
勝兵塾第48回月例会が、5月21日(木)アパグループ東京本社会議室にて開催されました。
冒頭のアパグループ代表元谷外志雄塾長による開会のご挨拶では、「本日の産経新聞の記事によれば、NPT(核不拡散条約)最終文書案に『被爆地訪問』の文言を復活させるべきだという日本の主張に対して、26カ国が日本を支持している、という。戦後の諸問題は、アメリカによる原爆投下から始まっている。アメリカは原爆投下の呪縛に囚われており、プレスコードや日教組などで教育とメディアを縛り、日本人を『軍国主義者』と『一般国民』とに分断した。しかし、当時の原爆投下の必要性を日本が認めることで、アメリカの呪縛を解くべきだ。戦争末期にはアメリカによる軍事援助でソ連が軍事モンスター化し、世界赤化との戦いが始まっていた。アメリカは議会機密費で造った原爆を投下するために、原爆の完成まで、日本の国体護持を曖昧にすることで戦争を引き伸ばした。当時のバーンズ国務長官は将来の世界赤化との戦いを見越し、日本にとっては不幸なことであったが、原爆を投下して熱戦を冷戦に変えた。NPTは不平等な条約ではあるが、必要なものである。日本を取り巻く情勢を見ると日本は核保有国に囲まれており、『二度あることは三度ある』ということが現実となる可能性がある。だからニュークリア・シェアリングで日本がレンタル核を保有することで、核バランスを保つ必要がある。先日、アメリカのケネディ駐日大使が広島を訪れたが、いずれアメリカ大統領も広島を訪れることになるだろう。そうすればアメリカから多くの人々が訪れるようになる。政府は訪日外国人数の目標を、オリンピックまでに2、000万人としていたが、私は以前から2、500~2、600万人はいくだろうと言っていた。すると政府は2、500万人へ目標を上方修正した。現在、訪日外国人数は大変な勢いで増えている。この背景には円安効果が大きい。やはり時のリーダーの政策が大切であり、安倍政権には是非長期政権としてこれからも頑張ってもらいたい。」と、戦後の国際情勢をアメリカによる原爆投下から説き起こされるとともに、安倍政権へエールを送られました。塾長挨拶に続き、6月2日に開催される出版記念パーティーで放映される予定の、塾長の著書『理論近現代史学』のイメージ映像が披露されました。

内閣総理大臣補佐官・衆議院議員の木村太郎様は、「日本の総理は1年のうち100日国会に出席している。しかしこれは世界の非常識であり、世界の大統領や首相は1年のうち2、3週間しか国会に出席せず、残りは担当大臣に国会対応を任せて外交に力を注いでいる。安倍総理は限られた時間の中で、日本の味方を増やすために外交に力を入れてきた。先日米国上下両院合同会議で演説され、帰国後国会で報告をされたが、野党は言葉尻を捉えてつまらないことで総理を責め、大筋での中身の議論をしない。」「私も2月に総理の親書を持って東ティモールを訪問した。東ティモールは21世紀になってから独立した国で、それまでインドネシアに支配されていた。今の政府の要人達が当時はゲリラ戦をして独立を勝ち得た。しかし独立して間もないため、世界の最貧国の一つとなっている。政府関係者の話では、独立したときに多くの国々が支援してくれ、中国は材料も人も中国から持ってきて建物を造ってくれたが、日本はなるべく現地で資材を調達して、人も現地の人を教えながら使って建物を建ててくれたと、日本の支援を大変評価してくれた。こうした支援のあり方を他の国や地域に対しても大切にしていきたい。」と、安倍政権の外交への取り組みと総理補佐官としての活動について語られました。

ハイチ共和国大使館臨時代理大使のジュディット・エグザビエ様は、「ハイチは『カリブの真珠』と呼ばれており、もともと『ハイチ』とは『美しい自然』という意味である。ドミニカとハイチが同じ島の中にある。元々インディアンが住んでいたが、1492年コロンブスの発見以来、スペインがアフリカから黒人奴隷を連れて来た。17世紀にはフランスが来て植民地化したが、1804年に世界で初めて黒人国家として独立した。2010年にマグニチュード7・0の大地震が発生し、23万人が亡くなり、人口が1、030万人に減った。国民の95%がムラートであり、残りが黒人である。公用語はフランス語とクリオ語であり、宗教は80%がカトリック、16%がプロテスタントである。経済は農業のほか、精糖や紡績が盛んである。カラフルな色が好きで、世界的に有名なアーティストが数多くいて、音楽も盛んである。またカリブで最も美しい海岸を持ち、観光立国を目指している。ハイチに来れば素晴らしさがわかるので、是非皆さんにも来て欲しい。」と、ハイチ共和国について紹介され、その魅力をアピールされました。エグザビエ代理大使の講演の後、自民党広報本部長・衆議院議員の馳浩様より、先日のキューバとアメリカとの歴史的な和解に関するハイチへの影響について質問があり、エグザビエ様は、「ハイチとキューバは地理的に近いが、歴史的には仲が良い関係であり、影響はない。」と答えられました。

衆議院議員の松原仁様は、「『国』というのは国民の衣食住を保全するのが大きな役割であるが、それ以上に国民に名誉や誇り、熱い情熱を与えるものであると思う。この両者はいわばハードとソフトのようなものだ。古代ギリシアのペリグレスは、『アテナイのことを家のかまどのことと思えない者はアテナイ人ではない』と言った。民主主義は多数決が原則であるが、形式的な多数決では十分ではなく、パトス(情熱)が必要である。日本はこうしたソフトを失い、実用的なことしか考えなくなった。我が国の貧困はそういうところにある。顕在意識と潜在意識があるが、それらが一致したときに大きなエネルギーが生まれる。それは個人だけでなく国家においても同じであり、それらを一致させるのが政治家の使命である。人類の発見には三大発見と言えるものがある。それは『一神教』、『民主主義』、そして『式年遷宮』であると私は考える。国体の中心である伊勢神宮を二十年毎に壊して移すということは世界に類を見ない。シュムペーターは『創造的破壊』と言ったが、企業経営において創造的破壊をしていない会社は衰退する。国家においても『創造的破壊』が必要であり、式年遷宮がそれに当たる。明治維新も国家の創造的破壊であった。」と、国家の役割と国民の意識のあり方について語られました。

第29代航空幕僚長の田母神俊雄様は、「沖縄県知事が普天間移設反対をアメリカで訴えると言うが、民主主義を誤解しているのではないか。少数意見、弱者の意見ばかり尊重しているが、多数意見はそれ以上に尊重されなければならない。沖縄のことに関しては、真実が伝わって来ない。沖縄の人々の多くが普天間基地を県外へと言っているように伝わっているが、辺野古への移設に反対と言っている人は、実際には現状維持を求めているのである。『最低でも県外』と言えば、現状維持派と基地反対派の両方の支持が得られ、知事はこの両方を利用している。本当に県外への移設を望んでいるのは圧倒的少数である。」「反戦地主は土地収用法で土地を取り上げられているかのように言われている。軍用地主が約30、000人いて、その約1割が反戦地主であるが、反戦地主が所有している土地の面積は合わせても20m×100mに過ぎず、一番小さい人で、名刺の半分くらいの大きさの土地の所有者が75人もいる。私が平成9年に沖縄へ赴任したときに聞いた話だが、これらの人々の地代が半年で4円であり、この4円を払うのに880円の手数料がかかっているのである。これはただ国のやることを邪魔しようとしているだけである。しかも、反戦地主の半分以上は沖縄に住んだことのない人達であるが、日本のマスコミはこうしたことを報道しない。本土の新聞社は沖縄に印刷所を置かないことになっており、本土の新聞の朝刊は沖縄では夕刊になる。また本土の新聞社は沖縄の琉球新報や沖縄タイムスのビルに間借りしている。これは左翼グループの情報戦であり、真実を伝えるマスコミになって欲しい。」と、沖縄の基地問題に関する歪められた報道と真実について語られました。

釘島総合法律事務所所長の釘島伸博様は、「仕事柄、私のところに来る方は悩みを持っている方ばかりである。中には鬱や引きこもりの相談もある。最近病んでいる人が増えているのは、今の社会に適応できないからである。病んでいる人は心優しい人であり、戦後の日本が欧米のように自己主張する社会になってきたために適応できなくなったのである。しかも、日本人には合わない法律がたくさんできている。ストーカー法やセクハラ法もそうであるし、夫婦の揉め事にも警察が介入するようになっている。なぜ日本人が病んできたか。それはGHQが、戦後日本人に誇りを持てないよう教育改悪をしたからだ。トインビーは、『民族の歴史を忘れた国民は滅びる。』『理想を無くした国民は滅びる。』と言っている。今の日本人は、『日本人がどういう国民であるか』という問いに答えられない。なぜなら、教えられていないからである。日本は神の国であり、太陽は命のシンボルである。その太陽の下、生きとし生けるものが共存共栄し、全ての命に八百万の神を見出すのが日本人である。本当に国民一人ひとりが大和魂に気付き、心の中に抱え込んでいけば、日本は変わる。今の日本は人の道理を教えず、自由主義、個人主義ばかりを教えた結果、自己中(じこちゅう)ばかりになってきた。我々の業界でもクレーマーが問題になっている。日本人は本来思いやりや感謝、おもてなしの心を持っている。日本人はすばらしい民族であり、その誇りを国民が持たなければならない。目先の生活が豊かになることしか考えていないが、魂の喜びを感じられるようになるためには、日本人の大和魂を復活させ、日本中に行き渡らせていくことが必要である。」と、日本人としての心の持ち方について語られました。

日本海軍艦上戦闘機(零戦)オーナーの石塚政秀様は、「私は日本で唯一飛行可能な零戦を所有している。27年前にニュージーランドで永住権を取得し、貿易会社を営む傍ら、2001年からはフライトジャケットを製造販売してきた関係で、空軍関係者や大戦機コレクターと知り合い、米軍の航空訓練にも参加したり、2003年にはドイツ、フランス、イギリス、アメリカのエースパイロットを集めてシンポジウムを開いたりもした。そうした関係から、ある日本の自治体から零戦を探して欲しいという依頼があり、アメリカの知人を通じて零戦の買収契約を結んだ。しかし2008年9月に起こったリーマンショックにより、その自治体が買収契約から離脱したが、私はどうしても零戦を里帰りさせたいと思い、私財を投じて2年以上の時間と3億5千万円をかけて零戦を取得し、毎年2千万円の維持費をかけながら8年かけて里帰りさせた。里帰りが遅れたのは、2011年のニュージーランドの大地震と東日本大震災の影響があったためであり、昨年日本に戻すことができ、現在は鹿屋基地で保管している。日本の外から見ていると、見せ掛けの平和と豊かさの中で、日本が危ういと感じる。私は零戦を日本で飛ばすことで、明治時代から150年の間に作り上げてきた先人の思いを知り、日本を夢のある国にしたいと思い、これまで資金を負担しながら頑張ってきた。(真実の)近代史を学ばない限り日本に先はない。正しい歴史認識を世界にアピールしていかなければならない。」と、零戦に対する思いと日本で飛行させるための取り組みについて語られました。また、石塚様の講演に先立ち、特攻隊の遺書を紹介した映像『神風特別攻撃隊員達の遺書』を視聴し、特攻隊員達の国を護る思いと家族や恋人への深い愛情に、参加した塾生は皆、強く心を打たれました。石塚様の講演に関して、セントルイス大学教授の中松義郎博士からは、「先ほどの話で『零(ゼロ)戦』と言っていたが、『ゼロ』は敵国語であり、正しくは『零(れい)戦』である。また、『21(にじゅういち)型』というのも、正しくは『21(に・いち)型』である。始めの数字は機体番号を、次の番号はエンジン番号を意味している。」と、ご指摘がありました。
最後に元谷塾長より、「『永遠の0』ブーム以来、戦争で死んだ祖父について調べてみたり、靖国神社へ参拝しようという人達が増えている。戦後『特攻隊は犬死だった』などと言われてきたが、本当は特攻隊の攻撃によって、米軍兵士が恐怖の余り心身症になり戦えなくなり、敵の艦隊に大きな損害を与え、決して無駄死にではなかった。アメリカは原爆に匹敵する予算を投じて近接信管を開発したことでゼロ戦による被害を最小限に留めるようになったが、それでも特攻機の20%は米軍に何らかのダメージを与えたと言われている。映画『永遠の0』で宮部機が海面スレスレを飛行し、近接信管を備えた米軍の弾が海面に反応して自爆する中、直前で急上昇し、艦上を真っ逆さまに急降下する映像があったが、これは航空母艦は横からダメージを受けてもすぐに復元されるが、飛行甲板にダメージを受ければ戦線離脱を余儀なくされるためで、特攻隊は大変な決意を持って臨んだのだと思う。アメリカは暗号を解読し、敵の動きを知り、レーダーの性能も日本をはるかに上回っていたため、日本はミッドウェイ海戦で大敗した。そういうことがほとんど封印され、これまで明らかにされて来なかった。そろそろ本当のことを知らなければならない。『本当はどうなのか』ということを、今度出版する『理論近現代史学』の中で明らかにしているので、6月2日の出版記念パーティーに多くの方々にご参加いただきたい。」と、特攻隊の本当の戦果について触れられながら、真実を知ることの大切さを説かれて会を締め括られました。