1.慰安婦問題に取り組むきっかけ

私が、慰安婦問題を自らの政策の軸として取り組むようになったきっかけは、平成24年夏、アメリカ合衆国ワシントンD.C.やニューヨークへの訪問です。お会いした親日派の知識人からは、「これからは中国が世界の脅威となるだろう。だから同じ民主主義国家であるアメリカと日本と韓国がしっかりと手を組んで、中国と対峙しなくてはならない。しかし、なぜ日本と韓国はこれほどまでに仲が悪いのだ」「日韓関係がギクシャクしている原因は、慰安婦問題があるからではないのか」と言われました。私は当時、慰安婦問題は既に解決済みで、反日的な思想を持つ一部の人達だけが騒ぎ立てていることだと思っていたため、なぜ知識人がこのようなことを言うのかが理解出来ず、釈然としないまま帰国しました。帰国してから、慰安婦問題の調査をすると、日韓の問題であるにもかかわらず、アメリカなどの国々も巻き込んだ大きな問題に発展しているということに気づかされたのです。
平成24年暮れの第46回衆議院議員総選挙で初当選し、平成25年4月に衆議院予算委員会で質問をする機会がありました。兵庫県宝塚市議会では、平成20年3月『日本軍「慰安婦」問題に対して、政府の誠実な対応を求める意見書』を、賛成25票、反対1票で可決しました。この意見書は、「河野談話を踏襲して韓国にしっかりと謝罪しましょう」という内容で、採択に反対したのは無所属で改革派の若手議員1名だけで、賛成した中には自民党公認、推薦の議員もいました。そこで、私は予算委員会で、政府に「(自民党も含めて)地方からどんどん左傾化が進んでいるのではないか」という質問をし、慰安婦問題にも触れ、政府の見解を問いました。菅義偉官房長官の答弁は、「(慰安婦問題を)外交問題化しない」というものでした。捏造から生まれた慰安婦問題なので、日本が率先して「外交問題化」する必要はないのかもしれません。しかし、既に韓国は、アメリカやヨーロッパさらにはオーストラリアなどの国々で、慰安婦問題を利用した反日ロビー活動を繰り広げているのです。日本政府も「外交問題化しない」という姿勢を貫くだけではなく、何かしらの対策を打つ必要があると思います。この委員会でのやり取りがきっかけとなって、中山成彬衆議院議員や山田宏衆議院議員から、「慰安婦問題は女性が取り組んだほうが良い」という助言をいただき、私は慰安婦問題を自分の政策の軸に据えることにしたのです。

2. 日本の国会議員として初めて、グレンデールの慰安婦像を視察

平成25年12月に、中丸啓衆議院議員、西田譲衆議院議員と共に、公園内に『平和碑』(慰安婦像)を建立した米国カリフォルニア州ロサンゼルス郡グレンデール市に、日本の国会議員として初めて視察調査を行いました。グレンデールの慰安婦像は、同市の中心地にあるセントラルパークの片隅に設置されており、像の横にあるプレートには「20万人の女性が日本の軍隊により強制連行され性奴隷にされた」という碑文が刻まれています。この碑文を見た時は、一人の日本人として非常に不快な思いに駆られたというのが正直な感想です。
グレンデール市の人口は約19万人、市議会議員は5名、任期は4年で、任期中に持ち回りで市長を務めるという制度を取っています。グレンデール市議会の公聴会で慰安婦像の建立に対する採択が行われた時は、5名のうち4名の議員が賛成したそうです。
私達はブエナパーク市の調査も行いました。同市では平成25年8月、慰安婦像の設置が否決されました。市議会議員による採択が行われた公聴会において、否決の決め手となったのは、日系二世のロバート・ワダ氏が寄せた一通の手紙だったそうです。私達は訪問中にワダ氏と面会することが出来ました。氏は昭和25年に勃発した朝鮮戦争において、アメリカ軍の兵士として出征し、戦場では幼馴染みの友人を亡くすなど、非常に辛い体験をされたそうです。「日系人」とはいっても二世や三世になると、既に日本に対する愛国心は薄れています。ワダ氏はアメリカに忠誠を誓う立派な「アメリカ人」でした。そして、氏は一人の「アメリカ人」として、ブエナパークの公聴会に自分の意見を綴った手紙を送ったのです。内容は、「我々が命を懸けて戦って守り抜いた朝鮮半島なのに、そこに住む韓国人がこのような像をアメリカ国内に建てようとしていることは到底許すことが出来ない」というもので、それがブエナパークの議員の心を動かして、賛成1票、反対4票で否決されました。
アメリカ国内には、慰安婦像の反対運動をしているグループがいくつかあります。韓国側に対する怒りにも温度差があります。また、明確な反日思想を掲げ韓国側に加担している日系人グループもあります。「日本は戦時中に悪いことをたくさんしたのだから韓国や中国に謝罪するべきだ」という持論を展開している人もいます。
また、現地の日本人、日系人の子供達が悪質ないじめを受けているという情報が日本にも届いています。現地では日本人、日系人の子供達がいじめに遭っているのは紛れもない事実であり、中には韓国人からひどい扱いを受けた子供もいると聞きました。被害に遭っているのは子供達に限った話ではなく、大人達の間にも、公共の場所で日本語が話しづらくなったとか、日本人だと気付かれないように金髪に染めたという話があり、コリアンレストランでは、日本語を話していたら店主に追い出されたという人もいるそうです。このようにアメリカ国内で暮らす日本人、日系人の生活が脅かされているのが現状なのです。

3. 慰安婦問題を巡る戦い

私は、平成26年2月3日の予算委員会で15億円を計上している対外広報費のあり方について問いただしました。この予算は、日本の国益の増進に資するようアジアを含め欧米諸国における対日理解好感度を向上させる広報費として計上されています。中国や韓国における対外広報費は、公表では日本より少ない予算であるにもかかわらず、その成果は日本よりも大きいものがあります。慰安婦問題に対して、日本政府が毅然とした態度をとらないことをいいことに、韓国は着々とロビー活動を進め、アメリカ各地での反日活動を展開しているわけです。総理も官房長官も「官邸が司令塔となって戦略的に国際広報を行う」とは答弁をされても、実態が伴わなければ信用できません。どこか「対岸の火事」のような空気を感じざるを得ないのです。こんな状況で、今日も、海外にいる同胞が辛い目に遭っているかと思うと、胸が痛くなります。
また、籾井勝人NHK会長発言についても、予算委員会で取り上げました。籾井会長の発言には賛否両論がありますが、私は、放送法のあり方という点で、籾井会長は法を遵守すると明言されたことは正論であり、あるべき姿だと思っています。これまでの報道が、偏向報道が多すぎたくらいです。放送法第4条には、政治的に公平であることや事実を曲げた報道をしないこと、意見が対立している問題については、多くの角度から論点を明らかにすることなどが明記されています。しかし、罰則規定がないためか、この第4条の規定は形骸化しており、総務副大臣に罰則規定を設けるべきと、問いただしたところ、「慎重に検討すべき」との答弁でした。「報道の自由はたしかにある。しかし、当たり前のことだが、ウソを報道する自由というのはどこにあるのか」とさらに問うと、他会派の議員からも「そうだ!」の声が飛んできました。私はとっさに、「NHKさん、どうか私のこの質疑の動画は削除しないでください」と発言し、ネット上では、このときの質問が「神質問」と話題になり、様々なところで拡散し、あわせて50万アクセスを超えるような反響になったのです。
その後、旧日本維新の会では、『「慰安婦問題」に関する河野談話見直しを求める国民運動(署名活動)』を展開し、たった1ヶ月余りで14万2284筆が集まりました。その中には、若い女性や子育て中の方など、お手紙を添えて署名くださる方もおり、少しずつ、理解してくださる方が増えている実感を持ちました。私のような一人の国会議員でも、一つのきっかけで物事が動くということを実感できた活動でした。
署名は、菅官房長官に直接手渡しし、その後、政府は「河野談話作成過程等に関する検討チーム」を設置し、平成26年6月20日報告書が公表されました。この検証はあくまで作成過程の検討であり、河野談話の見直しにはつながらないものです。現在、約6割の国民が河野談話の見直しを求めています。それでも政府は「見直さない」という姿勢を貫くつもりなのでしょうか。これでは民意に背くことになります。

4. 朝日新聞「慰安婦記事」の大罪

私たち旧日本維新の会の「歴史問題検証プロジェクト・チーム」は、元々、慰安婦問題について朝日新聞の木村伊量社長と、河野洋平元官房長官の国会招致を求める署名活動を展開する予定でした。
ところが、平成26年2月1日の党大会で、橋下徹共同代表が、「報道の自由がある。マスコミである朝日新聞の社長を国会に証人喚問するのは不適切ではないか」と発言しました。それ以降、党の活動としては、河野氏の国会招致に絞らざるを得なくなりましたが、決して朝日新聞木村社長の国会招致を諦めたわけではありません。朝日新聞が8月5日の検証記事で、日本と日本人の国際的地位を貶める大誤報を認めた以上、社長自ら国権の最高機関である国会で、国民に説明する義務が生じたと考えています。
「韓国・済州島で200人の慰安婦を奴隷狩りした」という吉田清治氏の虚偽証言が初めて朝日新聞に掲載されたのは昭和57年9月です。実に、32年間もの間、朝日新聞は日本と日本人の名誉を傷付けてきたことになります。その間、朝日新聞の記者は吉田氏を一度も疑わなかったのでしょうか。そうだとしたら、朝日新聞は報道機関と言えるのでしょうか。
私たち同様、慰安婦問題を追及してきたアパグループの元谷外志雄代表は、「現状のままでは、朝日への広告出稿はない。他の日本企業も抗議の意思を示すべきだ」と明言されています。

また朝日新聞は、「女子挺身隊」と「慰安婦」と混同した件の言い訳も見苦しいと思います。朝日新聞は、「研究の乏しさ」を原因に挙げていますが、当時はまだ女子挺身隊経験者が多数生存しており、慰安婦と全く異なることは取材すれば容易に知り得たはずです。それを怠ったのは、国連の報告書にも記された「日本政府は20万人の子女を慰安婦にした」という虚構を作り上げようという意図があったのではないか、と疑わざるを得ません。戦時中の勤労奉仕団体である女子挺身隊の数を足さなければ、あの20万人という数字は出てこないからです。

また、慰安婦問題で、朝日新聞と“共闘”した人々にも、公の場での説明や訂正、謝罪を求めたいと思います。特に、元慰安婦の弁護人となって日本政府を相手取り損害賠償訴訟を起こした社民党の福島瑞穂前党首や、ソウルの駐韓日本大使館前で開かれた慰安婦デモに参加した民主党の岡崎トミ子元国家公安委員長などは、政治家として、きちんと自分の過去の行動の責任を取ってもらいたいと思います。そして、われわれが強く要求するのは河野氏の国会招致です。自民党の石破茂幹事長も、「朝日新聞関係者を国会招致して説明を求めたい」という意向のようですが、自民党幹事長なら、まずは河野氏を差し出すべきでしょう。
そして、朝日新聞が訂正記事を掲載したのとほぼ同じタイミングで、アメリカグレンデール慰安婦像撤去訴訟で、連邦地裁が原告側の提訴を棄却したとのニュースがありました。グレンデール慰安婦像の横には、韓国が主張する三つのウソ
・20万人の少女や女性たちが
・官憲により強制連行され
・日本軍の性奴隷にされた
がしっかり刻まれています。これが全く事実無根であることが公になったわけですから、グレンデールだけでなく、アメリカ各地に建立された像や碑はすべて撤去してもらわなければなりませんし、オーストラリアなどでの新たな像の建立を阻止しなければならないと思います。
類似の事例であるにもかかわらず、日本政府は米国内の韓国系住民の強い支持を受ける議員によって提起される慰安婦非難決議に対して対抗したことはない。正にこうしたことが日本の情報戦における敗北を決定的にしている。
前述の外交官は、更に注意深く以下を指摘した。
『20万人』も『強制連行』も崩れたわけですから、この朝日新聞の訂正記事を、内閣府が計上している年間15億円の海外広報予算を使って発信する必要があります。2月3日の予算委員会での質問でも指摘をしたように、報道機関としての自由はあるとはいえ、嘘の報道をしていた朝日新聞は謝罪もしていません。嘘の報道していた責任をどのように考えているのか、日本が朝日新聞によって失った32年間は、非常に重くかつ大きいものがあります。その空白の32年間を取り戻すために、私は、朝日新聞の責任を国会で追及していきます。

5. プレスコードの完全撤廃を!

私が国会で「プレスコード」について質問したのは、地元で国政報告会を行った際に、「プレスコードが今まで続いていると思えることが多い。ぜひ、国会で取り上げてほしい」との意見をいただいたことがきっかけでした。プレスコードとは、正式には『日本に与うる新聞遵則』と言い、GHQ占領下の日本において、新聞などのメディアを統制するために敷かれた30項目の規則のことです。その30項目は、
1 SCAP(連合国軍最高司令官もしくは総司令部)に対する批判
2 極東国際軍事裁判批判
3 GHQが日本国憲法を起草したことに対する批判
4 検閲制度への言及
5 アメリカ合衆国への批判
6 ロシア(ソ連邦)への批判
7 英国への批判
8 朝鮮人への批判
9 中国への批判
10 その他の連合国への批判
11 連合国一般への批判(国を特定しなくとも)
12 満州における日本人取り扱いについての批判
13 連合国の戦前の政策に対する批判
14 第三次世界大戦への言及
15 冷戦に関する言及
16 戦争擁護の宣伝
17 神国日本の宣伝
18 軍国主義の宣伝
19 ナショナリズムの宣伝
20 大東亜共栄圏の宣伝
21 その他の宣伝
22 戦争犯罪人の正当化および擁護
23 占領軍兵士と日本女性との交渉
24 闇市の状況
25 占領軍軍隊に対する批判
26 飢餓の誇張
27 暴力と不穏の行動の煽動
28 虚偽の報道
29 GHQまたは地方軍政部に対する不適切な言及
30 解禁されていない報道の公表
です。このプレスコードができたのは、昭和20年9月18日、朝日新聞が「原爆は国際法違反の戦争犯罪である」という鳩山一郎の談話を掲載したからで、朝日新聞は二日間の発行停止処分を受け、翌19日にプレスコードが発令されたのです。
私もプレスコードの存在は知っていましたが、詳しく調べていくうちに、これは国会で取り上げないといけないと思い、平成26年4月1日衆議院法務委員会と4月11日衆議院内閣委員会で、「今でもプレスコードは有効なのか?」と問いました。外務省の水嶋光一大臣官房参事官は、「サンフランシスコ平和条約の発効に伴い失効している」と答弁しましたが、実態は異なり、アメリカは昭和30年代までパルプの配給を抑えていて、新聞社を実質的にコントロールしていました。このプレスコードのために、日本は南京大虐殺や従軍慰安婦問題で、毅然とした態度がいまだ取れずにいます。日本政府の対応や見解を見ていると、プレスコードにとらわれているとしか思えません。
また、報道だけでなく教育でも、数十年かけて反日日本人を育成してきました。日米安保条約締結時には、日本中で学生運動が巻き起こり、最後まで運動を続けた人が大学に残って学者になるか、マスメディアに就職し、その影響力をいろいろなところに及ぼしていったのです。
韓国や中国への非難ができないのは、プレスコードで「朝鮮人への批判」「中国への批判」が禁じられているからなのは明白です。プレスコードがなければ、南京も慰安婦も徹底的に否定できたはずです。
このプレスコードについては、国益を損なう由々しきことだけに、朝日新聞だけでなく、他の全国紙も含めて国会招致を実現し、党を超えたムーブメントを起こし、プレスコードの存在を追求し、完全なる撤廃を勝ち取ってまいりたいと思います。

6. 女性政治家ができること

慰安婦問題は私達の世代で必ず解決しなければなりません。もし放置してしまったら、私達の子供や孫も韓国に謝り続けることになってしまいます。そのようなことはあってはならないのです。韓国側の捏造の歴史を受け入れ、謝罪と賠償を繰り返すことは、もう止めるべきなのです。だからこそ、私達は事実の検証をしっかりやらなくてはならないのです。今やるべきことは、徹底的に調査をして、事実を表に出すことです。その事実を踏まえて、日本政府はどう出るのか、河野談話をどう処理するのか、新しく談話を出すのか。また、事実が明らかになった時に韓国政府はどう反応するのか、アメリカやヨーロッパの国々はどう判断するのか、状況を見極めながら、日本は毅然とした態度で立ち向かわなくてはならないのです。
私は、女性議員の視点から、これからも理路整然とこの問題に切り込んでまいります。日本が自虐国家となった元凶が、教育とメディアの報道にあるということを強く訴えてまいりたいと思います。
世界では、今も昔も情報謀略戦争が繰り広げられており、「嘘も100回言えば真実になる」と言っている韓国、そして中国と対峙するためには、真実を1000回叫んでいかなければならないと思います。私にはその覚悟が出来ています。