第76回 勝兵塾月例会レポート

塾長・最高顧問 元谷 外志雄

塾長・最高顧問 元谷 外志雄

 勝兵塾第76回月例会が、9月21日(木)にアパグループ東京本社で開催されました。冒頭のアパグループ元谷外志雄代表による塾長挨拶では、「今月号のエッセイの写真には、安倍総理とトランプ大統領が並んだ写真を選んだ。かつて安倍総理以外にアメリカの大統領と並んで堂々としていた日本の総理大臣はいただろうか? トランプは本気で北朝鮮への空爆を決意したと考えられる。それは、公開限定空爆だろう。北朝鮮を空爆すれば核攻撃してくることを心配する人がいるが、北朝鮮は核攻撃はできない。アメリカの核戦力は北朝鮮の一万倍以上であり、北朝鮮が核を使用すれば確実に壊滅的な核反撃を受けるからである。アメリカは金正恩の命は狙わず、金政権の存続を認めるが、ICBM関連施設や原爆関連施設のみを破壊しようとするだろう。攻撃場所と期間を公表し、その場所から退避通告を行うとともに、外国人観光客や在韓米国人をソウルから避難させた上で、巡航ミサイルやB‐1爆撃機による爆撃、バンカーバスターによる空爆を行い、地下施設を破壊する。さらに北朝鮮が三八度線からソウルを攻撃した場合には、デイジーカッターで地上の長距離砲等の施設をなぎ倒し破壊すると通告しておく。1994年に第一次朝鮮半島核危機が起こったが、そのときはカーター元大統領と金日成が会談して、北朝鮮が核開発を停止することで危機を収めた。しかし、金正日は体制維持のためには核が必要だと考えて、金日成の路線と対立した。金日成は心臓発作で死去したとされているが、金正日が金日成を排除したと考えられる。当時の韓国大統領の金泳三は、ソウルが火の海になることを恐れて、アメリカに爆撃を止めるよう懇願した。私は2002年と2009年に金泳三元大統領の自邸に招かれて、その後も交流を深めたが、金泳三は『アメリカが北朝鮮を攻撃することに反対したがあれは失敗だった。』と語った。あのときに反対したことが今の北朝鮮による核開発に繋がったのである。民進党の代表に前原氏が選ばれて離党が相次ぎ、小池新党もまだ体制が整わない今、国内外の状況から解散に打って出れば、自民党が圧勝して改憲勢力で三分の二以上を確保できると安倍総理は確信したのだろう。北朝鮮の危機が高まっている今こそ、選挙で圧勝して憲法改正を実現すべきである。」と、北朝鮮情勢の解析と今後の見通しを披露されました。続けて、9月15日に開催されたアパ情報館開業記者発表会の模様を視聴しました。

学校法人日本航空学園理事長の梅沢重雄様

学校法人日本航空学園理事長 梅沢重雄様

 学校法人日本航空学園理事長の梅沢重雄様は、「アパグループが伸びているのは、元谷代表が信念を変えず堂々と志を持って企業経営をされているからである。政治の目的はしっかりした国力をつけることであり、国力とは経済力×軍事力×精神力である。教育はこの精神力を付けるものである。教育の存在は、西郷隆盛の『偶感』で詠われているように、日本の文化、精神を残すためには玉砕しても構わないという志にある。戦時中は日本の国体を守るために命を懸けて戦ったのである。教育には『善く育てたい』という目的があり、『世界諸国民国際的共存の現状に於て、『世界の平和と人類の福祉』に貢献せんとする我が祖国民の協力の世活を如何に導くべきか』という点に存在理由がある。良い学校とは教育勅語をしっかり教育する学校である。海外には宗教があるが、日本にはどういう日本人に育てたいのか、どのような国にしたいのかがない。国民精神の威力によって文化を伝えるのが教育である。吉田松陰は『身はたとひ 武蔵の野辺に朽ちぬとも 留め置かまし 大和魂』と辞世の歌を残した。今の高校は大学への進学ばかり考えている。さらに国立大学が税金を使って反日教育をやっている。私は毎朝国旗を掲げ、航空従事者を育てているが、技術を学ぶ専門学校には補助金が出ない。技術があっても大学にはなれないのである。しかし、日本航空学園には、航空従事者になりたいとしっかりした目的を持った子供達が集まっている。今最も大切なことは、愛国心を教え、国家防衛教育をすることである。靖国神社には日本の為に戦って尊い命を捧げた方々が祀られている。しかし、天皇陛下もお参りにならなくなり、総理も大臣も外国に迎合して参拝しなくなった。安倍総理は国民に迎合せず、憲法改正がなぜ必要なのかを堂々と説くべきであり、日本の正論をしっかり述べるべきである。」と、教育の意義と目的についてふるわれました。

明星大学特別教授の髙橋史朗様

明星大学特別教授 髙橋史朗様

 明星大学特別教授の髙橋史朗様は、「アメリカにいる日本人子女が歴史教科書を理由にいじめを受けている。現地から総理宛に嘆願書が届いたため、外務省に調査が指示されたが、いじめはないという報告が上がった。私はサンフランシスコやロサンゼルス、ニューヨークに行ってアンケートを実施しようとしたが、門前払いを受け、領事館が間に入って話し合いをしたが、結局アンケート調査はできなかった。アンジェリーナ・ジョリーが監督をした『アンブロークン』という映画があるが、これは日本兵の食人のシーンがあるなど、ひどい内容である。これが中学校で上映されたり、韓国の寸劇を見せられたりといった、とんでもない教育が行われている。子供達に反論できる資料を与えるべきだと日本人学校に言ったが、使用しているのは東京書籍の教科書で、日本で最もシェアが高いという理由で日本から送られてくるのだという。ユネスコの『世界の記憶』登録について、一昨年、中国は南京大虐殺の登録に成功した。国際諮問委員会は出来レースになっている。前回は、慰安婦問題は通らなかったが、それはユネスコが中国に共同申請を奨励したからである。そして4月10日には8か国が共同で『日本軍『慰安婦』の声』資料を申請した。おそらく登録小委員会は国際諮問委員会に登録を勧告しただろう。アメリカの公文書館やイギリスの戦争博物館に所蔵されている文書は慰安婦が強制的に性奴隷にされたことを立証する資料とされているが、実際には慰安婦が性奴隷であったことを否定するものである。ユネスコに対しては、対話を要請している。6月24日付朝日新聞では、ユネスコは『政治案件』を審議対象から外す方針だと報道された。『世界の記憶』制度改善に関する専門家会合は、疑義が呈された申請案件への対応として、①共同申請、②異なる見解を含んだ登録の合意、③合意が得られない場合には最長4年間の対話を継続、という三つの調整の可能性があることを事務局長に勧告した。これに従えば、『政治的案件』の登録は先送りするべきであるが、ユネスコからは回答が来ない。共同申請は、日本の慰安婦制度をホロコーストに匹敵する戦争悲劇にしようとしている。私は歴史認識問題研究会を立ち上げた。保守系団体が国連に行くようになる、その30年前には左翼団体や左翼弁護士が国連に行っていた。これから若手を育て、反論する資料を英文で海外に発信していく。」と、アメリカでの歴史問題を背景としたいじめや、ユネスコでの「慰安婦」の登録について問題を指摘され、その取り組みについて語られました。

衆議院議員の三ツ林裕巳様

衆議院議員 三ツ林裕巳様

 髙橋様の話を受けて、衆議院議員の三ツ林裕巳様は、「アメリカでの実情に対して、国、あるいは政治家としてどのような手立てがあるか」と質問され、髙橋様は、「自民党の勉強会にも参加しているが、まずは日本の子供達に反論できる教材を提供していく必要がある。日本語学校では日本語の補習だけでなく、日本の歴史や文化の発信拠点としての位置付けで、歴史についても補習を行うべきである。日本政府はこれまで外国に遠慮してプロパガンダ戦争に負けてきた。外務省を後押しするような動きをしていくべきである。」と答えられました。

衆議院議員の櫻田義孝様

衆議院議員 櫻田義孝様

 衆議院議員の櫻田義孝様は、「教育再生実行本部長をやって教育改革に取り組んできた。日本は電器製品や車は産業として成功してきたが、足りないのは航空産業や宇宙産業である。今の教育は金持ちに有利にできている。私は人の一生を決めるのは能力より性格であると考えている。優秀な官僚だった宮澤喜一は日本の伝統を潰した。国会議員の学歴で最も多いのは東大であるが、総理大臣では東大出の人はあまりいない。総理になるためには世界に対する洞察力のある人物である必要がある。東大に入るためには幼少期から勉強をしているが、代表のような方こそ教育のバイブルではないかと思う。私は、元は大工職人で、明治大学の夜学に通った。父は農家だったが、私は天候に左右され、自分で作ったものの値段を自分で決められないような仕事は嫌だと考えていた。しかし、政治家になり、政治家としての仕事の評価を選挙で人に決められるのであり、農家と同じだと感じている。」と、教育の本質について語られました。

米国籍弁護士 株式会社ワールド・ウィズアウト・ボーダーズCEOのジェームス・ニコラス・パパトネス様

米国籍弁護士 株式会社ワールド・ウィズアウト・ボーダーズCEO ジェームス・ニコラス・パパトネス様

 米国籍弁護士 株式会社ワールド・ウィズアウト・ボーダーズCEOのジェームス・ニコラス・パパトネス様は、「トランプ大統領が当選できたのはポピュリストだったからであり、彼は話をするときに相手に合わせて巧みに主張を変えてきた。北朝鮮は日本列島を核攻撃で海に沈めると言った翌日にICBMを発射した。約3、000㎞飛び、Jアラートを鳴らして、避難を余儀なくさせた。北朝鮮ははじめに威嚇してそれから実行することで、核武装の意思を示している。制裁をものともしていない。物事を外から見ることが大事である。プーチンの演説では、『誰でもフセインやカダフィがどうなったかを知っている。核開発を放棄したことで殺された。北朝鮮はこのことを覚えている。だから核保有に強い意志を持っており、制裁しても無駄である。』と言っている。安倍総理はトランプ大統領と近く、プーチン大統領とも近いが、見方にバイアスがかかっている。習近平は北朝鮮に対してどのように反応しているか。中国はICBMを撃墜する演習を行っており、これまで3回やっていずれも成功している。この精度はアメリカと並ぶものである。実践では撃墜後すぐに地上軍が化学兵器を使って北朝鮮を圧倒するだろう。北朝鮮の6回目の核実験の後にこの演習をして迎撃ミサイルを実践配備している。中国の軍事専門家は、強い力を示すことで最大の抗議をしていると言っている。地域の安定のため、中国は防衛する力も意志も持っている。現在のアメリカは、断固として一貫して臨む姿勢に欠けている。ティラーソンやマケインはそれぞれの意見を言っているが、混沌としていて困る。アメリカは結束すべきである。」と、北朝鮮問題に対するアメリカやロシア、中国の立場からの見方を紹介されました。

新しい歴史教科書をつくる会顧問の杉原誠四郎様

新しい歴史教科書をつくる会顧問 杉原誠四郎様

 新しい歴史教科書をつくる会顧問の杉原誠四郎様は、「教育勅語は戦後占領軍によって廃止され、徳目に価値がないとか言われたが、道徳教育が強化されたことで、徳目も復活した。教育勅語が創られたときは宗教哲学については書かないとされていたが、当時は金持ちを除いて国民には選挙権がなかったため、選挙民としての徳目、すなわち公共心が書かれていなかった。だから今の学習要領にも公共心がなく、「公民」の教科書で公共心について書いているものは自由社と育鵬社だけである。教育勅語に公共心が書かれていないことについてどう思われるか」と、梅沢様へ質問されました。梅沢様は、「教育勅語の中に、『一旦緩急あれば義勇公に奉じ以て天壌無窮の皇運を扶翼すべし』という言葉がある。これが日本を戦争に導いたと批判されるが、国家だけではなく、国民も公共精神を持つべきだということを意味していると考えている。」と答えられました。

加賀電子株式会社代表取締役会長の塚本勲様

加賀電子株式会社代表取締役会長 塚本勲様

 加賀電子株式会社代表取締役会長の塚本勲様は、「本日初めて勝兵塾に参加して大変勉強になった。メディアの報道はちょっとひどいと感じている。日本がどうあるべきか、危機に際してどうするべきかを考えていかなければならない。」と感想を述べられました。

NPO法人アジア共同体推進協会理事長の福田之保様

NPO法人アジア共同体推進協会理事長 福田之保様

 NPO法人アジア共同体推進協会理事長の福田之保様は、「私は日韓親善協会で韓国との交流に携わってきた。1979年4月5日に韓国の国会議事堂の周りにある桜を寄贈したのも私の活動によるものである。また共産党や社会党とは裁判で戦い、勝ってきた。朴槿恵前大統領の辞任は容共勢力の仕組んだ陰謀であるが、このことを外国人記者クラブで発言して、韓国で話題になった。韓国では反日教育が問題だとして、韓国の中で親日教育をやろうという動きも出てきている。しかし、文在寅英政権は容共親北政権であり、自由主義勢力を弾圧しようとしている。安倍政権が解散することに対して朝日をはじめ、大義がないと批判しているが、国を守るという大義がある。こうしたとんでもない報道を潰していかなければならない。」と、韓国の情勢について解説されました。

 

 最後に塾長は、「北朝鮮のミサイルが、アメリカには届かないが日本には届くようになり、水爆まで持ってしまった。核兵器は使用される兵器ではないが、非保有国に対する威嚇になる。日本は威嚇に耐え続けて言いなりになっていてよいのか。金泳三は『あのときは失敗だった、攻撃を認めるべきだった』と言っていた。ここは多少の犠牲は出たとしても、アメリカは北朝鮮を空爆すべきである。ここで妥協してしまったら、いずれ多核弾道弾が開発されて取り返しのつかないことになってしまう。その前に核関連施設を破壊すべきである。ただし、北朝鮮は緩衝地帯として残すべきであり、不都合な政権でも金正恩を残すべきである。しかしアメリカは北朝鮮が水爆やミサイルを高性能化することを許さないだろう。こうしたことを今月号のエッセイに書いたので是非読んで頂きたい。」と、北朝鮮への空爆の必要性を改めて強調された後、12月に計画されているハワイへの海外視察研修旅行の案内をされて会を締め括られました。