から大変感謝され、『Apple Town』に是非広告を出したいという申し出を頂いた。田母神氏が先日ブラジルで講演を行ったが、ブラジルの日系人の方が日本人よりも日本人らしく、ブラジルの日系人の中に日本人の原型がある。日本がおかしくなったのは、先の大戦で日本があまりにも強かったため、アメリカが再び日本が立ち上がれないよう、日本の弱体化を図ったからである。ペリリュー島の戦いでは、敵将が最後まで戦った日本兵に対して賛辞を贈った。そういう日本人が少なくなってしまったが、日本は本当は誇るべき素晴らしい国である。サンフランシスコ講和条約締結によってプレスコードは失効したと言われるが、未だにメディアはプレスコードに縛られている。プレスコードに関するエッセイを産経新聞に広告として掲載した際も、12日間やり取りしてようやく掲載することができた。プレスコードの各項目を見ると、なぜ日本でこういうおかしな報道が行われているのかが良くわかる。反日メディアは戦後敗戦利得者であり、自ら売国奴という意識を持っているだろう。かつてフランスがドイツの占領下にあったときにドイツに協力したフランス人は、独立後は周りから売国奴として迫害を受けた。戦後敗戦利得者が保身のために作ったのが、東大法学部を頂点とする偏差値エリートによるステレス複合体である。戦争当時のことを知っている人が死に絶えてしまわないうちに正しい歴史を知る必要があり、ここ5年、10年が大事なときである。田母神氏が『日本真正保守党』を立ち上げるにあたり、経済重視で行くようアドバイスをしている。日本の強みはソフトパワーであり、国防予算をどんどん増やして軍事大国になる必要はない。GDPの1%以内でも、防衛用兵器を攻撃用兵器に置き換えて抑止力とすれば、十分にバランスオブパワーを確立できる。前向きに経済力を建て直し、本当の歴史を取り戻す、安倍自民党の砕氷船としての役割を果たすことを期待している。」と、反日メディアと未だにメディアを縛るプレスコードの存在について語られるとともに、田母神新党への期待を示されました。
衆議院議員の松原仁
衆議院議員の松原仁様は、「私は早稲田の出身だが、OBに杉原千畝がいる。杉原千畝はユダヤ人にビザを発給して逃がしたことで多くのユダヤ人の命を救った。ユダヤ人に話を聞くと、民族の恩人をとても大切にしている。ユダヤ人はユダヤ教の起源や民族の歴史を重んじ、伝統というものが強烈な自負につながり、世界におけるエネルギーとなっている。一つの集団にドラマがあると大きなエネルギーになる。神話の無い民族は滅びると言われている。私は昨年『アニマルマインドと新・帝国主義』という本を書いた。ケインズは『一般理論』の中で、『アニマルスピリッツ』という言葉を使ったが、経営者が経営判断を行う場合には、需要曲線と供給曲線から決まる数理的な判断だけではなく、その根底にはアニマルスピリッツ、すなわちドラマがある。このことは個人でも国家でも同じで、ドラマがあれば大きなエネルギーになる。松下幸之助は学校に行きたかったにも拘らず父親が相場で失敗して丁稚奉公に出されたとき、学校に行く子供達を見て涙した。もし松下幸之助にこうした原体験がなく、順風満帆に大学に行っていたら、松下電器はできなかっただろう。原日本人がブラジルにいるという話があったが、戦時中ブラジルでは日系人は日本語を話すことを禁じられた。しかしそれを乗り越えて今でも日本語を話している。だから日本人より日本に対する愛情が強いのだ。最高法規を作るときも、大きなドラマが必要である。フランスでもアメリカでも大きなドラマを乗り越えて憲法ができた。今の日本国憲法にドラマはあるだろうか?ドラマがなければ力を発揮することが出来ない。東京都知事選で田母神氏が大きな票を得たのも都民がドラマを求めていたからである。国境のある国は緊張感を持つが、日本は戦後国境を意識することは無かった。しかし排他的経済水域が定められたことで、擬似的な国境を持つようになった。竹島や尖閣の問題をきっかけに、若い人を中心に国家を愛する心へ回帰している現象は、この新しい国境に起因している。この勝兵塾が起点となってこのドラマが波及していくだろう。」と、日本人が共有するドラマの必要性について熱く語られました。
近現代史研究家でジャーナリストの水間政憲
近現代史研究家でジャーナリストの水間政憲様は、「配布した『諜防』と題された資料(注:長崎に落ちた原爆の不発弾をソ連大使館に引き渡したという内容)は、外務委員会で、遺棄化学兵器について松原氏が質問する際に使ったものである。瀬島龍三のサインがあり、公安第二部長の菅沼氏は本物であると言っていた。ソ連との交渉の通訳によれば、『原爆は日本に3発落ちた。不発弾である1発をソ連に寄贈するのは、アメリカが原爆を独占すれば日本はアメリカに隷属するが、ソ連が持てば大国同士の争いの中で日本が復活できる可能性がある』と瀬島氏が言っていたという。元谷代表が産経新聞に大きく『プレスコード』について載せたことはすごいことだ。遺棄化学兵器問題は中国の言いなりになると何兆円もの金を毟り取られる。日本では無名であるが、中国では『ザ・レイプ・オブ・南京』の著者であるアイリス・チャン以上にネットでアクセスされた海南友子という日本人がいる。彼女は中国の主張に沿った遺棄化学兵器問題に関するドキュメンタリー映画を作り、全米各都市で上映会が企画されていた。私は海南友子を名指で批判してこの企画を潰した。保守は報復を恐れて個人攻撃をしようとしないが、それではダメだ。韓国はワールドカップで日本のユニフォームを旭日旗だとして禁止するよう各国に言っている。また、韓国国内では旭日旗禁止の法案を通そうとしている。戦時中は韓国でも旭日旗に対する憧れが強かった。韓国では恩が仇になる。中国・韓国は他のアジア諸国と別枠で考えるべきである。」と、遺棄化学兵器問題をはじめ様々な歴史問題に関する言論活動について語られました。
公共行政学博士・Information & Infrastructure Technologies, Inc.顧問の高橋克彦
公共行政学博士でInformation & Infrastructure Technologies, Inc.顧問の高橋克彦様は、「コロンビア大学を出てアブダビからリクルートされ、アブダビで都市計画に携わるようになり、それ以来ずっと海外で仕事をしてきた。外から日本を見てきたが、イギリス人もドイツ人もアメリカ人もなぜ日本は独立しないのかと思っている。今の国会で集団的自衛権について議論されているが、出ている政治家は言語学者なのかと思えるくらい、言葉の端々を問題にしている。元谷代表が言われるように日本人の敵は日本人であると言うのは正しいと思う。」と、海外から見た日本に対する印象について語られ、「海外で日本企業の海外進出やリスクマネジメントについてアドバイスをしてきた。財政制度等審議会では、日本経済の活性化のためにインフラを海外に輸出しようと提言がなされている。インフラ整備に民間資金を活用する手法として日本ではPFIという方式があるが、海外ではBOTという方式が一般的である。熊谷組はタイの第二高速道路をBOTにより開発したが、タイ政府は国有化したいと考え、トラブルになった。私がタイの内務大臣と親しくなり、タイ政府が買い取ることで解決した。日本企業が海外進出する場合、ローカルスタッフを使えず、物事がわかっていないでマネジメントしているのでトラブルになる。」と、企業が海外進出する場合のリスクについて語られました。
学術博士・国際大学グローコム客員教授の青柳武彦
学術博士で国際大学グローコム客員教授の青柳武彦様は、「集団的自衛権を巡る国会での論戦を見ると、日本国がどうあるべきか、憲法がそれに合っているのかという本質論から外れ、枝葉末節のことばかり議論している。日本の法律は成文法主義であるが、自然法を軽視して理屈に合わないことをしている。日米安保条約第5条では日本が武力攻撃を受けた場合について具体的なコミットメントはない。オバマ大統領はシリア問題の時と同様に議会に相談したら日本を助けてくれないだろう。ヴァンデンバーグ決議では『自助の精神』と『相互援助』が原則となっており、集団的自衛権を否認するとこの決議に反することになる。このように、日本が他国から武力攻撃を受けても、アメリカ国民と議会は武力行使をして日本を守ることはないのである。中国は25年間で軍事費が40倍になったが、その中には新兵器の開発費用は含まれていない。それにも拘らず、日本では集団的自衛権について限定的容認などと言っている。これまで一党で議席数が3分の2を超えたことがない。憲法を改正して正々堂々とやるべきだと言う人は、集団的自衛権に反対しているのと同じである。一方で、憲法9条の解釈を変えようとしているから限定的容認などということになる。だから自然法は成文法に優先するとして、自然法を根拠に自衛権を認めればよい。グレーゾーンについて公明党が反対しているが、自衛隊の手足を縛るような法律は通さない方が良い。」と、集団的自衛権を巡る議論について持論を披露されました。
戦後問題ジャーナリストの佐波優子
戦後問題ジャーナリストの佐波優子様は、「元谷代表が言われたように、戦争を体験された元兵士の方々のご存命である時間も残り短いと実感している。不定期で『祖父達の戦争体験をお聞きする孫の会』をやっている。戦後生まれの私達からは想像もつかない話が聞ける。ミャンマーに行った方は、『戦争中、兵士達は亡くなったら靖国神社に祀られ、家族がお参りに来てくれると思って亡くなっていった。靖国とは別に国立慰霊追悼施設ができて皆そこにお参りするようになると、戦友達が可愛そうだ』と言っていた。ニューギニアに行った方は、『戦時中に亡くなった兵士は大東亜戦争という言葉しか知らない。だから戦友に語りかけるときは太平洋戦争ではなく大東亜戦争という言葉を使ってほしい』と言っていた。」と、元兵士の方々から聞いた話を紹介されました。
最後に塾長より、「様々な観点から『本当はどうだったのか?』『どうするべきなのか?』を追求していくことが必要である。集団的自衛権や憲法改正について話題になった。先日改正国民投票法が成立したが、憲法改正の手続はあっても、『第9条』となると両院で3分の2の同意を取るのはほぼ不可能だろう。改憲不能憲法をアメリカは日本に押し付けたのである。安倍総理は96条の改正で過半数の同意で改正できるようにしようとしていたが、最近話題にならなくなった。集団的自衛権は議論すればするほど制限ができる。そこで現憲法を破棄し、自主憲法を制定すべきである。維新の会が分裂したのも、自主憲法制定と憲法改正という大きな違いがあったからである。ここはしっかりとどういう意図を持ってこの憲法が作られたのかを学ぶ必要がある。」と自主憲法制定の必要性について語られ、会を締め括られました。