第63回 勝兵塾月例会レポート

塾長・最高顧問 元谷 外志雄

塾長・最高顧問 元谷 外志雄

 第63回勝兵塾月例会が、8月18日(木)にアパホテル〈東京潮見駅前〉宴会場で開催されました。
 冒頭のアパグループ代表元谷外志雄塾長によるご挨拶では、「8月15日の終戦の日に朝日新聞が何を書くかと思っていたら、『天声人語』で、作家の保坂正康氏を訪ねてきた特攻機の整備兵だった老人の話として、飛び立つ日の特攻隊員の姿について、「『失神する、失禁する、泣きわめく。ほとんどは茫然自失で、それを私たち整備兵が抱えて乗せたんです。』と語った」と書かれていた。これは特攻隊員への冒涜である。一方、私は大戦時に将兵たちが残した遺書などに英訳と美しい日本の風景の写真を付けて構成した『やすくにの遺書』という書籍を4、000冊入手した。今般カナダ、アメリカで39ホテルを取得し、北米で40ホテルとなった。このうちアパホテルのFC店や直営ホテルの全客室に『Apple Town』と『やすくにの遺書』を置く。これまで保守は英語による発信が弱かったが、日本の名誉を回復するためにも英語での発信にも取り組んでいく。」「オリンピックで日本人選手の活躍が目覚ましい。これまで東京オリンピックに対する論調はネガティブであった。オリンピックを東京で開催することによる経済効果は数十年に及び数十兆円規模の期待ができ、数千億円のコスト増などはわずかなものである。しかし日本人選手の活躍で、東京オリンピックに対する見方も変わるだろう。」「今朝、オバマ大統領が核を先制使用しないと宣言しようとしていると報じられていた。オバマが世界の警察官の役割を放棄したことで、世界は混乱した。安倍総理は反対の声明を出したが、正しいことだ。中国がかつて核を先制使用しないと宣言したのは、米ソと中国との間に大きな核戦力差があったからである。日本は力のバランスをとるため、早急に憲法を改正すべきだ。先の参院選で憲法改正発議のできる三分の二を確保した。二階氏を幹事長に起用し、二階氏は早速安倍三選論を唱えた。安倍政権が長期政権となり、憲法改正を実現させてほしい。」と語られました。

衆議院議員・前文部科学大臣 馳浩様

衆議院議員・前文部科学大臣 馳浩様

 衆議院議員・前文部科学大臣の馳浩様は、「勝兵塾の一員として閣僚に就任し、10か月間全力でやってきた。元谷塾長をはじめ、皆さんとの意見交換の中で得たものがあったから大臣職を全うできた。この場を借りてお礼を申し上げたい。レスリングの女子で3個の金メダルを獲得したが、いずれも試合終盤での逆転勝ちであり、スタミナ、精神力、戦略のいずれも優れていた。トップアスリートの競技力向上のために、特に女子選手の場合は一人一人の様子を見ながら、精神面のケアをしている。気持ちに踏み込むことで、選手と監督との間に信頼関係が生まれる。東京オリンピックも近付き、観光立国として4、000万人の訪日外国人の受け皿づくりも必要である。元谷代表のようにしっかりした目標を持ち、どうアプローチしたらよいかを考えていかなければならない。」と、文科大臣の職を全うできたことへの御礼の御挨拶をされました。

衆議院議員・復興担当大臣 今村雅弘様

衆議院議員・復興担当大臣 今村雅弘様

 衆議院議員・復興担当大臣の今村雅弘様は、「この度復興大臣に任命されたが、これまで郵政民営化に反対し、佐賀県知事選挙では自民党の推薦する候補を支持しなかったことから、自分が大臣になるとは思っていなかった。今は日本にとって大事な時であり、安倍総理をしっかり支えていく。東北の震災では10年1区切りで計画が立てられている。これまで道路や港などのインフラの再興や復興住宅の建設に注力してきたが、これからは産業の再生に注力していく。しかし、2つの『風』の問題がある。すなわち風化の問題と風評被害の問題である。復興はかなり進捗しているが、まだまだ厳しい状況が続いている。日本列島は災害の多いところではあるが、先人は立派に生き抜いてきた。民族の誇りにかけて取り組んでいかなければならない。大臣になって8月11日に靖国神社に一般の人と同じように拝殿で参拝した。当然メディアからは『どういう立場で参拝したのか』と聞かれたので、『一国民として、国会議員として、閣僚として一体となった立場で参拝した』と答えた。また、中国か韓国の反応についても聞かれたが、『それぞれの立場で言うのは勝手だ』と答えた。合祀の問題は靖国神社がやったことにいろいろ言うのは政教分離に反すると答えている。靖国問題を騒ぎにせず、英霊に対する尊崇の念を持ち、ご遺族の方々の気持ちに寄り添って素直な気持ちで参拝すべきものである。」と、東日本大震災の復興の状況や靖国参拝に対する気持ちについて語られました。

参議院議員 山田修路様

参議院議員 山田修路様

 参議院議員の山田修路様は、「石川県選出の参議院議員で元谷代表からは歴史観、国家観を持って政治をやってほしいと激励を受けている。憲法改正について、第一回目の改正に何を入れていくかが重要である。憲法は変えられないという意識を変えるためにもまずできるところから変えていく。そこで、まず選挙制度について考えてほしい。今回の参院選で合区が初めて行われ、2県を合わせて1人の代表を選んだ。最高裁は違憲状態という判決を出したが、その判決文は、各県毎に代表を選ぶことには十分に合理性はあるとしながらも、憲法に何も規定がないことから、人口割りで代表を決めるべきという結論になっている。合区を増やしていくと地方の意見が反映されにくくなる。地方の意見も反映されるよう、選挙制度を憲法上ではっきりさせるべきである。」「TPP協定は今年2月に署名しており、協定としては確定している。発効の要件は、12か国の全ての国が国内手続を終えるか、6か国以上で合意して国内手続を終え、かつそれらの国々のGDPの合計が12か国のGDPの合計の85%を超えることである。なお、GDPが全体の15%以上であるのはアメリカと日本のみである。したがって、アメリカか日本のいずれかが反対すれば絶対に発効しない。アメリカ大統領選ではクリントンもトランプも反対している。トランプが大統領になれば絶対発効しないだろうが、クリントンが大統領になれば再交渉してくるだろう。したがって、日本はオバマ大統領の間に国内手続きを終えたいと考えている。大統領選挙の11月8日から新大統領就任の1月20日までの2か月半の間にアメリカで国内手続を終えてもらうために、日本が先に国内手続を終えてしまおうと考えている。」と、憲法と選挙制度の関係やTPPの発効に向けた取り組みについて語られました。

新しい歴史教科書をつくる会前会長 杉原誠四郎様

新しい歴史教科書をつくる会前会長 杉原誠四郎様

  新しい歴史教科書をつくる会前会長の杉原誠四郎様より、「TPPは工業と農業を区別しないでグローバル化を進めようとしているが、経済の論理だけで考えれば日本でコメは作らなくなり、里山が全滅して国土が荒廃してしまう。自然を守るという観点が欠けているのではないか。」と質問があり、山田様は、「その通りであり、工業の論理と農業の論理は違う。農業は人の命に直結するものであり、自然を守る上でも重要である。TPPはもともと関税を全てなくす発想で始まったが、かなり例外を認めている。米は輸入枠を設定されたが、消費量の1%程度であり、それも備蓄に回すことにしているため、国内の生産者には影響はない。」と答えられました。

慶應義塾大学経済学部教授 塩澤修平様

慶應義塾大学経済学部教授 塩澤修平様

さらに、慶應義塾大学経済学部教授の塩澤修平様より、「農業の潜在的競争力は高いと思っているが、競争力を高めるために何をするべきか。」と質問があり、山田様は、「TPPは国内農家に厳しい面もあるがチャンスでもある。質の良いものを作って差別化をしていく。差別化できないものは大規模化によるコストダウンを図るべきであるが、これには時間がかかる。」と答えられました。また、一般塾生からは、「大臣になるとなぜ靖国に参拝しなくなるのか。」と質問があり、元谷塾長は、「中国や韓国を恐れているのではなく、選挙のことを考え、日本のメディアを恐れているのである。中国や韓国が自国の国益のために靖国参拝を批判するのは当然であるが、問題は日本の中にいるメディアなどの反日日本人である。」と答えられました。

 杉原様は、「オバマ大統領が5月に広島を訪問したが、オバマの広島訪問をいち早く予想したのが代表である。私はアメリカ人歴史学者ハリー・レイ氏と『日本人の原爆投下論はこのままでよいのか』という本を書いた。日本ではアメリカが米兵の命を救い戦争を早く終わらせるために原爆を投下したという原爆神話が信じられている。しかし、7月16日にもし原爆実験が成功していなかったら、広島、長崎に原爆は落とされず、米軍は九州に上陸し、ソ連も侵攻してきただろう。もしソ連が入ってきていたら、日本は分断国家になっていたはずだ。日本が7月の時点で降伏の意思を固めていたのはアメリカも暗号解読で分かっていたにもかかわらず原爆を落とした。日本人が、投下の必要はなかったのに原爆を落とされたと考えるのは当然であるが、この背景にはルーズベルト大統領が無条件降伏にこだわったことがある。日本が騙し討ちをしたことについて、アメリカは戦後全く問題にしなくなった。なぜなら戦後になって調査委員会ができ、そこではじめてハル・ノートの存在やルーズベルトが真珠湾攻撃を前日から知っていたことがわかったからである。その代わりにアメリカは南京事件を持ち出すようになった。外務省は真珠湾のことだけは訳そうとはしなかった。中曽根元総理が総理時代、中国が問題にするからといって靖国参拝を止め、教科書を中国から言われるままに修正した。すべて外務省の言いなりになっていた。自民党がどうしてこうしたことを放置したのかと思う。」と、原爆投下に関する議論について語られました。

 杉原様に対して塾長より、「原爆投下の話について、少し私の思いと違うところがある。まずルーズベルトが戦争を望んだのは、ニューディール政策だけでは景気回復ができず、このままでは再選されなかったフーバーの二の舞になることから、戦争特需によって大恐慌後の経済の立て直しを図ろうとしたからである。さらに、第二次世界大戦後のソ連による世界赤化を牽制し、アメリカが世界覇権を握るためには、アメリカの軍事支援によって軍事モンスター化したソ連に対して、オフセット戦略として原爆を実戦で使用して、その威力を示す必要があった。もし7月16日に実験が成功しなかったら、アメリカは成功するまで戦争を引き延ばしただろう。硫黄島や沖縄での戦闘は、アメリカ国内向けに、原爆投下を正当化するために行われたものであり、日本本土上陸とは全く異質のものである。」と、杉原様とは異なる見解を示されました。

ハーバード大学Igノーベル賞受賞教授 サー中松義郎博士

ハーバード大学Igノーベル賞受賞教授 サー中松義郎博士

ハーバード大学Igノーベル賞受賞教授のサー中松義郎博士は、「杉原さんの話を聴いて、戦後教育は恐ろしいと感じた。私は、終戦時は海軍将校であり、戦前、戦時中、戦後を知っている。」とコメントされました。東京近代史研究所の落合道夫様は、「私の知人のロシア研究家によれば、プーチンは国際法廷を作って原爆投下を糾弾しようとしている。オバマの広島訪問はこれに先手を打ったのではないかという見方もある。」と、オバマ大統領の広島訪問に関する新たな視点を提示されました。

衆議院議員・予算委員会常任理事 原田義昭様

衆議院議員・予算委員会常任理事 原田義昭様

 衆議院議員・予算委員会常任理事の原田義昭様は、「外務省は日韓外相合意に基づき韓国に対して10億円の拠出金を出すとした。外相合意では慰安婦問題を最終的かつ不可逆的に解決したとして、当時のコメントでは岸田外相が基金に10億円拠出するとし、韓国側が少女像撤去に最大限努力するとしていた。我々は当然撤去を前提に10億円を出すものと考えていたが、外務省は撤去のないまま10億円を出すという。日本の外交は腰が弱い。慰安婦像は世界で47体ある。捏造された歴史認識によって国の名誉が侵されている。約束が守られないまま10億円が支払われることに私は反対している。外交的には合意によって日韓関係が円滑化してきたことは事実であり、多少の譲歩をしても日韓関係が良くなれば良いという判断なのだろう。確かに日米韓のトライアングルでの安全保障体制構築には役に立った。一方、韓国は慰安婦をユネスコ記憶遺産に共同提案しており、さらに6体の慰安婦像の設立を進めている。また、尖閣に軍事的な侵攻がいよいよ始まった。自民党、政府、国民を挙げて取り組んでいかなければならない。」と、日韓外相合意に対する外務省の姿勢に危機感を示されました。

米国GAHT理事・日本近現代史研究会事務局長 細谷清様

米国GAHT理事・日本近現代史研究会事務局長 細谷清様

 米国GAHT理事・日本近現代史研究会事務局長の細谷清様は、「私は米国GAHTのメンバーで、慰安婦像撤去裁判の原告として闘っている。慰安婦問題は日本国内ではほぼ決着済みだが、世界に慰安婦像が公有地だけで28体ある。また慰安婦に関する非難決議がアメリカ、オランダ、カナダ、欧州はじめ7カ国の国会で為されている。外務省の杉山晋輔審議官が性奴隷説を否定したが、日本政府は2014年から慰安婦に関して、強制連行、奴隷、20万人、朝日新聞の誤報の4つの点について反論を始めている。しかし国連での不名誉を消し去るのは2021年までかかりそうである。韓国には慰安婦像が公有地だけで27体あり、8月に3体建てられている。2011年に最初に建てられたが、民主党政権時代であり、ここでしっかり抗議しなかったのが問題であった。日韓合意後も4体建てられており、除幕式には知事や市長が出席している。私たちが裁判を起こしてから、アメリカではグレンデール市以後に建てられなくなった。裁判では負け、最高裁で争うかは検討中であるが、裁判を起こした結果、碑や像の設置を否決、取りやめたところが出てきたという点では効果があった。」と、米国での慰安婦像を巡る訴訟について語られました。

史実を世界に発信する会事務局長 茂木弘道様

史実を世界に発信する会事務局長 茂木弘道様

 史実を世界に発信する会事務局長の茂木弘道様は、「ヘンリー・ストークス氏の『英国人記者が見た連合国戦勝史観の虚妄』という本を英語で出版する。ストークス氏はイギリス人で、『ロンドン・タイムズ』『フィナンシャル・タイムズ』『ニューヨーク・タイムズ』各東京支局長を歴任した経歴を持ち、そのストークス氏が慰安婦問題も南京大虐殺も文献などを引用しながら堂々と反論している。この本の英文版が10月に出版されるので、プロモーションをかけていかなければならない。そのためにも、是非知人にプレゼントしてほしい。この本は相当な爆発力を秘めている。いろんな手で攻めていかないと歴史戦には勝てない。」と、英語での歴史戦への取り組みについて語られました。

朝鮮近現代史研究所所長 松木國俊様

朝鮮近現代史研究所所長 松木國俊様

 朝鮮近現代史研究所所長の松木國俊様は、「なぜここまで韓国がやるのかというと、韓国人は過去のことは水に流さない民族だからである。反日教育で日本に植民地支配をされたと教えられているため、日本人の子孫に同じ思いをさせるまで恨みを晴らし続けるのである。現実的には日本を植民地支配することはできないから、世界中に慰安婦問題を広めて日本人を子孫まで貶めようとするのである。これに対して徹底的に戦っていくべきである。」と、韓国人の国民性について解説されました。
 原田様は、「昨年末の外相談話に対して党内では全く反対しなかったが、私は党内でおかしいと言っていた。これまで慰安婦問題については、官房長官談話がおかしいと言ってきたが、外相談話では慰安婦問題について全面的に謝罪していた。外交的に良くなったという観点もあるが、一番大事な歴史認識について、日本が非を認めてしまっている。まず10億円を拠出して慰安婦像撤去について韓国側にプレッシャーを与えるなどと言ったり、高度な外交判断もあったという見方もあるが、おかしいと言い続けなければならない。」と、日朝外相合意や外相談話について改めて批判されました。

京都大学大学院 グレンコ・アンドリー様

京都大学大学院 グレンコ・アンドリー様

 京都大学大学院のグレンコ・アンドリー様は、「ウクライナ情勢から日本が何を学び何を考えるべきかをお話ししたい。まず、軍事力についてウクライナは独立時には強い軍隊を持っていたが、23年間で大規模な軍縮を行い、現在はほとんど形を成しておらず、無防備であったためにロシアに占領された。また、集団的安全保障について、バルト三国はNATOに加盟しているため、ロシアに侵略されなかったが、ウクライナはNATOに加盟していない。集団的安全保障の枠内にいれば安全、平和であり、枠外にいれば侵略され、戦争になる可能性が高まる。さらに、反国家勢力、売国奴は、国家の名誉や歴史を冒涜するだけでなく、国内に戦争を呼び起こす。ウクライナへのロシアの侵略に加担したのは売国奴である。まず国内に混乱状態を作り、混乱に乗じてロシアが侵攻してきた。これら3つのポイントは日本にとって他人事ではなく、学んで役立つ事例だろう。これらの事を日本中に広めて、左翼の主張がいかに出鱈目で非現実的であるかを知らしめなければならない。」と、ウクライナ情勢から日本が安全保障に関して学ぶべきことを指摘されました。

 

 最後に塾長より、「いつまでも韓国や中国に貶められている唯一の理由は日本が弱いからである。日本が世界第二位の経済大国であったときはここまで貶められなかった。また、今の憲法下で強い軍隊を作ることはできない。改憲勢力で三分の二を確保したのだから、前文などできるところからまず改正し、いずれ憲法9条を変えるべきだ。世の中は正しいかどうかではなく、強いかどうかで決まる。日本の経済力か軍事力が強くなれば、韓国や中国はいつまでも出鱈目なことは続けないだろう。日本はドイツと異なり戦後分断されなかったと言われるが、日本が弱いのは、日本はステルス複合体という戦後敗戦利得者が官僚、法曹、メディアを牛耳り、これらの反日勢力という内なる敵との間で分断されているからである。真っ当な自主憲法を制定し、積極的平和国家を築いていくべきである。」と、日本が弱い理由を指摘され、日本が進むべき道を示されて会を締め括られました。