
塾長・最高顧問 元谷 外志雄
勝兵塾第29回月例会が、10月17日(木)アパグループ東京本社6階会議室にて開催されました。
冒頭のアパグループ代表、元谷外志雄塾長の挨拶では、「安倍首相の所信表明演説は、『世界の中心で再び活躍することができる。そうした未来への『希望』が、確実に芽生えています』『積極的平和主義こそ、わが国が背負うべき21世紀の看板である』と、大変素晴らしい内容で、安倍政権が長期政権となり、その間に日本が真っ当な国にならなければならないと思う。民主党の海江田代表は安倍首相を『独裁者』などと批判していたが、民主党政権下での数々の問題は皆さんもよくご承知でしょう。」「原発問題は原油問題でもある。これまでシーレーンはアメリカが守り、日本はその一端を担うだけだったが、シェールガス革命でアメリカが原油の消費国から産油国となれば、石油の9割弱を中東に依存する日本が、シーレーンの防衛を引き受けていかなければならない。日本の原発技術は世界最高であり、事故のあった福島第一原発は米国製であるのに対して、より震源地に近い女川原発は日本製であるが無傷で耐えた。原発を停止しても核燃料は中にあり、リスクは同じで維持経費もかかる。原子力規制委員会は菅直人元首相が原発を止めるために作ったものであり、メンバーを全員入れ替えなければ原発を再稼動することはできない。」「小泉元首相の『原発ゼロ』発言も、『原発ゼロなら国会議員を纏められる』というだけの話で、まさにポピュリズムである。政治家は自らの考えを持ち、世論に阿るだけの『世論調査政治家』になってはいけない。今週の夕刊フジのコラムのタイトルは、『日本に『原発ゼロ』の選択肢なし』『小泉元首相は世論調査政治家か?』である。」と、安倍首相のリーダーシップへの期待と、原発問題の本質について語られ、小泉元首相の発言を批判されました。
駐日フィリピン大使館特命全権大使のマニュエル・M.・ロペス
駐日フィリピン大使館特命全権大使のマニュエル・M.・ロペス様は、「3ヶ月程前に安倍首相がマニラを訪問し、アキノ大統領と会談し、日本とフィリピンの戦略的パートナーシップを強化することを約束した。日本とフィリピンは国交樹立から57年であるが、5世紀前にはすでに交流があり、日本人が移り住んでいた。アメリカ統治時代にも、多くの日本人が農地の開拓を目的として移住してきた。」「日本は強力なパートナーとして我々の経済成長を助け、技術の提供や自然災害への対処など、多くの支援をしてくれた。さらに、日本はフィリピンにとって重要な貿易国であり、日本からの投資額も大きい。人の交流も盛んであり、日本フィリピン経済連携協定によって、両国の経済交流がより親密になる。」「安全保障においても共通の価値観や利益を持っており、両国間で協力関係を強化していくことが確認された。フィリピンからの要請で、日本が巡視船10艇を提供してくれる予定である。南シナ海(西フィリピン海)について、国益のために、『我々のものは我々のもの』と強く主張している。この点については、政治的、外交的、合法的という三つの観点から幅広いアプローチを取ってきた。」「アジア太平洋の時代において両国が戦略的に絆を深めることで、アジア太平洋全体の平和と繁栄に良い影響をもたらす。」と、日比関係の深さと将来の展望について語られました。
鳥飼総合法律事務所代表弁護士の鳥飼重和
鳥飼総合法律事務所代表弁護士の鳥飼重和様は、「憲法の下で法律の根拠なくしては課税できないことになっており、税法とは本来、納税者を守り、課税庁の権限を制約するものである。税務手続を定めたのが『国税通則法』であるが、税理士の試験科目から除外されている。税務調査で多大な成果を挙げているのは、納税者が税法を知らないからである。黒字で税金を納めている企業は26%以下であり、会計を税金の計算や税金を取るためにしか使わず、企業を成長させるために使っていない。税収を上げるために企業を育成する官庁がなく、税金を取るだけである。中小企業を黒字化していかに税金を払ってもらうかを考えなければならない。納税者を痛めつけるような税務調査ではなく、育成する視点が必要である。そのために弁護士と税理士がタッグを組んで、税務調査を正常化させなければならない。現在税務訴訟では5~10%しか勝てない。その原因は、不利益な証拠は国側にあり、不利益な状態からスタートしているからである。申告の段階から証拠をちゃんと作っておく必要がある。今般創設した『税務調査士』という資格を通じて税務調査を正常化していきたい。」と、税務調査の問題点と正常化の為の取り組みについて語られました。
人民日報日本支社長の韓暁清
人民日報日本支社長の韓暁清様は、「日本と中国の文化は切り離すことができない。中国から様々な文化が日本に伝わり、今の日本の文化の中に中国の古代の文化が多く残っている。明治維新以降は、中国に対して日本が大きな影響を与えた。私は日本に来るまでは中国での教育の影響で日本に対して恐怖感を持っていた。しかし日本人と交流すると皆、日本が大好きになる。私は中国に向けて正しい日本を発信していき、多くの中国人を招いて日本を見てもらおうとしている。私は日本に来て、代表と会って心が開けた。それまでは中国の立場に立っていたが、戦うのではなくお互いが理解することが大切だと感じた。」「民主党政権時代に、津波や原発事故など大変なことが起こったが、原発事故は人災である。政治はパフォーマンスではない。命を懸けられなければ政治家になってはいけない。安倍首相の姿を見ていると強いリーダーシップを感じる。独裁者と言われても良い。民主主義が行き過ぎると、賛否両論で何も決まらない。国づくりには強いリーダーシップが必要である。民主党政権時代に中国との関係が悪くなったが、国が弱ければ外交力はない。日本の国力、経済力が強くなれば皆握手をしてくる。民主党はパフォーマンスが多くて精神力がなかった。命を懸ければ原発事故は止められたはずである。」「中国人はこの20年間で心が汚染され、拝金主義になった。私は非常に危ないと思っている。欲望は無限であり、悪い知恵がどんどん出てくる。尖閣諸島はあってもなくても生活には関係がないのに、必要のないエネルギーを使っている。日本人は、中国人と交渉するならもっと中国のことを知るべきである。」と、日中関係のあり方や政治家の信念について熱く語られました。
日刊スポーツ新聞社常務取締役の宇留間和基
日刊スポーツ新聞社常務取締役の宇留間和基様は、「朝日新聞社での記者時代に感じていたことであるが、日本文化を表す言葉の中に明らかに死語になってしまった言葉がある。それは『卑怯』という言葉である。1980年代半ばに『葬式ごっこ』が話題になったが、そこでは生徒だけでなく教師も一緒になって生徒をいじめた。1970年代くらいまでは『卑怯』という言葉があり、けんかをするときは1対1でやるものであり、2対1でやると徹底的に攻撃されたものである。なぜ『卑怯』という言葉がなくなったのか。それは戦後民主主義のせいだ。全共闘時代は高校生だったが、ホームルームで『目的のために手段を正当化するのか』という討議をした。『卑怯』という言葉は手段を正当化しないが、レーニンは明らかに目的のために手段を正当化した。その影響で大人の世界から『卑怯』という言葉が消えたのである。最近上杉謙信がクローズアップされている。上杉謙信は義の人と言われているが、『戦は人の弱みに付け込んでするものではない』と言っている。皆で『卑怯』という言葉を復活させよう。」と、日本文化から失われた「卑怯」という言葉の復活を訴えられました。
第29代航空幕僚長の田母神俊雄
第29代航空幕僚長の田母神俊雄様は、「小泉元首相は、『原発のない状態でも日本はやっていける』『原発によって核のゴミで日本はいっぱいになる』と言っていたが、原発を稼動させれば核にゴミでいっぱいになるというのは嘘である。世の中には嘘が溢れている。中国の軍事力が日本と比べて圧倒的に強いように言われるが、後10年くらいは、中国は日本を侵略することはできない。日本は物理的に戦力を持っていても、政府がそれを使う決断ができるか否かが問題である。中国もよくわかっているので、中国が日本を狙うときは日本政府に決断させないように、情報戦を仕掛けてくるだろう。またミサイルが怖いと言われているが、核弾頭を積んでいない限りミサイルは怖くない。ミサイルに当たって死ぬ確率は交通事故で死ぬ確率よりはるかに低い。福島第一原発の放射能でも健康被害は全くないのに、騒ぐと儲かる人がいるから騒ぐ。多くの人は情報化社会の中で嘘の情報に騙され、踊らされている。」と、世の中に氾濫している「嘘」について語られました。
スタンフォード大学フーヴァー研究所教授の西鋭夫
スタンフォード大学フーヴァー研究所教授の西鋭夫様は、「日本はアメリカの植民地であり、アメリカの許可なしに自衛隊を動かすことは出来ない。そろそろ独立すべきではないか。お金だけ取られて、私達の生活が全然楽にならない。安倍首相には訪米したらトンボ帰りせず、30分でもいいから演説会や食事会をすべきだと伝えた。フーヴァー研究所で演説してはどうかと言ったら、安倍首相は、『フーヴァー研究所は共和党だからオバマが怒るだろう。』と言った。それが日本の首相が言う言葉なのか。」と、アメリカからの真の独立を強く訴えられました。
戦後問題ジャーナリスト佐波優子
戦後問題ジャーナリスト佐波優子様は、「学校では、日本軍は上官が自分達だけが助かろうとしていたと教えていた。しかし元兵士の方から話を聞くと、そうではないことがわかる。南方の戦場にいた元兵士の話では、栄養失調で倒れていたときに仲間の兵士は自分の食料まで分け与えてくれたと言う。また私の友人が元特攻隊の方から聞いた話では、上官が自分達を部屋に呼んで特攻隊の希望者だけ一歩前に出るようにと言ったら全員前に出たため、その上官は皆にもう一度良く考えて紙を提出するよう伝えたところ、翌日には全員が『熱望』『切望』と書いた紙を出したと言う。このように旧日本軍には自分だけが助かろうと思った人はいなかった。」「予備自衛官の訓練で、防毒マスクをつけて催涙ガスが充満したテントに入り、そこでマスクを外した。マスクを外すと激しい痛みで辛い状態になったが、テントの中で中隊長は全ての部隊の訓練中、ずっとマスクをせずに見ていた。皆が大変な思いをしているときに自分だけが外にいてはいけないと思ったからだという。今日本を守っている自衛隊の人々も自分達が進んで一番大変な思いをする旧日本軍の伝統を受け継いでいる。」と、自ら進んで大変な思いをしようとする日本人の姿勢について語られました。
武心教育経営塾塾長の近藤建
戸塚ヨットスクール校長の戸塚宏
武心教育経営塾塾長の近藤建様は、戸塚ヨットスクール開校37周年を祝う会の告知をされ、戸塚ヨットスクール校長の戸塚宏様は、「中曽根首相は臨教審を立ち上げ、日本中の英知を集めて教育改革を行おうとしたが、未だに教育荒廃の理由がわかっていない。成果が出る方法が正しい方法であり、私は成果を出してきたが、皆は否定した。選挙のときに教育が争点にならないのはおかしい。イギリスのサッチャーは左翼をクビにしたことで教育改革は成功した。体罰が話題になっているが、マスコミには体罰反対派ばかり出てきて私のところには取材が来ない。体罰がかわいそうなのは今だけのことで、将来目的は達成される。このままでは日本が潰れてしまう。もう時間がない。」と日本の教育のあり方に強い危機感を示されました。
セントルイス大学教授のサー中松義郎博士
セントルイス大学教授のサー中松義郎博士は、日比関係について、「戦時中、日本軍は血を流してフィリピンをアメリカから独立させた。日本の外務省や政治家はこうしたことを全く教えていない。」と補足されました。
新しい歴史教科書をつくる会副会長の岡野俊昭
新しい歴史教科書をつくる会副会長の岡野俊昭様は、「韓さんの話はとても素晴らしかった。是非政治家になって今の中国を正してほしい。」「世界中で日本をダメな国だと言っているのは中国と韓国の2カ国だけである。海外でも日本の戦前の教育は素晴らしいと賞賛されている。これを取り戻すために、教師の養成方法や教科書を変えていく。日本の敵が日本人であってはいけない。」と日本の戦前の教育の素晴らしさについて語られました。
最後に塾長より、「先日、78カ国目となるパキスタンを訪問した。大統領主催のパーティーではメインテーブルに唯一の日本人として座った。首相との対談は都合が合わず実現しなかったが、商務大臣や有力財閥のオーナーとも対談した。私は外国を訪れる際にはその国最高の有力者とアポを取ろうとしている。私はどこに行っても誰と会っても泰然としている。アジアで日本の支援を受けなかった国はないのだから、日本人は海外でももっと胸を張って主張すべきである。来月の座右の銘は『研ぎ澄まされた 叡智を力に 美しく生きろ』である。昔の日本人は美しく生きようとし、卑怯者と言われるのが最も恥ずかしいことと教えられてきた。11月に実施される台湾への研修旅行では李登輝閣下との対談が決まった。李登輝閣下ともしっかりと自分の意見を伝えることで強い連帯感ができた。皆さんも自分の思うところで正々堂々と美しく生きてほしい。」と、人生の美学について語られ、会を締め括られました。