
塾長・最高顧問 元谷 外志雄
勝兵塾第65回月例会が、10月20日(木)にアパグループ東京本社にて開催されました。
冒頭のアパグループ元谷外志雄代表による塾長挨拶では、「来月号の『Apple Town』のエッセイでは、『真実後(ポスト・トゥルース)の政治』について触れている。メディアの責任は非常に大きく、イラク戦争では、チェイニー副大統領がイラクに大量破壊兵器があると言って戦争を始め、フセインを殺したが、後から大量破壊兵器はなかったことがわかり、イギリスのEU離脱では、ボリス・ジョンソン氏が、イギリスがEUに対して莫大な分担金を負担していると主張して、離脱賛成派が国民投票で勝ったが、実際の負担額はその三分の一だった。このように当初は嘘でも結果が出てしまえば、その後で反省することはない。原発の放射能についても、一生の累計で100ミリシーベルトを被ばくした場合でも、生涯においてがんによる死亡率が0・5%しか上昇しない。一方、喫煙や毎日三合のお酒でも、がんによる死亡率が1・6倍の放射能を一生の累計で100ミリシーベルトを被ばくした場合の320倍も増える。豊洲の地下水についても、基準値を超える有害物質が出たと報じられているが、飲料水として使用するわけではないため、飲料水の基準と比較するべきではなく、また、その飲料水も毎日2リットルを70年間飲み続けても人体に害が出ないことが基準になっている。民主党政権時には、法的根拠もなく中部電力の浜岡原発を停止したことで、全国の原発が停止し、毎年4兆円もの国富が失われている。私は第四の権力であるメディアを監視する機関が必要ではないかと考えている。」「真実を知れば皆、保守になると言って来たが、勝兵塾も東京、金沢、大阪で累計150回を超え、日本の保守化に大きく貢献してきた。これまで近現代史は先の大戦後のプレスコードや贖罪意識を植え付ける教育などに焦点が当てられてきたが、私は近現代史における大きな転換点は2回あり、その1回目が明治維新であると考えている。明治維新についても『勝てば官軍』『勝者が歴史を創る』として、薩長史観を学んできたが、幕末に遡って近現代を洗い直すべきではないかと感じている。」と、メディアによる誤った報道の弊害を指摘されるとともに、近現代史を見直す新たな視点を示されました。

モルドバ共和国大使館特命全権大使 ヴァシレ・ブマコフ様
モルドバ共和国大使館特命全権大使のヴァシレ・ブマコフ様は、「代表は現実主義的な経営者であるが、モルドバは、かつては計画経済であり、その後遺症で現在も苦しんでいる。どんな国も完全に公正であったり、効率的であったりすることはなく、不完全なものであり、今の状態に安住することこそが最大の敵である。オックスフォード大学からの紹介でマルクス経済の教授達と議論をしたが、面白いのはその中でマルクス経済の社会で過ごしたことがあるのは私だけだったことである。マルクスもエンゲルスもより良い社会を目指したし、アダム・スミスやリカードよりも優れていたと思うが、その理論の名の下に多くの人々が殺されるようなことはあってはならないことである。日本に来て6か月になるが、日本はうまく現実と理論を調和させて豊かな社会を実現していると思う。現在世界的に経済が停滞しているが、最も大切なことは和であり、真摯に働く気持ちである。日本には福沢諭吉のような思想哲学があり、外圧をうまく活かしてきたことが今日の繁栄につながった。ソ連はマルクス主義の社会主義経済から、これから数世代の時間をかけて普通の社会になっていく。現在は情報が瞬時に伝わり、国境というものが意味を失くしている。そのために大切なものが失われているのではないか。文化や伝統を大切にすべきである。日本は技術的な革新ではグローバルなパワーであるが、教育面では、日本語はかなり難しく、日本が競争力を持つ上でハンディになるのではないか。人口動態についてはヨーロッパでも少子高齢化が深刻な問題となっており、移民については違った価値観や文化の人々が増えることが深刻な問題となっている。日本はすでに経済的にも技術的にも成功しており、勤労の気持ちや互いに尊重する和の心を大切にするべきだろう。」と、社会主義経済から資本主義経済へ移行しようとしているモルドバの取り組みについて語られました。
衆議院議員 佐々木紀様
衆議院議員の佐々木紀様は、「アパグループの創業地である小松市は私の選挙区であり、代表は高校の先輩でもある。アパの快進撃は誇りであり、いつも勇気付けられている。元谷代表からは正しい歴史観や高い精神性を持つことの大切さを教えていただいている。元谷代表は経営者というよりはオピニオンリーダーだと言える。今回のリオ・オリンピックでは日本人の精神性が現れたことで過去最多のメダル獲得という大きな成果を得た。その背景には、『人間力の向上なくして競技力の向上はない』として取り組んできたことがある。体格のハンディをはねのけて世界で勝つためには高い精神性が必要である。」「私は北陸新幹線の延伸とともにスポーツGDPの向上に取り組んでいる。これはスポーツを産業として成長させ、GDP600兆円の達成に貢献していくことを目指したものである。例えば東京オリンピックのバレーボール会場として計画されている『有明アリーナ』は必要な施設ではあるが、コスト意識も必要である。施設を多目的に活用することで、インフラとしてのストック効果を高めるべきである。日本のスポーツ産業は20年前には5兆円だったのが、今は4・5兆円に減っている。一方アメリカは、その間に15兆円から60兆円に増えている。日本のGDPを増やす上で、スポーツは重要であり、スポーツを産業としてGDPに貢献する仕組み作りに取り組んでいる。北陸新幹線は昨年開業して未だに開業効果が続いている。2023年に敦賀まで延伸する計画だが、早く京都、大阪につなげなければならないと考えている。年内にルートを決めて、早く着工、開業させたい。」と、スポーツの産業としての成長の意義を語られました。
衆議院議員 菅家一郎様
衆議院議員の菅家一郎様は、「セルロースナノファイバー(CNF)の活用に取り組んでおり、自民党で議員連盟を立ち上げてその事務局長を務めている。セルロースは古くから紙として利用されてきたが、それをナノレベルに精製することで次世代の素材として活用されることが期待されている。CNFは、軽量だが鉄鋼並みの高い強度であり、石英ガラス並の低熱膨張、可視光の波長より微細である。高リサイクル性で再生可能な資源であり、安心・安全な天然物であるという特徴を持っており、車や家電製品の外装、電子光学製品やフィルターなどの分離材料、増粘剤などへの利用などが期待されている。CNFの生産や研究開発に、製紙会社を中心に多くの企業が取り組んでいる。CNFの実用化に向けて産学官が連携して取り組んでいる。」と、次世代の素材として期待される、CNF活用への取り組みを紹介されました。
参議院議員・自由民主党政調会長代理 片山さつき様
参議院議員・自由民主党政調会長代理の片山さつき様は、「現在は混迷の時代であるが、日本経済はGDP600兆円に向けて成長できる。ローレンス・サマーズのような天才達は、『人類はフロンティアを失った』と言っているが、これは間違っている。一億総活躍社会を目指しているが、この人類が体験したことのない急速な高齢化の問題を解決することができれば日本は世界のトップに立てる。人類はこれまでフロンティアを失ったことはない。例えば温暖化によって、ロシアではこれまで牧草が生えなかった地域に牧草が生えたり、小麦の品質が向上したりしている。このようにフロンティアは常にある。だから怯まずに成長を目指していくべきである。」と、日本経済の成長の可能性を力説されました。
慶應義塾大学経済学部教授 塩澤修平様
拓殖大学客員教授で新しい歴史教科書をつくる会副会長 藤岡信勝様
米国ソムリエ協会認定ソムリエでモンテネグロ名誉領事 大坪賢次様
亜細亜大学経営学部教授 范云涛様
日本ミャンマー歴史文化交流協会ミャンマー支部長 若林正臣様
最後に塾長より、「最近地下鉄でアパホテルの広告をよく目にするようになったと思うが、新たに地下鉄に100カ所追加して、合計210数カ所にアパホテルの広告を出すことになる。来月号の座右の銘は『嵐を越えろ 雲の上は いつも晴れている』である。11月1日にはアパホテル〈御茶ノ水駅北〉の無料試泊会を実施する。一般から80名をご招待するが、すでに5、000名を超える応募が来ている。」と、アパの快進撃について紹介され、会を締め括られました。