第149回 勝兵塾月例会レポート

公開日:2023/11/27


塾長・最高顧問 元谷 外志雄

勝兵塾第149回月例会が、11月16日にアパグループ東京本社で開催されました。
 冒頭のアパグループ元谷外志雄会長による塾長挨拶では、「本日は第149回となる勝兵塾月例会である。金沢、大阪と通算すると416回目となり、本当のことを知る機会として、浸透してきたのではと思う。しかし、ほとんどの人々やメディアは本当のことを分かっていないのではないか。だから、本当のことを知る機会として、毎月3カ所で月例会を開催している。月刊誌『Apple Town』を毎月10万部発行しているが、その中の今月号の座右の銘は、『人生絶えず チャレンジャーとして 生きろ』である。常に挑戦者としてチャレンジして生きる人生がやり甲斐のある人生ではないだろうか。本日も様々な方のお話を伺いながら、自分はどう生きるべきかの指針になればと思っている。」と述べました。


衆議院議員 木村次郎様

衆議院議員の木村次郎様は、「私は6年前までは青森県庁の職員であったが、20年以上国会議員をさせて頂いていた兄が他界して、私が国会議員になった。昨年防衛大臣政務官を拝命し、その前は国土交通大臣政務官を務めた。この2年間を振り返ると、様々な突発的なことがあった。国交政務官時代には、北海道の斜里町の知床半島沖で観光遊覧船『KAZU 1』号が沈没するという大変痛ましい事故があり、私も現地に三週間くらい張り付いて陣頭指揮を執った。困難な場面ではあったが私の糧になっている。今はおとなしいが、私の任期中は北朝鮮が何度もミサイルを発射し、その度に緊急登庁して会合を行い記者会見に臨むといったことを繰り返した。昨年12月16日にいわゆる防衛三文書が閣議決定された。戦後の安全保障体制の一大転換期に立ち会えたことは貴重な経験だったと思う。岸田総理はアピールに長けているわけではないが、防衛三文書の改定や5ヵ年で43・5兆円の防衛予算の確保、原発の再稼働といった我が国にとって重要なことを決断されたことを、個人的には評価している。国家の基本は、領海領土、そして国家の主権であるが、あわせて食料やエネルギーも大きな柱である。青森県には六ケ所村があり、ここにはいわゆる核燃料サイクル施設がある。震災を受けてまだ完成稼働に至っていないが、最終段階に入りつつあると思っている。この核燃料サイクルは昭和60年に青森県六ケ所村と事業主体とで立地協定を結び、今に至っている。国の計画では、資源の乏しい日本が原発の割合として22%前後を維持していくと謳っている。原発はなくてはならないわが国のエネルギー源であり、一日も早い原発の再稼働や核燃料サイクルの完成を望んでいる。平成元年の参院選で自民党が大敗した。消費税やリクルート事件がマイナスに作用したが、青森県では大変な反核燃の嵐が吹いて、自民党は厳しい戦いを強いられた。様々な歴史的経緯の中で今に至っている。また、青函トンネルについて、かつて大蔵省の役人が『昭和の三大バカ査定』などと言った。しかし、有事にフェリーや飛行機で国民や装備を北海道から本州に運ぶには限度がある。鉄道には大量輸送と定時性の強みがある。しかも、北海道は食料の一大供給基地であり、有事のことを考えると青函トンネルにもう一本トンネルがあっても良いのではないかと思っている。もう一本できた場合には、鉄道と道路を上下に造ることで様々な用途に幅広く使えるようになるので、決して無駄な投資にはならないのではないかと思っている。」と、地元青森県に関連したエネルギーや安全保障問題について語られました。


朝鮮近現代史研究所所長 松木國俊様

朝鮮近現代史研究所所長の松木國俊様は、「国際歴史論戦研究所が9月5日にソウル市内の韓国プレスセンターで慰安婦問題の嘘を追及する第二回日韓共同シンポジウムを開催した。第一回は昨年11月に東京で開催されたが、今回は日本側のメンバーが敵地に乗り込んで直接韓国の人々に慰安婦の嘘を訴えた。今回発言者として登壇したのは、韓国側からは元延世大学教授の柳錫春氏、落星台経済研究所研究委員の李宇衍氏、国史教科書研究所所長の金柄憲氏、日本側からは、麗澤大学特任教授の西岡力氏、なでしこアクション代表の山本優美子氏、そして私である。いずれも慰安婦問題の嘘を暴くべく最前線で戦っている研究者である。会場には日の丸と太極旗が大きく掲げられ、開会に当たり両国の国歌を斉唱した。元ソウル大学教授で『反日種族主義』の著者・編者である李栄薫氏から祝辞を頂き、ハーバード大学のラムザイヤー教授からビデオメッセージが送られた。このシンポジウムでは、まず『お母さん部隊』のトップの女性から、慰安婦詐欺との闘いについて報告があった。彼女は14年前から『お母さん部隊』を組織して、慰安婦問題の嘘を告発して、元挺対協代表の尹美香と対決してきた人物である。その後、登壇者が次々と慰安婦の嘘を実証する内容を発表した。今回の日韓共同シンポジウムは成功裡に終わり、産経新聞やニューズウィーク日本版でも大きく取り上げられた。このシンポジウムの翌日は水曜日だったので、シンポジウムに登壇した日韓の研究者や市民団体が日本大使館の前の慰安婦像の近くに集まって、手に太極旗と日章旗を持って、慰安婦の嘘を訴える集会を行い、同時に行われていた水曜デモと比べ物にならない規模となった。山本優美子氏から『慰安婦のウソと戦う日韓真実勢力共同声明』が発表されて大きな拍手で集会はフィナーレを迎えた。これまで日韓の真実勢力が民族感情の壁の前で互いに連携することが非常に難しかったが、今回のシンポジウムでその壁を打ち破ることができた。韓国内における慰安婦問題に関する一般認識は、強制連行説が有力であり、さらに北朝鮮や中国の手先である左翼政治家や正義連らは日韓を離反させることに血道を上げている。我々はそれに負けてはいけない。日韓は経済的にも安保的にも運命共同体であり、離反すれば中国や北朝鮮の思う壺であり、共倒れになる可能性もある。ならば多少の痛みを伴ってでも、慰安婦問題への誤解を解いて、韓国人の心に刺さった偏見と恨みの棘を根本から抜く必要がある。それは決して不可能ではないということが分かった。韓国の地にも同志がいて、共闘できた。しかもその数はどんどん増えている。日韓の同志が連携して両国の未来のために、日韓の真の友好関係を築けるよう頑張っていきたいと思っている。」と、ソウルで開催された日韓共同シンポジウムの模様を紹介されました。


慶應義塾大学名誉教授・公益財団法人アパ日本再興財団理事 塩澤修平様

慶應義塾大学名誉教授・公益財団法人アパ日本再興財団理事の塩澤修平様は、「非常に画期的なシンポジウムだったと思うが、そういったことが可能となった社会的背景にどのようなものがあるか?」と質問され、松木様は、「一つは、SNSやYouTubeなどで韓国人が本当の歴史を知ることができるようになったことである。次に、日韓の交流が増えてきて、韓国人が日本に行ってみて、教えられていたことと全然違うことを知るようになったことである。さらに、昨年尹錫悦政権に変わり、親日的な政策を行うようになり、それが国民にかなり影響してきている。また尹政権は、北朝鮮と繋がりのある左翼の市民団体に今まで相当な金額の資金が流れていたのを、全て調べ直して資金源を断ち切ろうとしている。これらのことが重なり合って、ムードが急速に変わった。」と答えられました。

一般社団法人シベリヤ抑留解明の会理事長の近藤建様は、「韓国という国は政権が変わったらガラッと態度を変える。韓国が後退しないように、韓国に松木信者のグループをたくさん作って行ってもらいたいと思っている。」と、松木様を激励されました。


日本人ユダヤ教徒・シオニスト・フリーランスライター・ユーチューバー 吉岡孝浩様

日本人ユダヤ教徒・シオニスト・フリーランスライター・ユーチューバーの吉岡孝浩様は、「私とユダヤとの出会いは、1988年、大学の夏休みにイギリスへ語学研修に行ったときに、オランダ人の友人がユダヤ人の問題について話してくれたことである。帰国後、恵比寿のコムインという喫茶店で初めてイスラエル人と話した。その女性は日本の神道や伝統文化についていろいろ聞いてきたが、残念ながらその頃の私はそういうことにあまり興味がなかった。89年になり、昭和天皇の崩御にあたり、イスラエルの大統領閣下が朝日新聞に第二次大戦中に受けた日本人への恩を一生忘れないと寄稿されていたのを読んで、大変驚いた。さらに、豊橋の小石豊さんという牧師さんから、聖書の預言から見て、ユダヤ人には12の部族がいて、そのうち10の部族は消えたが、その中には日本に来ている人達もいるのではないかという話を聞き、衝撃を受けた。そこでその年の3月に日本イスラエル親善協会に入った。自分は確たるバックボーンがないままユダヤの活動をしていたが、あるユダヤ人からは、イスラエルやユダヤのことを本当にやりたかったら改宗を勧めると言われ、私は2003年7月13日になって改宗した。ユダヤ人に対して金融などの悪いイメージを持っている人が多いが、非常に多様である。乱暴に言うとユダヤ人の世界観は三つある。一つ目がシオニズム、次にグローバリスト、最後に共産主義である。キリスト教中心のヨーロッパ社会でユダヤ人がゲットーに入れられていたので、ユダヤ人の国を創るか共産主義を促進してキリスト教の国をひっくり返すしかなかった。ロスチャイルド財閥などのようにグローバリストとして邁進する人たちもいた。イスラエル国家もほとんどロスチャイルド家の資金でできた。ユダヤ人の優秀さは、その教育に秘密がある。まず3歳になると勉強すると楽しいと母親が教えるために、はちみつをなめさせたり、ヘブライ語のアルファベットの形のクッキーを食べさせたりして、5歳になるとモーゼ五書を学び、7歳になるとタルムードを学ぶ。男子は13歳になるとバールミツバという成人式を迎える。ユダヤ人のイノベーションは記憶力と実践力を鍛えることから生まれる。優秀なユダヤ人は日本の文化を非常に尊敬している。ユダヤ人は、ソフトウェアは強いがハードウエアが弱い。だから日本とユダヤの協力でものすごく新しいイノベーションを起こせると言う人がいる。アメリカでは5つの宗派がある。超正統派、正統派、保守派、改革派、世俗派である。アメリカは正統派が2割、保守派4割、改革派4割である。正統派の方々が熱心なシオニストでイスラエル支持者である。保守派はシオニストとグローバル派に割れている。改革派はほとんどがグローバリストである。イスラエルは人口が少ないため、G7のように工業製品を造ることができない。だから特許や発想で食べている。残念ながらガザで戦争になってしまい、来日して日本語学校に通っている私の友人のお母さんがハマスの犠牲になってしまった。本当に痛ましい。ハマスとパレスチナ人を一緒にしてはいけないと思う。一方、今のネタニヤフ政権には和平をはじめから否定している人がいる。このような悲劇を繰り返さないためにも、中山泰秀さんはイスラエルとパレスチナの若者たちの交流をやっているので、日本も今以上に和平に貢献してほしい。」と、ユダヤ教やユダヤ人について解説されました。


ヤスタグループ株式会社代表取締役 ババアリ梓晴様

ヤスタグループ株式会社代表取締役のババアリ梓晴様は、「私はモロッコ人と日本人のハーフで、福島出身である。2011年に東日本大震災が起こり、モロッコでアラブの春を体験して、自分のアイデンティティに危機が起こった。しかしそれは、私にとっては自分の使命を見つける機会でもあった。中東・北アフリカはアラブ世界であるが、イノベーションやモノづくりがまだ実行されていない。その中で私はマルクス・アウレリウスの『自省録』と出会い、自分の使命は中東・北アフリカ諸国で日本の力を使って様々なイノベーション、モノづくりを実行してそれらの地域を発展させ、日本の国益に貢献していくことだと考えた。中東・北アフリカのアラブ世界の人口が5億4千万人ほどで、EUより大きな市場である。日本がどのように中東・北アフリカで取り組んで、日本の国益、すなわち安全保障と経済に資するか、モーニタリアを実例としてお話ししたい。昨年モーニタリアの経済大臣閣下が来日され、モーニタリアの事情や未来について対談した結果、日本人として貢献しなければならないと感じ、翌月にモーニタリアへ行って実際に事情を見てきた。現地でも各省の大臣や実業家と会って国策に何が必要かを話し、実行に進んでいる。モーニタリアは、日本ではタコが有名で、日本は2019年に3万トンほど輸入しているが、その7割はモーニタリアから輸入している。モーニタリアと日本との交流は非常に深いが、漁業、鉱業、農業がまず進んでいて、2023年から天然ガスの世界への輸出がスタートする。金については25トン生産されているが、ポテンシャルとしては1、417トンある。今は中国が世界一で330トン、次にオーストラリアが320トン生産している。モーニタリアの国策としては、4つの分野で発展したいと考えている。まず一つは漁業である。タコを日本に輸出しているが、原材料としてではなく、加工技術を日本の指導で導入することによって、モーニタリアの国益にも貢献し、日本の国益にもつながる。次に農業に関しては、まだ機械もなく手作業で耕している。これでは土が死んでいき生産性が低下してしまう。ここでも日本の機械を導入することで、両国の国益に貢献できる。天然ガスについては始まったばかりであるが、モーニタリアの天然ガスが日本の安全保障に貢献することができると考えている。私が現地に行って最も日本がやるべきだと思ったのがごみ処理問題である。今世界が持続可能な発展に取り組んでいる中で、まだ遅れている状況である。日本が取り組むことで国際社会にも貢献できる。マーク・トゥウェインは『人生で一番大事な日は二日ある。生まれた日と、なぜ生まれたかを知った日である。』と言った。人はそれぞれ価値観が違い、その中で一人ひとりが国益に貢献できる分野が違うので、私は今後も学問を広めて、先輩方からのご指導を受けて、日本の安全保障と経済といった国益のために、今後とも事業を一つ一つ実現していきたい。」と、モーニタリアでの取り組みと日本の可能性について語られました。

在日本ルーマニア商工会議所会頭の酒生文弥様は、「ユダヤ教とキリスト教、イスラム教は一心同体だという考え方もあるが、どうやったらこれらの宗教を統合できると思うか?」と質問され、吉岡様は、「私の見方は、ドナルド・トランプは大変な平和主義者で、大統領を二期やっていたらイランとの和解ができていたかもしれない。トランプみたいな政治家が出てきて辣腕を振るわないと統合は出来ないと思う。」と答えられました。

山元学校学長の山元雅信様は、「今日15人くらい連れてパレスチナ大使館を訪れた。彼らの望んでいることは戦争を終わらせることである。そのために、国会議員に働きかけて欲しいと言われた。大使のワリード・シアム閣下はガザ出身である。ガザにある大使の家も、ガザにある32の病院、6つの大学もすべて破壊された。しかし、恨みよりも、まず一番大事なことは戦争を終わらせることである。」とコメントされました。


日本戦略情報研究所所長 林文隆様

日本戦略情報研究所所長の林文隆様は、「1997年から2019年のG7諸国の経済成長率を見ると、イタリア、フランス、ドイツは2%以上成長し、アメリカやイギリスはそれ以上に成長しているが、日本だけがマイナスである。アジアに目を転じると、日本以外は皆成長している。日本だけが30年間全く成長していない。今年の10月25日の日経新聞は1面で今年の日本のGDPは世界第4位に転落するという記事を載せていた。今の状態を続けると2026年にはインドにも抜かれ世界第5位となる。さらに一人当たりGDPで韓国、台湾に肉薄されている。しかしながら、私たちは日本国内で生活している。ビックマック指数というものがある。それで見ると日本の購買力平価によるGDPは6兆5千億円で、ドイツに驚くことはない。問題は、バブルがはじけてから30年余り、なぜ成長できなかったのかである。それは選挙対策しか頭にない政治家が多かったからである。政治家に国家戦略としての成長戦略がなかった。安倍さんも経済成長戦略を掲げながら、結局黒田さんのバズーカ砲に頼らざるを得なかった。政府の責任は、金融政策への依存から真っ当な財政政策をすることである。新しい産業を創出し、日本経済の活力を生み出す。経済を成長させるのは3要素である。資本、労働、そして技術革新である。国家が投資をしなければ成長できるわけがない。なぜ成長できなかったか。まず、消費が飽和状態だったため、日本のメーカーは日本国内に投資することができなくなった。もう一つ、アメリカから猛烈な貿易摩擦があった。繊維から始まり、鉄鋼、自動車と続き、クリントン政権は超円高作戦で1ドル95円にまで日本をいじめた。結局日本企業は投資をするところがないため、貯金をした。その額はヨーロッパ27か国をはるかに超える規模である。これは、今日本が投資できる底力になる。政治家は財務省のペテンにかかった。実に巧妙である。まず、歳出がこんなに大きく、歳入がこれだけしかないから増税しましょうと言う。しかし、国債の償還をやっている国などない。日本銀行は国債の52%を持っているが、期日がきたら新しい国債を発行してもらって終わりである。それなのに歳出の中に国債の償還費を22%計上している。さらに問題なのは、社会保障費の支出まで計上しているのに、歳入には社会保障費や年金積立、健康保険料など合計38兆円の積み立てが計上されていない。プライマリーバランスは、バブル経済の時にやることであり、不景気の時にこんなことをするのは日本くらいである。現在日本には50兆円の余裕金があるが還元しない。外貨準備高が円換算でものすごく増えている。経済成長2%を達成するには投資をすることである。その次に成長促進の規制を緩和すればよい。高橋洋一さんの概算計算を見たら、年率2%経済成長をするためには毎年15兆円の投資が必要である。その時に大事なのは日本のシンクタンクである内務省を再生させることである。大久保利通は明治日本の貧弱な経済力、技術力で列強と戦う訳にはいかないため、日本のあらゆる優秀な要素を検討して国家の焦点を合わせるために内務省を創り、『富国強兵』を掲げた。21世紀に日本が一流国家になる国家戦略を創案すればよい。もう一つ、徴税権を内務省に移管する。そうすれば財務省の力を削ぐことができる。日本の国家戦略は、超高度科学技術立国とするべきである。今世界が競っているのはAIや量子コンピューター、再生医療など10項目であるが、何もすべてを日本がやることはない。ピーター・ドラッガーは『人口統計には現在と未来の社会の姿が隠されている』と言ったが、今のままだと2030年には700万人の人手不足となる。そうなると今のような贅沢な人の使い方はできない。EVの発達で日本の精密機械工業界が衰退する。そこで、日本の精密機械工業を活かすために、ロボットに公共投資をするべきである。ロボットは技術の塊であり、日本には精密部品を造る基盤もある。ロボット関連の特許や核心部品の70%を日本が抑えている。国防を担う若者が減っているなら大量のロボット兵士を造ればいいし、トラックやタクシーの自動運転ロボットを造ればいい。我が国では高齢者がこれからどんどん増える。デンマークはロボット介護専門学校を創り、世界各国の介護ロボットの使い方を学んでいる。日本も介護ロボット専門学校を創るべきである。介護の三大重労働は高齢者の持ち上げ、入浴、食事である。これらをロボットにやらせればよい。地方再生はエネルギー源と食料をやればよい。日本は火山列島であり温泉列島である。その熱を使ってバイナリー発電をすればよい。水の代わりにアンモニアを使えば50度で沸騰する。設備はコンパクトで15坪くらいの広さでできる。さらに農業用水発電もある。弥生時代から開発した農業用水路が4万5千kmあり、温泉発電と農業用水発電を活用して町おこしとして、食料工場や陸上養殖場を造る。さらに温泉を使って医療コンビナートを造る。食料については、小麦に出している補助金と減反見張り代金の一部でも使って米粉パンを普及させるべきである。2018年に陸上養殖が天然物の産出額を抜いた。陸上養殖に限界集落を活用すればよい。さらに過疎地に牛を放牧すると森が生き返る。北里大学農学部八雲牧場で150頭を放牧したら畜舎で育てるより経費が40%減った。最も減ったのが薬である。」と、日本経済が成長するための国家戦略について語られました。


参議院議員 石井苗子様

参議院議員の石井苗子様は、「ロボットは価格が高すぎて必要としている介護施設や障害者施設には手が届かないがどうすればよいか。また空き家問題についてどうすればよいか。」と質問され、林様は、「量産すれば価格は安くなる。今は特注で造っているから高い。国家戦略としてロボットを生産すればもっと安くなる。空き家問題について、相続問題で手が出せないものについては国家権力でやるしかない。」と答えられました。

最後に塾長は、「本日の月例会も様々な考え方を教えて頂いた。本当はどうなのかを知る機会として勝兵塾を開催している。それぞれの思いを発表して頂き、自分の意見が違えば、また自分の意見も出してもらって、本当はどうなのかを知る一助をしてもらえればと思っている。」と述べて、会を締め括りました。